『日日是好日』
2024年4月3日
2024年度になりました。
今年度もヨリミチトソラで
毎週水曜18時32分からお送りしている「ゆきれぽ」では、
このブログとの連動で本紹介(時々アートも)をしていきますので、
引き続きどうぞよろしくお願いします。
毎月第一週は、明文堂書店とコラボし、
本を愛する高岡射水店 書籍担当 野口さんのオススメ本をご紹介しています。
第一週の今週は、コラボ回!
野口さんのオススメ本です。
『日日是好日(にちにちこれこうじつ)
—「お茶」が教えてくれた15のしあわせ—』
森下典子
新潮文庫
この作品は、2018年に映画化されましたので、
映画をご覧になった方もいるのでは。
私も見ました。映画鑑賞後には原作も読みました。
どちらもとても良かったことを覚えています。
◎私の当時の感想は コチラ
一度読んでいるとは言え、野口さんから
「この本は何度読んでもいいし、春に読むのにぴったりだから」
と言われ、私も久しぶりに読んでみました。
せっかくなので読む前に配信で映画を再度鑑賞してから、本を読みました。
今回もとても良かったです!
それも前回より心に響きました。
まずは、どんな作品なのかご紹介しますね。
この本は、お茶を習い始めて25年の著者が、
お茶を習い始めてから今に至るまでを振り返るエッセイです。
うまくいかなかったり、辛かったりしたときでも、
いつもそばには「お茶」があり、
「お茶」から大切なことに気付かされます。
副題に〈「お茶」が教えてくれた15のしあわせ〉とある通り、
著者は、「お茶」から様々なことを教わります。
例えば、
・「自分は何も知らない」と言うことを知る
・「今」に気持ちを集中すること
・たくさんの「本物」を見ること
などです。
映画では、黒木華さんが主人公を
樹木希林さんがお茶の先生を演じていました。
ちょっととぼけた感じの先生と
素直な生徒のやり取りが心地良い映画でした。
この作品は、茶道教室での出来事がメインですが、
お茶を習ったことの無い私でも楽しめました。
それこそ、生きていく上で大切にしたいことが、
たくさん詰まっているのです。
私は本を読む際、いいなと思うところや
肝となる箇所には付箋を貼っていくのですが、
この本は付箋だらけになってしまったほどです。
このエッセイの中で、著者は、世の中には
「すぐにわかるもの」と「すぐにはわからないもの」があると言います。
例えば、ある映画を、子どもの頃、大学生、30代半ばのときに見たら、
毎回印象が変わっていったそうです。それも見る度に深くなっていったと。
倍速視聴などでタイパを重視しがちな今の時代には、
「今すぐにはわからない」というのは、
もっとも無駄なことかもしれません。
でも、そこにこそ意味があるのです。
どんなにいい言葉もいい教えも
自分自身で「そうか」と気付かないと、
なかなか身に付かないものです。
年を重ねていくということは、
昔分からなかったことに気付いていくことなのかもしれませんね。
私もこの本を6年ぶりに読んで、前回以上に心に響きました。
この本を書いた当時の著者とほぼ同じ年齢になった、
というのもあるのかもしれませんが、
今このタイミングで読めて本当に良かったです。
ですが、この本は新社会人の方にもおすすめです。
ものを習うことに対しての大事な教えも書かれています。
ではここで、これまでこの本を何度も読んでいる
明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介しましょう。
毎年、春になると、必ず読みたくなる本です。
出会い、別れ、喜び、悲しみ、人生のあらゆる場面が、
一冊に詰まっていて、心地よいリズムのある文章で綴られています。
読むたびに、五感がフル活動しています。
野口さんによると、なんだかんだで一番再読している本だそうです。
以前読んだ方も、まだ読んでいない方も、ぜひ読んでみてください。
この本を読んだあとは、きっとこう思うはず。
日日是好日。毎日がいい日だと。
今日ご紹介した『日日是好日』は、
富山県内の明文堂書店全店の「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にあります。
ぜひお手に取ってみてくださいね。
◎明文堂書店のサイトは コチラ