67『Blue』
2009年11月30日
今日ご紹介するのは、大阪在住のイラストレーター中村佑介さんの作品集「Blue」です。
中村佑介さんは、イラストの他にも、
漫画作品や、エッセイ、セイルズとしてのバンド活動、インターネットラジオなど、
様々な表現活動をしていらっしゃいます。
そんな中村さんの今年8月に発売された初の作品集「Blue」には、
200ページ以上に及ぶ10年間のイラストの軌跡が収められています。
中村さんのことはご存じなくても、
きっとあなたも知らないうちに作品を目にしていると思いますよー。
私が彼の作品を初めてみたのは、
ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)のCDジャケットでした。
他には、ゲントウキ、スピッツ、坂本冬実さんなどのCDジャケットを手掛けています。
なんっと幅広い!
また、書籍のカバーも数多く手掛けています。
私が思わず「アジカンの人だ!」と本屋さんで声を出してしまったのが、
森見登美彦さんの本です。
イラストは作品世界とぴったり合っていました。
他には、赤川次郎さん、石田衣良さんなどの書籍カバーも手掛けています。
中村佑介さんの作品は、ポップなのだけど、どこかさびしさを感じさせる、
凛とした雰囲気のイラストで、私も大好きです。
一見、とてもポップでおしゃれで、さらっと見ても、とてもかっこいいのだけど、
よーく見ると、そこに書かれた人物がどこかさびしそうだったり、クールだったり、
時には、あらあら、こんな絵まで!というような色っぽいものもあります。
そして、彼の作品に欠かせないのが、人物、というか少女。
見た目は、つじあやのさんぽい雰囲気の女性が多いような気がするのですが、
実際、つじあやのさんの顔を描かれたこともあるようです。
話を戻して…。
少女というより、女子高生を描くことが多いように感じられます。
実際、セーラー服姿の女性も多いですし。
その少女の描き方が素晴らしい。
ピュアな部分を残しつつも、
時々とても大胆だったり、危なっかしかったりするからドキリとするのです。
一見クールに見えるイラストだからこそ、ドキリ度は大きい。
でも、そのギャップが心地いいのですが。
かと思えば、大きなリンゴの上に乗る少女や、
鳥かごの中のインコの横に座る少女のイラストなど、
独特な世界観を描くこともあります。
そして、彼は色を多用しているわけではないのだけど、
印象に残る色づかいなので、後をひきます。
残るのです。ず〜〜っと。
彼のイラストは、見た後に甘酸っぱく懐かしい気持ちになります。
まあ、それは、私がいい大人になったというのもあるのかもしれませんが…。
忙しい日々や、変わらない毎日にうんざり気味という方は、
今日ご紹介した、中村佑介さんの作品集『Blue』をご覧になりながら、
こっそりタイムスリップしてみてはいかがでしょうか。
それにしても、彼は私と同じ31歳。
そのうえ、男性なんですよね〜。
絵のタッチから、ずっと、この絵を描いていたのは、女性だと思っていました。