対岸の彼女
2007年7月24日
第132回 直木賞受賞作『対岸の彼女』を読みました。
角田光代(かくた・みつよ)さんの話題作です。
実は、発売されてすぐ買ったのですが、
ずっと忘れていました(笑)。
ちなみに発売されたのは2004年です。
何やってんだか。。。(笑)
本棚の本がいっぱいになってしまったので整理していたら出てきました。
この本以外にも読んでいない本がたくさん・・・。
ちょっとずつまた読んでいこうと思います。
さて、『対岸の彼女』の登場人物は、大きく分けると3人。
まず、30代の女性二人。
人付き合いの苦手な主婦・小夜子と、
小夜子が就職した会社の女社長・葵の二人。
さらに高校時代の葵とその友達ナナコ。
30代になった葵のお話は、小夜子目線で、
高校時代の葵のお話は、葵目線で話が進んでいきます。
そして、今と昔が交互に描かれています。
葵が高校時代を過ごしたのは群馬。
そう!私、田島の出身地。
群馬の中でも私の実家に程近い場所のお話。
知っている地名がたくさん出てきて、
懐かしさで胸がきゅ〜っんとなってしまいました。
制服のニオイや、空っ風の冷たさや、青空にとけるような色のブルーの山々。
なつかしい・・・。
でも、本を読み始めるまで群馬のことが書かれていることは知りませんでしたが(笑)。
『対岸の彼女』は、
ブルー&グリーンの爽やかな表紙とは、
全く逆の世界が描かれていました。
高校時代の悪質ないじめや、人付き合いが苦手な主婦の話など。
あまり明るい話ではないかな。
読んでいる途中に、なんかもうこの先真っ暗って感じがして、
もう読みたくないかも…と正直、何度か思いました。
面倒くさいことに足を突っ込んでしまった感じがして、
逃げたくなってしまったの。
でもね、読んでよかったです、最後まで。
人間、やっぱり思っているだけじゃだめですね。
行動しなきゃ。
伝えたいことは伝えなきゃ、ね。
毎日、変わらない日々だし、
格別楽しいこともないし、
と、
ちょっと日々をあきらめかけている方にオススメかな。
私にとっては、
心がいい方向にぞわぞわっと動き出すきっかけを与えてくれた本でした。