遊星ハグルマ装置
2012年2月29日
今日のユキコレ(13:45〜オンエアー)で紹介する本はこちら。
『遊星ハグルマ装置/朱川湊人・笹公人(日本経済新聞出版社)』
どこか懐かしく、
それでいて新しさもある、
そして、なんといっても面白い!
そんな作品に出会えました。
私、こういうタイプの作品、好きです。
つかみどころがなく、
つかもうとすると、するするっと抜けていってしまうような、
でも、なんとなく手には感触がある、
まるで夢を見ているかのようなお話。
例えば、子どもの頃、放課後の教室で、
「ここだけの話なんだけどね。
こんな話があるんだ」
と思わず、ひそひそ話を始める子っていませんでしたか?
なんでそんなことを知っているの?と思うのだけど、
信じてしまいそうなお話。
この本には、そういった、
懐かしく不思議な魅力を放つ短編がたくさん収録されています。
あと、短編の合間に、“念力”短歌なるものも。笑。
そのコラボは、ぜひ、本を読んで味わってください。
ちょっとだけ、どんなお話が収録されているのか、ご紹介します。
・「不都合な真実」
なぜか、河童や宇宙人によく遭遇する男性の話。
⇒畳み掛けるような会話のテンポがよい!
・「ラビラビ」
しゃべるぬいぐるみの話。
⇒特に女性はキュンとくるような!?
・「あなたの、古い友だち」
恐竜図鑑のとある恐竜が主人公の話。
⇒もう大人になった元子どもへ、
聞こえないけれど、優しく語りかける様子がとてもいい感じ。
そのほかにも、はっさせられるようなものや、
思わず、ほろりときてしまうもの、
美しかったり、こわかったりするものなど、
本当にさまざまなお話があります。
しかも短編集なので、どれもちょうどいい長さで、
ちょっとした空き時間にさらっと読めるのもこの本の魅力のひとつ。
ちなみに、私は、休憩がてら、
カフェに立ち寄っては読み進めたのですが、
これが偶然にもよかったのです。
終盤から最後にかけてだけでもいいので、
ぜひ、カフェでコーヒーでも飲みながら読んでください。
きっとその方が楽しめます。
なんでかって?
その理由が知りたいなら、本を読んでくださいな。
さあ、あなたも懐かしく不思議な世界に一歩足を踏み入れてみませんか?
この本を読見終えた後は、
子どもの頃のような空想力がきっとよみがえっているはず。
そして、本を読む前より、
世界が少しだけ愉快に感じられるかも!?