サハラの薔薇
2018年1月24日
今日ご紹介する本は、読みながらとにかく喉が渇きました。
読書のお供にコーヒーを用意していたので、
飲もうと思ったらいつでも飲めるのに
その存在をすっかり忘れるほど作品に没頭していたのはもちろん、
舞台が砂漠というのも大きな理由です。
今日ご紹介する本はこちら。
『サハラの薔薇/下村敦史(しもむら・あつし)(角川書店)』
本の帯には「この10年で最高の徹夜本‐完読せずには眠れない‐」とあります。
たしかに私もノンストップで読みました。
主人公は、エジプトで発掘調査をしていた日本人の考古学者です。
発掘調査の終わった彼は、仕事のため飛行機に乗ってパリへ向かっていたのですが、
なんとその飛行機が墜落してしまいます。
それも、何もない砂漠の上に。
生き残った乗客たちは、墜落現場にとどまるか、オアシスを目指して歩くか、
決断を迫られます。
結局、半分が残り、もう半分は移動することに。
主人公の考古学者はオアシスへ向かうことにしました。
ただし、同行者は癖のある人ばかり。
ベリーダンサーの美女、何か裏がありそうなエンジニアの日本人、
不気味な呪術師、オアシスの場所を知っているというフランス人男性など。
しかし、オアシスを目指して何もない灼熱の砂漠の上を歩くものの、
なかなかオアシスは見えてきません。
手持ちの水分も残り少なくなっていきます。
同行者の数が減れば、水分や食料を自分のものにできるため、
殺人をちらつかせる人も出てきます。
また、進むべき方角も人によって違う方角を主張しはじめ…。
一体誰を信じればいいのか。
毎回、困難に直面するたび、自ら選択していかなければならないのですが、
この選択が生きるか死ぬかに直結してくるため、簡単には決められません。
灼熱の砂漠でただでさえ喉が渇くのに、
水分は限られていて、
オアシスに辿り着けるかも不明。
さらに、同行者の素性はまったくわからず、
殺されてしまうかもしれない…
という極限状態の中で物語が進んでいきます。
冒頭の話に戻りますが、
だから、喉が渇くのです!
この物語は、オアシスに辿り着くことが目的ではありません。
物語の後半は、同行者たちの素性が明らかになり、
なぜ、パリ行きの飛行機に乗っていたのか、その理由もわかります。
この本を読み終えた後、知らぬ間に体に力が入っていたことに気付きました。
最後までハラハラドキドキが続いていました。
富山はしばらく雪の毎日となりそうです。
雪の夜長は、冒険小説でも読んでみてはいかがでしょう?
家にいながら冒険気分が味わえますよー。
ただし、没頭して寝不足にならないようご注意くださいね。(笑)