鹿の王
2014年11月26日
今日はちょっと寝不足です。
というか、ここ数日寝不足が続いています。
飲み歩いている…
わけではありません。(笑)
寝不足の理由は、毎晩、本を読んでいたからです。
その本とは、この秋一番読まれている
『鹿の王』
です。
角川書店から発売され、
上巻・下巻合わせて1000ページ以上あります。
上巻は『鹿の王〜生き残った者〜』
下巻は『鹿の王〜還(かえ)って行く者〜』
というタイトルがついています。
著者は、上橋菜穂子(うえはし・なほこ) さん。
上橋さんは、1989年『精霊の木』で作家デビュー。
『精霊の守り人(もりびと)』をはじめとする「守り人」シリーズ、
「獣の奏者(そうじゃ)」シリーズなどがあります。
以前、『獣の奏者』シリーズはご紹介しています。
★ 私の『獣の奏者』の感想は コチラ
ちなみに、『精霊の守り人』、『獣の奏者』はアニメ化されていますので、
アニメでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
私は原作を読んではまり、『獣の奏者エリン』のアニメも欠かさず見ました。
大人になってからあんなにアニメにはまったのは初めてでした。
獣の奏者はファンタジーなのですが、
私はそれまでファンタジーはあまり好きではなかったのです。
でも、こんなに面白い世界があるのか!と
簡単にジャンルで好き嫌いを分けるべきではない、と気付かされた作品でした。
ですから、今回の新作もかなり楽しみにしていました。
もちろん、今回の『鹿の王』もファンタジーです。
それも大人が楽しめる壮大なストーリーで、
1000ページ以上もあるのに、ぐいぐい引き込まれました。
できれば、ページをめくるワクワク感を奪いたくないので、
本の紹介は、
「とっても面白いので、是非読んで!!!」
程度に留めたいのですが、
それだとあまりにも雑な紹介なので(笑)、
ほんの少しだけご紹介します。
ストーリーは、二人の主人公を軸に進んでいきます。
まずは、ヴァンという男性の物語。
彼は、故郷を守るため、ある戦士団の頭として活躍していたものの、
捕えられ、奴隷として過酷な労働を強いられていました。
そんなある日、ひと群れの不思議な犬たちが奴隷たちを襲い、謎の病が発生。
ヴァンも犬に襲われるのですが、なんとか生き延び、逃げ出します。
そして、もう一つが、天才的な医術師であるホッサルの物語です。
ホッサルは、ある病の治療法を探しています。
そんな中でホッサルは、ヴァンの存在を知ります。
そして・・・。
***
そんな二人の物語が交互に描かれていきます。
冒険小説としての面白さを味わえるだけでなく、
家族とは?
命をつなぐこととは?
病とは?
など様々なことを考えさせられます。
ファンタジーなのだけど、すごく現実的でもあります。
この本を読んで、心がふっと軽くなる人もいるように思いました。
あまり具体的な感想を言うと、ネタバレになってしまうので控えますが、
心を打つ台詞も色々ありました。
たとえば
「人というのは哀しいもので、なにをやっても、どこかに悔いが残る」
という台詞。
私もいつも「もっとこうすればよかった…」と思いながらも、
そんなことを思う私は、暗いのか、なんて思っていましたが、
そういうもんかと思ったらちょっと楽になりました。
物語が面白いから、一気にページをめくっていくのだけれど、
時々、ページをめくる手が止まる瞬間が何度もありました。
『鹿の王』は、素敵な言葉、表現の宝庫でもあります。
大人の皆さん、是非、物語の世界にどっぷりつかってみてください。
ただし!
時間がたっぷりある時に読み始めるのがいいかも。
そうしないと、私のように寝不足になります。(笑)