聞く力
2012年4月11日
「こんな本を読みたかったのよ、私は!」
これは、私がこの本を読み終えて発した第一声です。
その本とは、阿川佐和子さんが書かれた、
『聞く力‐心をひらく35のヒント‐(文春新書)』という本です。
今年1月20日に発売されて以来、
ずっと売れ続けているのだとか。
わたしは、本を読みながら、
カラッカラの喉、いや体だな、を潤すかのごとく、
阿川さんの言葉を体中に染み込ませていきました。
大変勉強になりました。
『聞く力』には、
雑誌で対談の仕事を18年間続けてきた阿川さんが、
どのように人の話を聞いてきたのかが、つづられています。
自らのインタビュー経験をもとに、
うまくいったときだけではなく、
うまくいかなかったインタビューもあげていて、
なぜだめだったのかの反省も細かく書かれています。
その反省箇所が特に勉強になりました。
まさに私の反省点でもあったから。
また、私が今まで感じていた、
私はこう思うけれど本当にそれでいいのだろうか、や、
こういう時はどうしたらいいのだろう、
という疑問が次々に解決されていき、
とても気持ちよく読めました。
色々ためになったけれど、
一番私が納得したのは、「決めつけてはいけない」。
相手が喋りたいことを無視して、
こちらで勝手に決めつける会話ほどストレスに感じることはありません。
あと、安易に「わかる」と言わない。
本当にわかる時をのぞいて、
わからないかも、と思うときは言わない。
私もこの「わかる」には、結構敏感です。
本当にわかっているならいいのだけど、
心が伴っていない「ワカルー」を口にされた瞬間、
あ、このひと話を聞いていないなと思ってしまいます。
だからこそ、私もこの言葉は意識して使ったり聞いたりしています。
と言いながらも、私も結構「わかるー」は使ってしまうのですけどね。
反省、反省。
おっと、このままの流れでは、
一方的に私の熱い思いを書いているだけで、
会話だったら、まったく人の話を聞かない人になりかねない長さになってきたぞ。
いけない、いけない。
そろそろこんな突込みが入りそうですね。
でもさ〜、
ゆっきーは、喋り手だからためになるかもしれないけれど、
私は違うし…
と。
そう思ったあなた!
どんな人でも、人と会話をしますよね?
インタビューも会話です。
この本は、普段の会話にもかなり役立つと思います。
そして、この本を読んだ後、あることに気付くと思います。
なんで、あの人と喋っているときは、気持ちよく喋れていたのかということに。
理由は、たぶんお分かりだと思いますので、あえて書きますが、
その人が聞き上手だったということです。
私は、まだまだ自分の話をしてしまいがちですが、
それでも前に比べたらだいぶ人の話を聞くようになりました。
そして、聞くことを意識するようになってわかったことは、
やはり話を聞く人は、喋りもうまいということ。
尊敬している喋り手の皆さんは、聞き上手です。
逆に、面白おかしく喋っているようでも、
なんか楽しくないんだよなという人は、人の話を聞いていないことが多い。
そんなことに気付けると、
会話がより面白くなると思いますよ。
私は非常に不快な会話でも、
「人の話を聞かずに自分の話ばかりをする人の話はやはり面白くないな」
と思いながら心の中で笑って逆に楽しめるようになりました。(笑)
そういえば、
先日、友人と話をした後、
彼女からこんなメールが届きました。
「ゆっきーと話をしていると、話したいことがどんどん出てくる」
と。
嬉しかったなあ。
私の「聞く力」なんて、まだまだ微力だけれど、
でも「田島には話を聞いてもらいたくなる」
と思ってもらえるような人になるべくもっともっと頑張ります!
そして、『聞く力』を失いかけたら、
再度読んでパワーを充電するためにも、
この本は、常に近くに置いておきたいと思います。