水やりはいつも深夜だけど
2015年1月21日
またまた良い本に出合いました。
角川書店から発売された窪美澄さんの
『水やりはいつも深夜だけど』
という本です。
タイトル通り、水やりされたあとのごとく心が潤った一冊でした。
でも、その水の量が多すぎて、目からあふれ出るほどでしたが。(笑)
***
毎日の生活の中で、思い通りにいかないことって、ありますよね。
特に、身近な家族とのやりとりの中で、
そうじゃないんだってば…と思うこと、ありませんか?
うまく伝わらなくて、
もういいやとあきらめてしまったり、
逆にイライラしたり。
こんなはずじゃなかったのに…
どうして。
なんでうまくいかないの。
とこっそり涙を流したことのある方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時、どうやって解決させてますか?
あきらめる?
やけになる?
今まさにそんな気持ちでいる方がいらっしゃれば、この本を読んでみて下さい。
いやいや、小説なんかに救われないよ、私の気持ちは…
なんて思った方もいらっしゃるかもしれない。
でも、試しに読んでみて。
ビジネス書のように、
ああしろ、こうしろ、これが正しい、これは間違っている、
などと押し付けるようなことは書かれていませんから。
本のページをめくって、色んな人の心の中をのぞいてみてください。
***
物語は、5つのお話で構成されています。
共通点は、同じ幼稚園に子どもを通わせているということ。
でも、連作というわけではありません。
例えば、
・周囲の評価が気になって仕方ないものの
セレブママとしてブログを更新し続ける主婦
・仕事が忙しくてなかなか子育てに参加できず
妻とギクシャクしてきた夫
・父の再婚で突然やってきた義母とその子どもに戸惑う女子高校生
など合わせて5つのお話が収録されています。
しかもどれも様々な植物がタイトルになっています。
それぞれの植物の写真は、この本の特設サイトに載っていますので、
本を読んで気になった方はチェックしてみてください。
★ 特設サイトは コチラ
ちなみに、私が作品の内容にもタイトルとなっているお花にも心惹かれたのは、
サンカヨウ
です。
こちらは、女子高校生が主人公で父が再婚し、
新たにやってきた義母とその子どもに戸惑うというお話で、
最後に収録されています。
もちろんストーリーの中にもサンカヨウが出てきます。
このお花、花びらが透明になるんですって。
特設サイトの写真の花びらは白いですが、
ネットで検索してみたら、確かに透明になっていました。
この花、生で見てみたい!
お花も美しいのですが、物語がまたとてもよくて。
そんなに泣くことも無さそうなお話なのに、涙が出てきてしまいました。
あ!もしかしたら、最後のお話だからというのもあるのかも。
一話ずつ読む毎に心への水やりが増えて、最後にあふれてしまったのかもな。
***
物語に出てくる人たちは、みんな何かしらの問題を抱えています。
そんな彼らが辿り着いた先は?
ちなみに、決して暗いお話ではありません。
希望が感じられる、あたたかくていい本です。
幼稚園にお子さんを通わせている親御さんが
一番リアルに共感できると思いますが、
独身の私が読んでも心を動かされましたので、
どなたが読んでもきっと、心の水やりになると思います。
誰かに話を聞いてもらいたい。
でも、こんなこと、人に話すことでもないし・・・。
そんな方は、まずは、この本のページをめくってみてください。
何かしらの解決のヒントが得られるかもしれませんよ。