旅猫リポート
2012年11月28日
今日のユキコレ(grace内コーナー13:45頃〜オンエアー)でご紹介する本は、
大人気作家、有川浩さんの新作『旅猫リポート』です。
文藝春秋から11月15日に出たばかりの新作です。
有川さんと言いますと、映画化もされた『阪急電車』や、
『図書館戦争シリーズ』などで知られる作家さんです。
私も『阪急電車』は大好きな作品のひとつです。
『阪急電車』は、偶然同じ電車に乗り合わせた乗客たちの
それぞれのストーリーが描かれていましたが、
新作の『旅猫リポート』は、猫目線のお話です。
私なりに感じた共通点は「心をのぞく」。
『阪急電車』は、電車でたまたま乗り合わせた人のことを、
この人はこんな状況なのかもしれないと想像するだけでなく、
そのままその人の心の中をのぞくような感じのお話でした。
そして今回の『旅猫リポート』でのぞくのは、猫の心の中。
猫目線で物語が綴られていきます。
主人公の猫の名前は、ナナ。
女の子ような名前ですが雄です。
ナナと一緒に住んでいるのが、心優しき青年のサトル。
そんなナナとサトルの旅が描かれています。
旅の行き先は、サトルの親しい人たちが住んでいる場所。
実は、サトルは子供の頃から日本各地に引越しを繰り返してきたのです。
そのため、日本各地に友達がいます。
そんな懐かしい人たちに会いに、ナナを連れて旅に出ます。
行く先々で友人たちと過去の思い出を語り合うことで、
サトルの過去や人柄が徐々に明らかになっていきます。
そして、そういった友人に会う度、一人称が彼らにかわっていきます。
小学校時代の幼馴染のコースケ、
中学時代に仲の良かったヨシミネ、
高校時代を共にしたスギとチカコ。
そして、サトルの母親の妹のノリコ。
彼らから見たサトルとは?
そして、旅の最後は…?
・・・
優しさに満ちたとてもあたたかな作品でした。
私もサトルやナナと友達になりたいと思いました。
いや、友達じゃないな。私はサトルが好きです。大好きです。(笑)
そして、ナナと暮らしたい。
最近、友人のワンちゃんと遊んで以来、
私も犬を飼いたい〜!なんて思っていましたが、
この本を読んでからは、猫と暮らすのもいいかもと現在浮気中です。(笑)
動物を飼っていない私がここまではまってしまったのですから、
動物を飼っている方、特に猫を飼っている方がこの本を読んだら、
私の何倍も感情移入してしまうんだろうなあ。
羨ましい!
優しさに飢えている方、
なんで自分ばかりがこんな目に!と思っている方、
あたたかなストーリーをお探しの方。
有川浩さんの『旅猫リポート』を是非読んでみてください。
心にしみますよ〜。
あ、そうそう、
コチラの作品、舞台化されるそうです。
見てみたい!
・・・
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