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最後の秘境 東京藝大

2016年11月2日

今日のキノコレでご紹介する本は、
全国の書店で「売上1位」が続出しているという探検記です。

その本とは、二宮敦人(にのみや・あつと)さん

『最後の秘境 東京藝大 —天才たちのカオスな日常—(新潮社)』です。

紀伊國屋書店富山店の中村さんが
この本について詳しく紹介していますので、
まずは、コチラ をお読みください。
 
***

私も読みましたので、軽く紹介しますね。

中村さんの紹介にもある通り「東京藝大」について書かれた本です。

でも、著者の二宮さんは小説家であり、芸術に精通しているわけではありません。
また、藝大の出身でもありません。

奥さまが現役の東京藝大生なのです。
この奥さまが大変面白い方なんだそうです。

そこで、奥さまが通う東京藝大について調べてみたいと思い、
謎に満ちた「芸術界の東大」である東京藝術大学を探検することになったのだとか。

この本は、藝大の様々な「芸術家の卵たち」、
つまり現役学生たちに話を聞いたインタビューで構成されています。

「東京藝大の学生」と言っても、
学科によって全く異なる学生生活を送っていることがわかります。

東京藝大は、美術学部・通称「美校」と音楽学部・通称「音校」に分かれており、
キャンパスも違えば、学生たちの見た目も全然違うのだそうです。

また、学び方も異なるそうで、
例えば、美校は一つの部屋でみんなで制作活動をするのに対し、
音校は個室で練習をするスタイルが多いのだとか。

また、美校・音校の中にも様々な学科があります。

わかりやすい学科もあれば、
いったい何をしているんだろう?
そもそもそれについて知って学びたいと思ったきかっけは何だったんだろう?
と思えるような学科もたくさんありました。

そんな、ふとした疑問を著者の二宮さんが学生さんたちに聞いているのですが、
その話の流れが大変心地よかったです。

これはどういうこと?と私が思うのと同時に二宮さんが質問をしていて、
あまりにもタイミングが良すぎて
まるで私自身が学生さんに質問をしている気分になってきたほどです。

そして、どの学生さんも楽しそうにインタビューに答えているのが
読んでいて気持ちよかったです。

「もっと知りたい!学びたい」という欲求があふれ出ていました。

もちろん辛いことや大変なことについても話しているのですが、
大学生にありがちな「あ〜、だり〜」
といったようなかったるさは感じられませんでした。(笑)

きっと自分のやりたいことが、はっきりわかっているからなのかもな。

私は芸術に精通しているわけではありませんが、
そんな私でも楽しみながら読めました。

学生の皆さんの感性が、私の想像をはるかに超える面白さでした。

・え、そこまでする?

・なんでそうなった?

と、何度心の中で突っ込みを入れたことか。

藝大には、
ブラを仮面にしちゃう女性や
口笛で合格した学生、
元ホストクラブ経営者、
仏像を学ぶために音楽を学ぶ学生などもいるそうです。

ん?どういうこと?と気になった方は是非本を読んでみてください。

大変面白い一冊でした。

それから、この本は、学生さんたちの紹介だけでなく、
芸術についてもわかりやすく紹介されていますので、
この本を読むことで「芸術」についても学ぶことができます。

芸術の秋ですね。
ちょっと変わった角度から芸術に触れてみるのも楽しいと思います。

是非あなたも「最後の秘境」を体験してみてください。
秘境の入り口は、本のページをめくったところにありますよ〜。

そうそう、芸術関係の大学に行きたいと思っている
中高生も是非読んでみてください。

yukikotajima 11:45 am