ナミヤ雑貨店の奇跡
2012年4月18日
今日のキノコレ(13:45頃〜オンエアー)で、
紀伊國屋書店富山店の橋本さんにご紹介頂くのは、こちら。
◎橋本さんの紹介文はこちら
⇒ http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_1639.html
私も読みました。
20代の頃は、映画も小説もファンタジーは苦手だったのですが、
30歳を過ぎたころからかな、
現実的にはあり得ない話も受け入れられるようになってきた、
というか、面白い話は面白い!
今まで面白いファンタジーを知らなかっただけだ、
と思えるようになりました。
今回の東野さんの新作は、
タイムスリップするお話です。
でも、時空を移動するのは手紙です。
手紙が投かんされるのは、「ナミヤ雑貨店」の小窓。
お返事は翌朝には牛乳箱に入れられます。
不思議な手紙のやりとりを軸に、
様々な人の人生が動き出します。
悩みを抱えた人たちが、
その悩みとどう向き合い、
答えを出していくのか。
そして、その後どんな人生が待っているのか。
悩みを相談する側とされる側。
それぞれが、手紙に書かれた少ない情報を元に、
あれこれ考えをめぐらしながら、
自分の答えをみつけていきます。
とてもあたたかな物語でした。
人の悩みに対する答えというのは、
100%正しいものは無いように思います。
それぞれ選んだ選択が正しかったか間違っていたかは、
誰にもわかりません。
でも、ある時感じるのだと思います。
この選択でよかったんだと。
小さなものから大きなものまで、
きっと人は常に何かしらの悩みを抱え、
様々な選択をしながら日々を生きているのだと思います。
でもそんな中で、どうしても自分一人で抱えきれず、
誰か、それも自分のことを知らない誰かに
話を聞いてもらいたくなる時があると思うのですよね。
知らないからこそ、言える本音。
と、この本を読みながら、
なんだか、ラジオのようなやりとりだなと思ってしまいました。
本名では無くペンネームで悩み相談を書いているし。
きっとラジオ好きの皆さんは、
すんなりお話の世界に入っていけると思います。
それに、この小説には音楽もたくさん出てくるしね!
人の心が見える、とても素敵な物語でした。
登場人物の顔は、読む人の数だけイメージがあると思うけれど、
心はきっと皆同じように見えると思います。
心って、見えにくいじゃない?
だからこそ、見えた時の感動は大きいのですよね。
私は、読みながら、
ある登場人物が嫌われていると思い込んでいた人の本心を知った時、
涙が止まらなくなり、
花粉症以上に鼻をかみ続けました。
それ以降、涙スイッチがオンになったまま読み続けたので、
ゴミ箱の中は、ティッシュだらけに。
でも、涙と鼻水を出したことで、
私の心の垢もきれいさっぱり落とされたように思います。(笑)
ああ、爽快!