三千円の使いかた
2018年7月11日
「人は三千円の使い方で人生が決まる」のだそうです。
三千円という金額、あなたはどう感じますか?
私なら、ランチの三千円は高級ランチだけど、
夜の宴会の三千円は高くは感じません。
でも、実際の中身を見たら
ランチの三千円のほうが本当はオトクかもしれないのですよね。
例えば、ディナーが最低でも一万円のお店なら
三千円のランチはオトク感があります。
一方、つまみを少しとビールを数杯飲むだけの宴会なら
三千円は高いと思いませんか?
外食が多めの私は、三千円と聞いて、まずそんなことを思いました。
この三千円のイメージは人によって大きく異なると思います。
今日ご紹介するのは、
「人は三千円の使い方で人生が決まる」
という一文から始まる本です。
原田ひ香さんの『三千円の使いかた(中央公論新社)』
タイトルからお金にまつわるお話かな?と想像できますが、
そのとおり。この本は、ある家族のお金にまつわる連作短編集です。
でも、三千円の使い方だけが紹介されているわけではありません。
ある家族の20代の娘二人とお母さん、そして、おばあちゃんのお話がメインです。
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人生の節目には必ずお金の問題が出てきます。
例えば、結婚、子育て、入院、離婚、老後など。
世代ごとにお金の悩みも異なります。
例えば、20代の独身の妹は
これまで自由にお金を使ってきましたが、
あることがきっかけでお金を貯め始めます。
まず、一日百円貯めてみては?とアドバイスされ
「それなら、貯金箱を買わなきゃ!」
といきなりお金を使うことを考え、
「お土産の缶で十分!貯金箱代も貯金しようよ」
とダメだしされます。
あ、これ、私だ…と思った方もいらっしゃるのでは?
私もそんな一人です。
またこの妹は、残業後の疲れたときに
ついコンビニスイーツや高級食材を買ってしまうのですね。
これ、まるで私です。(笑)
そりゃあ、お金が貯まらないよなあ、
と妹を見ながら自分自身のお金の使いかたを反省。。。
妹以外の女性たちもそれぞれ悩みを抱えています。
50代のお母さんは病気をしてから考え方が変わります。
家事をしない夫の料理をするだけの日々は嫌だと気付きます。
でも、お惣菜を買ってばかりではお金もかかるし、
どうしようと悩んでいます。
また、70代のおばあちゃんは、
おじいちゃん亡き後、貯金や年金はあるけれど、
この先、生活していけるのかしら?
と不安になり、パートを始めます。
それぞれの世代の女性たちが直面するお金の問題が出てくるのですが、
どれも具体的な悩みや解決法が出てきて、大変勉強になりました。
ストーリーとしての面白さはもちろん、
節約やお金の使いかたについても具体的に学ぶことができて
大変タメになりました。
私が、早速実践しようと思ったのは、
毎月、最後の週は、家にある食材だけで過ごすというもの。
だいたい台所には一週間くらいの食材はあるものなんですって。
たしかに一人暮らしの私の家にも買い置きの食材はあります。
そして、それらは食べずに賞味期限ギリギリになって
あわてて食べたりしている…。
でも、毎月最終週に食材を一掃できたら気持ちよさそうじゃないですか?
という感じで、お金や生活に関して学ぶこともできる一冊でした。
節約したいけれど、節約のための本を読むのはなあ…
という方には、この本がおすすめです。
なんといっても小説を楽しみながら学べちゃいますから!