おもかげ復元師
2012年8月1日
今日のキノコレ(13時45分頃〜オンエアー)は、
紀伊國屋書店富山店の橋本さんから、
こちらの本をご紹介頂きます。
『おもかげ復元師/笹原留似子(ポプラ社)』
まずは、橋本さんの推薦文をお読み下さい。
⇒ http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_1706.html
熱い思いが伝わってくる文章ですよね。
8月6日発売ということで発売前ですが、
今回は特別に私も読ませて頂きましたので、軽く感想を。
震災関連の本は、色々読んだけれど、他には無いタイプの本でした。
『おもかげ復元師』は、映画で有名になった
「おくりびと」
のお仕事をされている方のお話です。
著者の笹原さんは、故人の最期のお顔を生前の表情に復元するのが仕事です。
時には、亡くなり方によっては、
家族でさえ、故人のお顔を見るのが辛かったり、
受け入れられなかったりするものです。
でも、笹原さんは、顔に表情を戻したり、明るいお肌の色を復活させたり、
まつげやウィッグをつけたりすることで、
生きているころと同じような表情に戻していきます。
笹原さんに復元をしていただいた後は、
ご遺族の皆さんの様子ががらりと変わるのだそうです。
その具体例がたくさん紹介されているのですが、
その紹介の仕方がとてもあたたかい。
笹原さんの優しさに、私は何度も涙が止まらなくなりました。
素敵だなと思ったのは、
笹原さんがご遺体のお顔をマッサージすることで
笹原さんの体温がご遺体に伝わって、お肌に明るさが戻ってきたり、
笑いジワから、生前のその方の笑顔を復元されたりする描写です。
笹原さんの人柄がよく伝わってきました。
***
また、こちらの本には、震災直後の壮絶な様子も描かれています。
あの時、遺体安置所がどんな状況で、
笹原さんがどんなことを感じ、どのような行動をされたのかが、
事細かに記録されています。
知ってほしい、というか「知るべき」事実が書かれていました。
読むべき本だと思います。
この本を読んだ後、私に何ができるだろう、と考えた時、
まずは、この本をたくさんの方に読んでいただくよう、すすめようと思いました。
発売は、来週の月曜に、8月6日です。
是非、お読みください。
できればお盆前に読んでいただくのがいいかも。