PTAグランパ!
2016年9月14日
今このブログをお読みの方の中で
現在、お子さんのPTAの役員をされている、
あるいは、過去にしたことがあるという方はいらっしゃいますか?
まだしたことは無いけれど、いつかまわってきそう…。
でも、できればPTAの役員にだけはなりたくない。
と思っている親御さんもいらっしゃるのでは?
今日ご紹介する小説は、そんなPTAが舞台のお話です。
主人公は、ママでもパパでもなく、おじいちゃんです。
『PTAグランパ!/中澤日菜子(角川書店)』
***
さっそく物語をご紹介しましょう。
主人公は、大手家電メーカーを定年退職した67歳のじぃじ。
家庭をかえりみることなく仕事一筋で生きてきた「ザ・昭和の男」です。
のんびり隠居生活を楽しもうと思っていたところに、
離婚した一人娘が小学一年生の孫娘を連れて実家に帰ってきます。
しかも、その娘から
「仕事で忙しい自分の代わりにPTAの副会長をしてほしい」
と言われてしまいます。
最初は「やりたくない」と渋っていたじぃじですが、
かわいい孫のために仕方なく副会長をすることに。
ちなみに、PTAの他のメンバーはというと、
会長は24歳の金髪ギャル男、
もう一人の副会長はノーと言えない気弱な主婦、
監査役はママ達のボス。しかも前会長。
これまで仕事一筋で生きてきた昭和の男が
他のメンバーたちと合うはずもなく、衝突を繰り返します。
頑固でプライドが高いじぃじは、
人と自分を比較して自分のほうが上だと思ったり、
自分の意見がすべて正しいと思ったりしているところがあるのです。
あなたの周りにもじぃじのような男性、いませんか?
でも、仕事上どんなに出世したところで
肩書が無くなれば、ただのおじいさんです。
とくにPTAにおいては、24歳の金髪ギャル男も主婦も立場は皆同じです。
肩書も上下関係も無くなった時こそ、
その人らしさというものがわかりやすく出てくるもので、
じぃじもPTAに属したことで、ダメなところがたくさん出てきます。
果たしてじぃじは一年間PTAの副会長を無事つとめることができるのでしょうか…。
ぜひじぃじの一年間をのぞいてみてください!
***
私は、この本に出合えてよかったです。
ストーリーの面白さはもちろん、
たくさんのことを学べた一冊でもありました。
合わない人や世代の異なる人とどう接すればいいのかわからない方は、
この本からヒントをもらえると思います。
また、実際の生活でも頑固じじいに振り回されているご家族の皆さんは、
この本を読みながらスカッと爽快な気分になれるでしょうし、
一方の頑固じじいの皆さんは…そうねぇ。
この本を読んで少しでも気付いてくれたらいいなあ。
自分の間違いに。
たとえば、嫌味を言えば人が変わるかといえば、逆効果です。
怒鳴ったら離れていくだけです。
自分の都合のいいように強引に人を変えようとしたって人は変わらないんですよー。
まずは自分から変わらないと。自分から歩み寄らないとね!
何十年も変わらない性格のままだと、
もう一生変わらないなと周りの人もご自身もあきらめてしまいがちですが、
何歳だろうと変わろうと思えば人は変われるのかもしれない!
そんな希望を感じた一冊でもありました。
定年退職された皆さんも
おびえずに本のページをめくってみてください。(笑)
あ、でも読むときは、ご家族のいないところで一人こっそり読んだほうがいいかも。
だって泣いているところを見られたくないでしょ?(笑)
なんだかんだで、この本はおじいちゃん世代が一番心に響きそうだな。
そうだっ!
今年の敬老の日のプレゼントに『PTAグランパ!』を送ってみてはいかがでしょう?
頑固じじいが、ちょっと素直なかわいいじぃじに変わるかも〜。
またじぃじだけでなく、
子育てをしながらパートで働くママさんや
出産後、正社員として忙しく働くママさんも登場しますので、
ママさんたちが読んでも元気になると思います!