蟹工船
2008年8月23日
『蟹工船・党生活者/小林多喜二(新潮文庫)』を読みました。
最近、若い方によく読まれていると聞き、読んでみました。
昭和28年の作品です。
とても簡単に内容をまとめると、
過酷な労働を強いられた蟹工船の乗員たちが、
ストライキをおこす、というものです。
小林多喜二というと、
社会の教科書に、虐殺された写真が載っていたことで、
覚えている方もいらっしゃるのでは。
私も、あの写真には衝撃を受けたことを覚えています。
彼が亡くなったのは29歳。
今の私より若い。。。
過去の作品を読むとき、生まれた年は、もちろん私が生まれる前ですが、
その作品を発表した時の年齢は、今の私より若いこととても多い。
自分の甘さや幼さを感じます。
『蟹工船』。
ただ文字を読んでいるだけなのに、私は、苦しくて仕方なかった。
痛みが文字から伝わってきます。
寒さも熱さも臭さも伝わってきて、気持ち悪くなってしまったほど。
読むのに体力を使いました。
表現の自由が許されなかった時代に、
このような作品を発表したのかと思うと、本当に頭が下がります。
でも、長い年月を経て、たくさんの若者に読まれるとは、
本人も思っていなかったかもしれませんね。
「辛いのは自分だけじゃない!」
という気持ちで読む人が多いそうです。
理不尽なことだらけで、こっそり悔し涙を流している方、
一度読んでみてはいかがでしょう。
そうそう、今は「マンガ」も出ていますので、
本が苦手な方は、マンガで読んでみてください。