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61・62 2人のホンダさん

2009年11月2日

今日の『キノコレ』で
紀伊國屋書店富山店の朝加さんからご紹介いただく本を
私も読んだので、軽くご紹介。

今日のテーマは、今、話題作を出している「ホンダさん」です。

○誉田哲也『武士道シックスティーン』

剣道をしている女子高校生2人が主人公のお話です。
一人は、子供のころから剣道一筋の香織。
もう一人は、日舞をしており剣道を始めたのは中学からという早苗。
勝負にこだわる香織と、勝負だけではない剣道の魅力をみつけようとしている早苗。

そんな2人の主人公が交互に登場しながら、それそれの想いが綴られていきます。
彼女たちの気持ちが、とても素直に書かれていて、爽やか。

「」の中の口から出てしまった言葉と、その「」の中では言い表せなかった自分の本心。
その辺りのもどかしさが、いかにも10代という感じがして、懐かしかったな〜。
10代の頃の、ちょっと素直じゃない態度や、
かと思ったら、突然、思いがけない行動をとったりする、
その、あぶなっかしさが、とても瑞々しく描かれていました。

小説というよりも、マンガに近い感じかな。
さら〜っとあっという間に読めます。

読書は苦手だけれど、マンガは大好き!
そんな方が、この本から読書を始めるのにはぴったりかも。
それから、主人公の2人と同世代の、中学生や高校生の方も是非!

そういえば、来春、映画化されるそうですよ。

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もう一人のホンダさんは、こちら。

○本多孝好『MOMENT』集英社

主人公は、病院で清掃婦のアルバイトをしている大学生です。
彼が、ある末期患者の願いを願いを叶えたことから、
その噂は広まり、彼の元には様々な患者が近づいてきます。

4つの短編で構成されていますが、
それぞれがつながりのある連作短編集です。

最初は、おとぎ話っぽい現実味の無い話なのかなと思いながら読んでいたのですが、
いやいや、まったくそのような気配はありませんでした。

主人公の彼は、彼ができる範囲の中で、願いを叶えるべく行動します。
でも、この彼が、特別魅力的な人というわけでもないのです。
いたって、フツーの人です。
まあ、勉強ができることと、割と誰とでも話せることは特技なのかな。
でも、特別明るい性格でも、優しすぎるわけでもない。
どちらかといえばひょうひょうとしていてクール。
そのフツーっぽさが、逆に、この小説を引き締めているのかもしれません。

ただ、泣かせるだけのお話なら、たくさんありますが、このお話は、そうではないのです。
でも、読んだ後は、静かに心に響き続けるものがありました。

自分をよく知る人には話せないことでも、
自分のことを知らない人には、自分の本心を話せたりすることはありませんか?
主人公の彼は、患者さんたちにとって、そういう存在なのだと思います。

患者さんたちの最後の願いとは?
そして彼は、それをどのような方法で叶えるのか?
なんて書くと、安っぽくなりそうですね。(笑)
この作品は、そういった部分を打ち出す作品ではないのだと思います。
でも、読んでいると、その部分も気になってくるのですが。

そうそう、この作品には、続編が出ていて、とても人気なのだとか。
もし、この本を読んで気に入った方は、合わせてどうぞ!

そういえば、『武士道シックスティーン』にも続編が出ているそうですよ。
2人のホンダさんの本の紹介は、
今日、13:45頃からの「キノコレ」を聞いてね〜。

yukikotajima 10:19 am

60「そして誰もいなくなった」

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を読みました。

私は、本は好きと言いつつ、読んでいる本は、最近の本が多く、
過去の素晴らしい作品は、タイトルは知っていても、読んだことのない本だらけです。

本屋さんに行けば、常に最新本コーナーには、
面白そうな本が並び、限られた時間の中で読もうと思うと、
ついついそちらから読んでしまうのですが、
でも、たくさん本を読んでいれば、
やっぱり本のパターンのようなものもわかってきて、
きっと、過去の何かの作品を意識しているのだろうな、
と思えることも多々あります。

でも、その元ネタがわからない…。

そこで、ちょっとずつですが、過去の名作も読んでいこうと思いまして、
まずは、この作品から始めてみました。

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』。

まあ、この作品ついて私があれこれ述べる必要も無いと思いますが、
とにかく面白かったです!
先の展開や登場人物の心の変化にドキドキしながら、
あっという間に読み終えてしまいました。
ここで終わりかな?と思って、その続きは、あとがき感覚で読んでいたら、
まだ物語は続いていて、衝撃の事実が明らかになって、、、
と、一人興奮状態の中で、最後の1ページまでを無我夢中で読み続けました。

私が、今まで海外モノを読まなかった理由は、
登場人物や地名のカタカナが苦手だからなのです。
どうしても覚えられない。
(実は、映画も名前ではなく顔で覚えている程度です)

それは、高校1年生の時の世界史の授業で気付いたのでした。
まったく覚えられない・・・と。
そして私はすぐ日本史1本にしぼることを決意。
そのため、今でも世界史の知識に疎いのです…。
話を元に戻します。

だから、今回も最初は、
本の表紙裏に書かれた登場人物の名前を何度も確認していたのですが、
いつからか、す〜っと作品の世界に没頭している私がいました。

これなら、海外作品も読めるかもしれない。
と、15歳の時の世界史の授業以来の苦手意識が、少し、緩和されたように思います。

カタカナに慣れ始めたら、いつか、
「大人の世界史の教科書」でも、読んでみようかな…。

yukikotajima 10:19 am