花まみれの淑女たち
2018年9月12日
今週末は3連休ですね。
最終日17日の月曜は「敬老の日」です。
敬老の日は、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に過ごす
という方もいらっしゃるのでは?
今日ご紹介するのは、おばあちゃんたちが活躍する小説です。
『花まみれの淑女たち/歌川たいじ(角川書店)』
本屋さんをぶらぶら歩いている時に、
色とりどりのお花に囲まれた
女性たちのイラストの表紙があまりにも目立っていて、
思わず手に取ってしまいました。
おばあさんたちの物語と言いつつ、
主人公は、32歳の女性の由佳です。
ときはリーマンショックの翌年です。つまり2009年ですね。
このリーマンショックによって勤務先の会社が傾き
由佳はリストラされてしまいます。
何もする気が起きず、だらだら過ごしていた彼女は、
ある日、北新宿の「花まみれビル」に
集まって暮らすおばあちゃんたちに出会います。
見た目は、ほのぼのとしたシニアグループでしたが、
実は、スゴイおばあちゃんたちの集まりでした。
彼女たちは、このビルでお花を育てながら
様々な「お花の仕事」をしています。
例えば、ガーデニング教室をしたり、お店にお花を活けに行ったり。
また、東京で育てられないお花は
地方の高齢者たちが育てるお花を仕入れるなど、
なんと日本中にお花のネットワークを持っています。
これだけでもすごいのに、このおばあちゃんたち、実は探偵をしているのです!
ちなみに、メンバーのおばあちゃん曰く、
おばあちゃんというのは、探偵に向いているのだそうです。
若者がいないところでも必ずおばあさんは歩いているけれど、
世間はおばあさんたちを無視しているから目立たないのだとか。
また、写真を撮ったところで、まごついて立っているようにしか見えないと。
つまり、おばあちゃんであることを武器にしているのです!
そんなある日、オレオレ詐欺の被害にあったおばあさんを助けようと
おばあさん探偵たちは動き始めます。
警察ですら犯人を捕まえられずにいるのに
おばあちゃんたちに犯人を捕まえることはできるのでしょうか。
ところで、主人公のリストラにあった32歳の由佳ちゃんですが、
彼女は、結局このおばあちゃんたちとともに行動していくことになります。
さらに、恋をするもののなかなかうまくいかず…。
おばあちゃんたちの活躍と由佳の恋、
どちらも応援したくなる大変面白い一冊でした。
本のページをめくるのが本当に楽しかった!
年を重ねるのも悪くない、と思えました。
私もおばあちゃんになったら
おばあちゃんたちが暮らす「花まみれビル」に住んでみたいな。
誰も面倒を見てくれないのなら、
自分たちでどうにかするしかない!
とこれまでに自分たちが得た知識や人脈を使って仕事をし、
人生を楽しむおばあちゃんたちのなんて素敵なことか。
また、おばあちゃんたちの言葉が心に染みるのです。
例えば
「どいつもこいつもなんて思うときはね、たいてい自分が悪い」
「歳をとったからって、初めてのことがなくなるわけじゃない」
さらに、
「一番大事なのは、自分で自分に○○すること」なのだとか。
この○○は、何だと思いますか?
答えが知りたい方は是非本を読んでみて下さい。
この本を読む前と読んだ後では、
私自身の生き方が少し変わったように思います。
この本に出合えてよかった!
読むと元気になれます。
あなたも是非この連休中に読んでみて下さい。
『花まみれの淑女たち』、いつかドラマ化されないかな。
映画だと短すぎるので、ドラマとして丁寧に描いてほしい!