38『我が家の問題』
2011年7月26日
私が大好きな作家さんといえば・・・
奥田英朗さん!
好きというか愛しています。(笑)
奥田さんの作品を読んだ後は必ず人に優しくなれます。
例えば、ものすごくむかつく上司がいたとして、
脳内がすべて上司への怒りで埋まっていたとしても、
奥田作品を読み終えた後は、
そんなダメ上司でさえかわいく思えるような感じ。
わかりやすいでしょ?(笑)
奥田作品に登場する人々は、どこかしらダメな人たち。
イケメンヒーローも、
あこがれのヒロインも出てきません。
ちょっとダメな部分のある普通の人々。
だから、共感できる。
しかも、こうすべき!という結論を出さないのが奥田流。
奥田先生自身、「登場人物を裁かないのがモットー」なんだそうです。
だから、読んでいて気持ちいい。
以前出された本『家日和』に続く、平成の家族小説第2弾です。
今回は、6つの家族の問題が収録されています。
いくつか問題を挙げてみましょう。
・完璧すぎる妻のおかげで帰宅恐怖症になってしまった新婚の夫
・夫は仕事ができないらしいと気付いてしまった妻
・結婚して初めてのお盆休みをどう過ごすか悩む夫婦
どうでしょう?
他人事とは思えない問題だと思いませんか?
彼らがどのようにして問題と向き合っていくのかについては、
ぜひ、小説を読んでみてください。
私は、1つの作品が終わる度、
奥田先生らしい笑いと優しさに触れ、涙を流していたような気がする…。
でも、基本的には夫婦の話なので、
独身の私は、既婚者なら、もっと共感&感動できるのだろうな、と、
既婚者にちょっと嫉妬してしまいました。(笑)
しかし!
驚くことに、奥田先生ご自身は、50代の独身男性なんです。
以前、アラサー女性の悩みを描いた『ガール』を読んだときにも思いましたが、
奥田先生は、小説を通して、老若男女問わず、どんな人にもなれてしまうのがスゴイ!
今回も、主婦を中心に様々な人になっています。
ぜひ、その七変化ならぬ六変化を楽しんでくださいませ。
ご紹介した『我が家の問題』は、
明日の13:45ごろ〜の『ユキコレ』でもご紹介します。
◎ちなみに、シリーズ1作目『家日和』の私のブログはこちら↓
http://www.fmtoyama.co.jp/blog/tajima/?p=151