三つの悪夢と階段室の女王
2017年6月7日
突然ですが、質問です。
あなたは「正しい人」ですか?
もうひとつ。
あなたは「いい人」ですか?
どうでしょう?
「はい」と答えた方もこの本を読むと
いや、私にも嫌な部分があるかも、と思うかもしれません。
今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃〜)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただく本は、
第35回小説推理新人賞受賞作も収録されている
増田忠則さんのデビュー作
『三つの悪夢と階段室の女王』
です。
4つの短編が収録されています。
詳しくは、奥野さんの紹介文をお読みください。 → コチラ
私も読みましたので、軽く感想を。
こわかった。
本当にこわかった。
読むとイヤな気分になるイヤミスなのですが
まさしく後味が悪かったです。
私は、作中の被害者にも加害者にも共感できませんでした。
だからといって、自分とは全く関係無い話かと言えば、
いつ私が当事者になってもおかしくないような内容で全く他人事とは思えず、
本を読みながら、もし自分だったらどうするか?
ということを考えずにはいられませんでした。
例えば、あなたに酷いことをしてきた人がいたとします。
その人が困っているのを目にした時、あなたはどう思いますか?
「いい気味だ」と思わない自信はありますか?
私は正直、無いかも…。
フィクションだけど、「小説だから」と割り切れないものがありました。
人間の嫌な部分の描き方が実にリアルで。
また、嫌な物語にもかかわらず、
悔しいことにページをめくる手を止められませんでした。
結局この物語はどうなっていくんだろう、と気になってしまい、
こわいと思いつつ夢中で読んでしまいました。
こうやって、みんなイヤミスの虜になっていくのね…(笑)
それにしても、ほんと小説の世界の話でよかったよ。