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漢方小説

2008年8月25日

中島たい子さんの『漢方小説(集英社文庫)』を読みました。

本の帯には「親友の結婚式がユウウツにならない用」と書かれていました。
思わず手を伸ばしてしまいました(笑)。
いや、私はまだちゃんと祝福できる心はもってますよ!
ただ、面白いコピーだな〜と思っただけです(苦笑)。

主人公は、31歳・独身の脚本家の女性、みのり。
突然、体が震えだし、胃が痛くなり、病院で診てもらったところ、
「異常なし」。
そんなはずはない!といくつかの他の病院にも行ってみたものの、
結局「異常なし」。

そんな彼女がたどりついたのが「東洋医学」でした。
漢方を飲みながら、心と体のバランスを取り戻していくみのり。

30代前半・独身女性は、皆、一度は、
「なんか今までと違う」ということがおこるのだとか。

今までと変わらず生きているのに、ふとした瞬間に、変化を感じる。
その変化は人によっても違うのでしょうが、
みのりの場合は、胃の痛みと震えでした。
でも、その原因は、はっきりとはわからない。
思い当たることはあっても、そのせい!とも言えないような気もするわけで。

なんか、他人事じゃなかった。
みのりと症状は違うけれど、気持ちはよくわかった。

全然中身はわからず、本の帯のみで買った本だけど、読んでよかった。
本当に悩んでいる時って、一人で抱え込んじゃったりしませんか?
そして、とても心細く感じたり。
私も、ちょっと心身共に疲れていたのですが、
この本を読んでいる時は、なんかとても落ち着きました。

素晴らしい人間ばかりが出てきて、活躍しまくりの本も、もちろんいいけれど、
そんな本ばかりじゃ、正直、疲れちゃいますよね。
私は、ダメな人たちが、もがきながら生きている本も読みたいと思う。
特にこの本は、テンポよく、あっという間に読めます。
はっきりとここが悪い!とは言えないけれど、
なんか不調・・・という方に処方したい本かな。

yukikotajima 1:00 pm