37『朗読者』
2009年7月13日
現在公開中の映画『愛を読むひと』の原作、
『朗読者 /ベルンハルト・シュリンク 松永美穂 訳 』を読みました。
この本は、ドイツの作家・ベルンハルト・シュリンクによって1995年に発表され、
25ヶ国で翻訳され、全世界の500万人が涙したという大ベストセラーです。
映画の感想は『ゆきれぽ』の6月23日のブログに載せていますので、
もしよかったら、そちらも読んでみてください。
舞台は、1958年のドイツ。
15歳のマイケルは、21歳年上のハンナと激しい恋に落ちます。
そして、ある日、ハンナから「なにか朗読してよ、坊や!」と、朗読を求められ、
マイケルはハンナのために朗読するようになります。
ところが、ハンナは、突然、姿を消してしまいます。
それから8年後。2人は再会。そしてハンナの秘密が明らかに…。
という内容です。
でも、これは、あくまでもストーリーの前半のお話。
ストーリーは、マイケル目線で綴られ、
最初は、15歳のマイケル、
次に、8年後の23歳からのマイケル、
そして、40代の今のマイケルのお話にわかれています。
映画を見ていて、ストーリーを知っているにも関わらず、泣けました。
映画を見た時には、マイケル目線で、ハンナに対して理解できない部分もあったのだけど、
本を読んでいる時、私は、ハンナ目線で、ハンナの心が少しわかったような気がしました。
映画を見た時は、涙は出てこなかったのに、
ハンナが素直な感情を表したと同時に、熱い涙がこぼれてきました。
映画と原作と2つの作品を味わってやっと1つの物語が完結したように思いました。
あとがきに、「この本を2度読むことを勧める」とありました。
一読したときにはインパクトの強い事件が残るが、
二読目に初めて登場人物たちの感情の細やかさに目が開かれる、
と。
本を2度読んでもいいと思うけれど、
私は、できれば、映画も味わうことをお勧めします。
ちなみに、映画『愛を読むひと』は、今週金曜日17日まで、
TOHOシネマズ ファボーレ富山、TOHOシネマズ 高岡で公開中です。
まもなく上映終了となりますので、お早めに!