君のいた日々
2014年5月28日
うーん。
困った!
この本は紹介するのが難しい。
本や映画は、紹介し過ぎても、しなさ過ぎてもつまらなくなってしまいます。
毎回、テキトーに思いつくままに感想を書いていると思われているかもしれませんが、
(実際、ほぼ勢いで書いていますが…)
ストーリーをどこまで紹介するかは一応考えて書いています。
自分がまったく本を読んでいないと仮定して、
ここまでの紹介だとわかりにくいかなあとか、
逆にここまでばらしてしまったら面白さが半減してしまうかなあとか、
それはそれは悩むものです。
私の感想はどちらかというと、
例えを用いながらの感覚的なものが多いかもしれません。
イメージをわかせることで、
なんとなくこんな本かな?という印象を持ってもらうことを意識していきます。
また、ある程度は内容を紹介し、
「それでそのあとはどうなるの?」
というところでストップ。
気持ち悪さを残す紹介を心がけています。(笑)
「田島、このモヤモヤした思いをどうしてくれるんだー!
続きが気になって仕事が手につかないじゃないか」
と思ってもらえたら最高です。(笑)
でも、その分、本を読んで続きを知った時の喜びは、
何も知らずに読むより大きいと思うのです。
あ。そういえば、私よく言われます。
ツンデレだよね、と。(笑)
***
さてさて。
その、とても紹介しづらい本というのは、
藤野千夜(ふじの・ちや)さんの『君のいた日々』
という本です。
出版社である角川春樹事務所のサイトにはこのように紹介されています。
“〈妻を失った夫〉と〈夫を失った妻〉の、それぞれの世界から、
ふたりのかけがえのない大切な瞬間を紡ぐ究極の夫婦愛”
うまい!
さすがです。
いや、普通の文章でしょ?と思うかもしれませんが、
本を読んだ後にこの紹介文を読むと、
はい、はい、はいと言いながらニヤニヤすること間違いありません。
早速、あいまいな紹介ですみません。
でもこのままではいったいなんの話かまるでわからないと思いますので、
冒頭の部分、ほんの一部をご紹介します。
主人公は、50歳の男性。
一年前に同い年の妻を病気で亡くしています。
一年たってもその悲しみは癒えず、
今でも亡き妻のことを考えては、涙を流しています。
そんな父親のことを高校生の息子は、泣いてばかりの「泣きおやじ」と呼びます。
この息子が、イマドキの生意気な高校生なのですが、憎めないなのです。
キモイ!とかウザ!とかすぐに言うくせに、
時々とても素直になるのです。
泣きおやじと父親を馬鹿にするくせに、
自分も亡き母を思ってこっそり泣いていたりするんですよ。
そのシーンには私も泣かされました。
生意気だけど、いい奴なのです。
・
それから、お話はもう一つあります。
こちらは、夫を亡くした妻のお話。
こちらも夫への愛にあふれています。
・
いずれのお話も亡き伴侶への愛が綴られています。
この本は、ご夫婦でお読みになることをおすすめします。
同時に読めということではないですよ。(笑)
(もちろん読んでいただいても構いませんが)
ぜひ2人それぞれこの本を読んでみてください。
きっと本を読みながら、ご自身と重ねたり、相手のことを考えたりすると思います。
日々お忙しく過ごしている方も、
この本が、一度、立ち止まって家族のことを考えるいいきっかけになるかもしれません。
***
ところで。
いったい、この本の紹介の何が難しいわけ?
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
ですよね。
一言でいうなら、亡き伴侶へのラブレターがそのまま本になったようなお話です。
もう会えないけれど、会いたい・・・という気持ちがせつない物語です。
でもね、それだけじゃないのです。
最後まで曖昧ですみません。
もう一度言いますが、ぜひご夫婦とも、この本を読んでみてください。
そして読んだら感想を聞かせてください。