64 加賀シリーズ『卒業』
2009年11月13日
先日、東野圭吾さんの新作『新参者』をご紹介しましたが、
『新参者』は、東野さんの人気シリーズ「加賀恭一郎」シリーズの新作です。
実は、私は、この加賀シリーズを一切読まずに『新参者』を読んだのです。
でも、過去について何も知らなくてもまったく問題なく楽しめました。
しかし、『新参者』の面白さにはまった私は、やはり過去の作品も読みたくなってしまい、
それなら、まずは1作目からだろう、ということで、
主人公の加賀が刑事になる前の大学生のときのお話、『卒業』を読んでみました。
本が発売されたのは、1989年。今から20年前です。
加賀は、大学4年生です。
ある日、加賀の仲良しグループ7人のうち2人が亡くなるという事件が起こります。
自殺か他殺かもわからない中、加賀は、事件の真相に迫っていきます。
『新参者』では、加賀氏はすでに30代半ばの刑事になっているため、
いい意味での落ち着きが感じられましたが、
ひょうひょうとしているところは、変わらないものの、
学生時代の加賀君は、まだ若さゆえの勢いや幼さがあり、
初めて読む本なのに、懐かしいような気持ちになりました。
でも、80年代の学生さんを描いているのに、全然古さを感じませんでした。
唯一、携帯電話が無いくらいで、あとは今の時代のお話と言ってもいいくらいでした。
学生たちの様子は、今も昔も変わらないのですね。
若かりし頃の東野さんの作品(デビュー2作目)ということで、
私が読み慣れているものとは、少し作風が異なるように感じましたが、
でも、それはそれで新鮮な気持ちで楽しめました。
これからものんびり少しずつ、この加賀シリーズを読み続けていこうと思います。