魔王
2007年3月8日
井坂幸太郎さん自身が、
自分の読んだことのない小説が読みたいという気持ちで書いた小説
『魔王』を読みました。
確かに、読んだことのないストーリーでした。
内容を説明するのが難しいくらいに、複雑。
簡単に書くと、
私が以前読んだ『重力ピエロ』と同じく、今回も兄弟のお話でした。
・・・
ってこれで終わりじゃだめよね(笑)。
では、ほんの少しご紹介しましょう。
ある人気政治家は、
今の日本を変えるべくファシズム化していきます。
その危険性に気づいた主人公の兄は、
それを止めようとするのですが・・・。
小説の中の日本の変化が、
もし現実の世界でもあったら、怖いな、と、
どこか遠い世界の話ではなく、ありうる話として私の心に響きました。
なんか、不気味なんだよなぁ。
嫌な重さが心にずしんときました。
でも、この作品は、
今の政治や憲法について異論を唱えることが軸ではありません。
たまたまテーマがそうであったという感じかな。
そんな重苦しい雰囲気の中を
時々爽やかな風が吹くかのように、
宮沢賢治さんの作品が引用されていたのも興味深かったです。
私が一番共感したのが、お兄さんが多用していた
「考えろ。考えろ。考えろ」
という台詞。
何をするにも、まずは自分の頭で考えろ!
ドキッとした。私、、、
考えているようで、周りに流されていなかったかなって。
本当に自分の頭で考えていたかなって。
そもそも考えるって何だ?って。
正直、考えすぎて疲れました(笑)。
普段、あまり考えていなかったのね、私。。。
あなたは、最近、考えていますか?