明日への遺言
2008年3月3日
映画『明日への遺言』(3月1日公開)を見ました。
大岡昇平さんのノンフィクション小説「ながい旅」を
『雨あがる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化したものです。
第二次世界大戦の後、無差別爆撃を実行した
アメリカ軍の搭乗員を処刑した罪に問われ、
B級戦犯として戦争裁判にかけられた
岡田資中将の法廷での戦いを描いています。
岡田中将を演じているのは、藤田まことさん。
映画のほとんどが変化の無い裁判のシーンです。
でも、実際にそこにいる人たちの表情や話す内容は、変わっていきます。
自分が正しいと思うことを信じ、
しっかりと自分の信念を貫く、その潔さは、
たくさんの人の心を動かしていきます。
言論の自由が許される今の時代でさえ、
本当に正しいことを言える人間がどれだけいるかわからない中、
今よりもっと本音を言いづらかったであろう、あの時代に、
自分自身を貫き通すことは、今以上に大変なことだったと思うのです。
そこに胸が熱くなりました。
そして、さらに胸が熱くなったのが、
岡田中将の弁護をしている主任弁護人のフェザーストンさん。
彼はアメリカ人や日本人といった人種で差別せず、
岡田中将を一人の人間としてちゃんと弁護しようとしている様子が素晴らしく、
私は彼の優しい表情を見るたびに、涙があふれてきました。
本当に心打たれました。
『明日への遺言』は、
映画を見るというより、
裁判をじっとみつめている気分になる映画です。
岡田中将の法廷での戦いをあなたも是非ご覧下さい!