48 『神様のカルテ』夏川草介
2009年9月7日
今日の「キノコレ」(13:45ごろ〜オン・エアー)でご紹介いただく本
『 神様のカルテ / 夏川草介 』を読みました。
紀伊國屋書店富山店の朝加さんイチオシ本です。
本の帯には、朝加さんのコメントが掲載されています!
是非、探してみてね〜。
主人公は、長野の病院に勤める20代のお医者さん。
内科医である彼は、時には救急医と名を変え、忙しい日々を送っています。
実際に、著者は長野の病院に勤務しているそうです。
もしかしたら、主人公の彼は、著者そのままなのでは?と思えるくらいに、リアルです。
そして、78年生まれ。私と同い年です。
同い年で、お医者さんとして活躍する傍ら、
こんなに素敵な作品を書いてしまうことに、かなり嫉妬しました。
自分と比較すること自体、間違っているのですが、
でも、嫉妬してしまうくらいに、いい作品だったのです。
話をもとに戻します。
本によっては、どこか客観的だったり、やっぱり本の世界だな、
と思えることもあるのだけれど、
この本は、そのまま、長野のある病院のお話を文字におこした、と言ってもいいくらい、
とってもリアルな空気感でした。
例えば、主人公の先生は、
3日で3時間しか寝られないような超多忙の日々を送っています。
その忙しさの表現が最高にうまい。
いかに忙しく、いかに疲れているかが、よく伝わってきます。
ただ、ブーブー「疲れた〜」とか「忙しい〜」と言っているだけなら、
読んでいる方も飽きてしまいますが、そうさせないところがすばらしい。
つまりは、仕事が好きなのです。
でも、仕事が好きです!俺頑張ってます!というアピールもしすぎていません。
そのあたりのバランスが、気持ちよく、
全然ジャンルは違うけれど、一緒に仕事をしてみたい、と思えてなりませんでした。
本が好きで、古風な喋り方をする、ちょっと変わった先生だけど、
優しくて、人が大好きで、医者という仕事に誇りを持っていて、とっても素敵な先生でした。
そんな先生のまわりの方々、
奥さま、同僚、お友達なども、皆、個性的で愉快!そして、皆、優しい。
読みながら、涙がつーっとこぼれたのは、1度だけではありませんでした。
読み終えたときには、心の整体をしていただいたような気持ちよさがありました。
心がこりまくりの方は、是非読んでみてください。
1260円でコリがほぐれるなんて安すぎます。
イチ先生のシリーズ化を求む! 求む!求む〜!!!