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向田理髪店

2016年5月4日

GWまっただ中。
ご実家に帰省されている方もいらっしゃると思いますが、
久しぶりの地元はいかがですか?

帰ってばかりの頃は、実家はいいなあ。地元のこの豊かな自然、落ち着くなあ。
なんて思っていたものの、
何日かいると、田舎の嫌な部分が見えてきて、そろそろ今住んでいる家に帰りたいなあ、
なんて思う瞬間もあるかもしれません。

人と一緒ですよね。
どんなに好きな人でも100%完璧な人はいませんものね。
いいところもあれば、ダメなところもあるわけで。

なんだかんだで文句を言いつつも好きなのが地元なのかもしれません。

今日の本紹介コーナー「キノコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)」で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただくのは、

『向田理髪店(むこうだりはつてん)/奥田英朗(光文社)』

です。

まずは、奥野さんの紹介文をお読みください。

 奥野さんの紹介文は コチラ

私もこの本を読みました。
大好きな作家さんである奥田さんの最新作とあり、
今回も読む前からわっくわくでした。

主人公は、本のタイトルの理髪店のご主人。

彼はやや心配性で、どんなことも悪い方に考えてしまいがちです。

彼の住む町は、寂れてしまった北海道の炭坑町。
しかも財政破たんしてしまった町です。

となると、あそこが思い浮かびますが、
多分あそこをモデルにしているのでしょう。

小さな町とは言え、全く平凡な日々というわけではありません。

『向田理髪店』は、町で起きた6つの出来事が綴られています。

たとえば、異国から花嫁がやって来たり、
新しくできたスナックの妖艶なママにオヤジ連中が夢中になったり、
映画のロケ地になったり、
地元出身の若者が全国指名手配犯になったりと、
それはそれは賑やかです。

小さな町だからこそ、すべてが筒抜けです。
こっそり何かをしようなんてことは無理です。必ずばれます。

また家を訪れるときは、前もって連絡なんてしません。
とりあえず、行ってみます。

そういった田舎ならではのあんなことこんなことが綴られています。
田舎に住む人たちは、身近な人と登場人物を重ねながら楽しめるのでは?

『向田理髪店』は物語という感じがしませんでした。
日本各地で同じような出来事が起きているんだろうなと思って。

地元の未来はいったいどうなってしまうのかと憂い、
勉強会などに参加される方もいますが、
この町の住民たちの声にも耳を傾けてみてください。
いいヒントをもらえるますよ、きっと。

いや、田舎の町だけじゃないな。
これは、きっとみんなに必要なことだな。

大切なことに気付かせてくれる一冊でした。

『向田理髪店』について詳しくは今日のラジオでもご紹介しますので、お聞き下さい♪

オンエアーは、今日の13時45分頃〜grace内です。

yukikotajima 11:21 am