7.8 眠れぬ夜を過ごして。
2011年1月31日
ザックJAPAN!
祝!優勝!!!
私は、決勝は、友人と金沢の某店で見ていました。
その時、お店に居合わせた方たちと一緒になって、応援!
スポーツのいいところは、一瞬にして仲間になれるところですよねー。
去年のワールドカップ同様、今回も初めて出会った方たちと一緒に観戦、楽しみました。
試合が終わって、お店を出てみれば、吹雪…。
午前3時にも関わらず、繁華街には人、人、人。
寒い—!と言いつつ、どこか浮かれた表情の人々。(もちろん私も)
その夜、私は、そのまま金沢に泊まり、
翌日は、金沢の友人とご飯を食べたり、買い物をしたりし、
夜、富山へ帰ってきて、昨日も眠れぬ夜を過ごしました。
今度は、読書で。
読んだのは、「ユキコレ(13:45頃〜オンエアー)」でご紹介する本です。
すっかり夜型生活になっています。
今夜あたり、戻さねば。
それでは、早速、本の紹介です。
今回ご紹介するのは、先日、直木賞に選ばれた、
道尾秀介さんの「月と蟹」と、木内昇さんの「漂砂のうたう」の2冊です。
どちらの作品も、本を読んでいるというより、
本の世界に入って、一緒に体験をしているような感じでした。
時に、小説は、映像より生々しく感覚を刺激することがありますが、
この2つの作品に関しては、どちらからも、においや温度や音や色が鮮明に感じられました。
■『月と蟹/道尾秀介(みちお・しゅうすけ)』
ある夏。海辺の町で、小学5年生の少年たちは、
海でとってきた「ヤドカリ」を神様に見立て、「ヤドカミ様」として、願い事を託します。
願いは、最初は、いじめっ子をこらしめてほしい、お金がほしい、などでしたが、
徐々に、切実な祈りへと変わっていき、子供たちが抱える心の闇が浮き彫りになっていきます。
子供の目に映る大人の世界は、全体的に黒いべールに包まれているような感じで、
ぼんやりとした不気味さを漂わせていました。
対照的に、子供の世界は、逆にわかりやすくて、
純粋であるからこその惨酷さもあり、こちらはこちらで別の怖さがありました。
話は変わりますが、今週末、東京に行ってきます。
この話の舞台となった鎌倉にも行く予定です。
小説の空気感を、今度は生で味わってきます。
■『漂砂(ひょうさ)のうたう/木内昇(きうち・のぼり)』
舞台は、明治時代初期の根津遊郭(ねづゆうかく)。
主人公は、遊郭の立番(たちばん)として働く青年、定九郎(さだくろう)。
武士の出ながらも身分を偽っています。
江戸から明治に変わっても、人々の暮らしや心は、そう簡単には変わらず、
その波にうまく乗れない人もいるわけで。定九郎もそんな1人。
不器用ながらも、その時代を生きる人々は、
明治の話ではなく、「今」にも通ずるものがあると思ったところ、
著者の木内さんも同じことをおっしゃっていました。
そういう点でも、読みやすかったのですが、
読みやすかった理由の1つに、
噺家(はなしか)の弟子、「ポン太」の存在があるようにも思いました。
定九郎の前にふわりとあらわれ、強烈なインパクトを残すポン太の言葉が、
リズミカルに響き、物語にアクセントを与えています。
さすが噺家の弟子だけあって、テンポがいいし、面白い。
そのまま気付いたら、読み終えていました。
そのときの気分は、寝起き。(笑)
本から顔を離し、ぱっと目の前を見てみれば、いつもの私の部屋があって、
なんだか夢から覚めたような感じでした。
今日は、直木賞受賞作2冊をご紹介しました。
気になる方は、是非、読んでみてください!