世界から猫が消えたなら
2013年3月20日
今日ご紹介するのは、話題の小説
『世界から猫が消えたなら』 です。
雑誌の本紹介コーナーを見ると、たいていこの本が紹介されています。
また、2013年の本屋大賞にもノミネートされています。
◎本屋大賞のHPはコチラ
今、本屋大賞のサイトをチェックしたところ、
ノミネートされている11作品中、
私は8作品を読んでいました。
どれも私も好きな作品ばかり。
何このワクワクするラインアップ!
どうせならすべて読みたいなあ。
本屋大賞の結果発表は、4月9日(火)です。
果たして、どの作品が大賞を受賞するのでしょうか?
楽しみっ!!
***
それから、この本は、本屋大賞ノミネートのほかにも、
スマホアプリのLINEで連載されたことでも話題になったようです。
この本を書かれたのは、
川村元気(かわむら・げんき)さん。
映画プロデューサーとして、
『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』
などのヒット作を手がけています。
そんな川村さんが初めて書かれた小説が、
この『世界から猫が消えたなら』です。
主人公は、30歳の郵便配達員の男性。
体調がよくないと思って病院に行ったところ、
余命わずかであることを宣告されます。
そんな時、目の前に陽気な悪魔があらわれ、
「この世界から何かを1つ消すごとに、
あなたの命を1日延ばしてあげましょう」
と言われます。
そして、悪魔はモノを消していきます。
ん?ちょっと待った!!
悪魔?
えっ?漫画?
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
間違いなく「悪魔」です。(笑)
そして、漫画ではなく小説です。
確かにスト—リーは非現実的ですが、
でも、いろいろ考えちゃうんですよねえ。
もし自分だったらどうするんだろう、と。
心で感じる部分は大変現実的です。
主人公の彼は、生きるために世界からモノが消えることを受け入れます。
まず電話が消され、映画が消され、その後も様々なモノが消されていきます。
よく言われませんか?
失ってはじめてその価値、大切さがわかる、ということを。
逆に、執着していたものを手放したとき、
それが自分にとってはそれほど重要で無いことに気付くこともあります。
私は読みながらも読み終えた後も考えました。
自分にとって大切なモノについて、
逆にいらないモノについて。
普段は意識しない、でも大切なことを思い出させてくれる1冊でした。
***
また、この本は家族の物語でもあります。
家族は、近い存在だからこそ、
甘えから酷い態度を取ったり、
言わなくてもいいことを言ったり、
かたくなになったりしてしまいがちではないでしょうか?
私自身を振り返ってみると、
きょうだいに対して平気でひどいことを口にしているし、
いい年して親に甘えている部分もあるなあと思い、反省…。
また、そんなことを考えていたら、
離れて暮らす親の声が聞きたくなり電話をしてしまいまいた。
本当は、いつもありがとう、なんて言葉をかけたくなったのだけど、
「突然何?」とあやしまれそうなので(笑)、
心の中で感謝しながら普通の話をしました。
でも、その時思ったんですよね。
この「普通」であることが、大切なんだよなと。
この本は、読んだ後に、自分にとって大切な人に会いたくなったり、
声が聞きたくなったりしてくなるように思います。
私が親の声を聞きたくなったように。
あなたは、この本を読見終えたとき、どなたの顔が浮かぶかな?
当たり前すぎて気付かない大切なこと、大切な気持ち、大切な人を、
この本はきっと思い出させてくれるはずです。
気付くのが遅すぎた、なんてことのないように、
早めにこの本を読んで、思い出してみてね!