生きるぼくら
2012年10月3日
今日のキノコレ(grace内コーナー13:45頃オンエアー)は、
紀伊國屋書店富山店の橋本さんから
をご紹介頂きます。
●橋本さんの紹介文はコチラをお読みください。
私も読みましたので、軽くご紹介。
原田さんの作品といいますと、
を読んだことがあります。
※どちらも、作品名をクリックしていただくと、私の感想が読めます。
いずれも心に残る素敵な作品でしたが、
今回の『生きるぼくら』もとてもあたたかな作品でした。
ひきこもり青年が、わけあって田舎に一人で住む祖母の家を訪ね、
そこで昔ながらの方法で米づくりをすることになる、というお話です。
自分の部屋にひきこもりインターネットの世界だけを見て生きてきた青年が、
田舎で米作りをすることで、色々なことを学んでいきます。
ご飯の美味しさ、
土のやわらかさ、
自然の美しさや厳しさ、
米づくりの大変さ、
そして、人のあたたかさ。
彼が米づくりを通して、何を感じ、どのように成長していくのかが描かれています。
ちょうど今は、新米の季節ですが、
この本を読んだあと、ご飯を目の前にすると、
感謝せずにはいられなくなると思います。
お米を作ってくれた農家の方や豊かな自然、
美味しいご飯を食べられるということに、
心から感謝したくなると思います。
私は、久しぶりに手を合わせ、
「いただきます」
と言ってからご飯をいただきました。
そして、この本を読んだ後、
手作りのおにぎりが食べたくなりました。
それも今は亡き祖母が作った味噌おにぎりが。
この本に登場するおばあちゃんもお味噌のおにぎりを作っていましたが、
私の祖母も俵型のおにぎりの表面に味噌を塗ったおにぎりをよく作ってくれました。
母とは違う味、形のおにぎりに、最初は驚きましたが、
でもそれはそれで美味しくて、祖母の家に行く度、作って、とねだったものです。
本を読みながら、私自身の過去の思い出までもがよみがえり、重なり、
気付いた時には、大粒の涙。
流れ始めたら止まらなくて、
後半は、ずっと泣いていました。
あまり大きな声では言えないけれど、
そのせいで、今日はやや腫れぼったい目をしています。(笑)
とにかくあたたかい気持ちになれるいい本です。
心の奥では、変わりたい、と思いつつ、
なかなか変わろうとする、その1歩が踏み出せなかったり、
ケンカしたまま仲直りできず、そのままになってしまっていたりする方がもしいれば、
一人で悩むその時間を、この本を読む時間にあててみてください。
本を読み終えた時、きっと何か行動せずにはいられなくなると思います。
それは、あなたにとってのいい行動のはず。
まずは、この本のページをめくる勇気を持ってみて。
こんな素敵な世界を味わわせて下さった原田マハさんに感謝!
やはり、原田さんの作品は気持ちいいわ〜。