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『日日是好日』

2024年4月3日

2024年度になりました。

今年度もヨリミチトソラ
毎週水曜18時32分からお送りしている「ゆきれぽ」では、
このブログとの連動で本紹介(時々アートも)をしていきますので、
引き続きどうぞよろしくお願いします。

毎月第一週は、明文堂書店とコラボし、
本を愛する高岡射水店 書籍担当 野口さんのオススメ本をご紹介しています。

第一週の今週は、コラボ回!
野口さんのオススメ本です。

『日日是好日(にちにちこれこうじつ)
—「お茶」が教えてくれた15のしあわせ—』
森下典子
新潮文庫

この作品は、2018年に映画化されましたので、
映画をご覧になった方もいるのでは。

私も見ました。映画鑑賞後には原作も読みました。
どちらもとても良かったことを覚えています。

◎私の当時の感想は コチラ

一度読んでいるとは言え、野口さんから
「この本は何度読んでもいいし、春に読むのにぴったりだから」
と言われ、私も久しぶりに読んでみました。
せっかくなので読む前に配信で映画を再度鑑賞してから、本を読みました。

今回もとても良かったです!
それも前回より心に響きました。

まずは、どんな作品なのかご紹介しますね。
この本は、お茶を習い始めて25年の著者が、
お茶を習い始めてから今に至るまでを振り返るエッセイです。
うまくいかなかったり、辛かったりしたときでも、
いつもそばには「お茶」があり、
「お茶」から大切なことに気付かされます。

副題に〈「お茶」が教えてくれた15のしあわせ〉とある通り、
著者は、「お茶」から様々なことを教わります。

例えば、
・「自分は何も知らない」と言うことを知る
・「今」に気持ちを集中すること
・たくさんの「本物」を見ること
などです。

映画では、黒木華さんが主人公を
樹木希林さんがお茶の先生を演じていました。
ちょっととぼけた感じの先生と
素直な生徒のやり取りが心地良い映画でした。

この作品は、茶道教室での出来事がメインですが、
お茶を習ったことの無い私でも楽しめました。

それこそ、生きていく上で大切にしたいことが、
たくさん詰まっているのです。

私は本を読む際、いいなと思うところや
肝となる箇所には付箋を貼っていくのですが、
この本は付箋だらけになってしまったほどです。

このエッセイの中で、著者は、世の中には
「すぐにわかるもの」と「すぐにはわからないもの」があると言います。
例えば、ある映画を、子どもの頃、大学生、30代半ばのときに見たら、
毎回印象が変わっていったそうです。それも見る度に深くなっていったと。

倍速視聴などでタイパを重視しがちな今の時代には、
「今すぐにはわからない」というのは、
もっとも無駄なことかもしれません。

でも、そこにこそ意味があるのです。

どんなにいい言葉もいい教えも
自分自身で「そうか」と気付かないと、
なかなか身に付かないものです。

年を重ねていくということは、
昔分からなかったことに気付いていくことなのかもしれませんね。

私もこの本を6年ぶりに読んで、前回以上に心に響きました。
この本を書いた当時の著者とほぼ同じ年齢になった、
というのもあるのかもしれませんが、
今このタイミングで読めて本当に良かったです。

ですが、この本は新社会人の方にもおすすめです。
ものを習うことに対しての大事な教えも書かれています。

ではここで、これまでこの本を何度も読んでいる
明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介しましょう。

毎年、春になると、必ず読みたくなる本です。
出会い、別れ、喜び、悲しみ、人生のあらゆる場面が、
一冊に詰まっていて、心地よいリズムのある文章で綴られています。
読むたびに、五感がフル活動しています。

野口さんによると、なんだかんだで一番再読している本だそうです。

以前読んだ方も、まだ読んでいない方も、ぜひ読んでみてください。

この本を読んだあとは、きっとこう思うはず。
日日是好日。毎日がいい日だと。

今日ご紹介した『日日是好日』は、
富山県内の明文堂書店全店「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にあります。
ぜひお手に取ってみてくださいね。

◎明文堂書店のサイトは コチラ

yukikotajima 11:03 am

イオンシネマとなみ

2023年6月29日

今日も暑い一日となっていますが、映画館は夏でも涼しく快適ですよね。

映画館と言えば、明後日の7月1日(土)にイオンモールとなみ1階に、
砺波市初のシネマコンプレックス「イオンシネマとなみ」がオープンします。

「イオンシネマとなみ」は、コンパクト型シネマコンプレックスです。
しかし、コンパクトとは言え施設のクオリティーは高く、
チケットレス入場ができたり、飲食売店にはセルフオーダーシステムを導入するなど、
スムーズな入場やオーダーが可能です。

私も実際にオーダーしてみましたが、とても簡単でした。
ちなみに、この柚子ジンジャーソーダは、
最後まで味が薄まることなく美味しく飲めました。

もちろん映画鑑賞中も快適にお過ごしいただけますよー。
全スクリーンに3タイプの座席があります。

まず、両肘のある上質生地の「通常席」

電動リクライニング付きの「ハイグレードシート」

各スクリーンの一番前の席は、寝そべりながら鑑賞できる「コンフォートシート」です。

なんと、コンフォートシートは鑑賞料金のみで利用できます。
ハイグレードシートは鑑賞料金+500円ですが、ワンドリンク付きです。

この映画館の一番のポイントは、国内で初めて全スクリーンに
立体音響技術「ドルビーアトモス」を採用していることです。
まるで作品の中に入り込んだかのような没入感を味わえるということで、
世界中で人気の音響技術です。

素晴らしいのは音だけではありません。
県内で初めて全スクリーンにレーザープロジェクターを導入していることで、
よりリアルで鮮明な映像を楽しむことができます。

今回、早速イオンシネマとなみで映画を見てまいりました。
明日6月30日(金)に公開となる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』です。

ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグがタッグを組み、
ハリソン・フォードが主演をつとめる超人気シリーズです。

私は今回気合いを入れて、過去の作品をすべて予習してから新作を鑑賞しました。

だからこそ、ジョン・ウィリアムズのおなじみのテーマ曲
「レイダース・マーチ」が聞こえてきた瞬間は密かに大興奮でした。

『インディ・ジョーンズ』と言ったら毎回様々な危険に見舞われますが、
今回もかなり激しく、ハラハラドキドキしっぱなしでした。
ある秘宝を巡って、インディがあらゆる場所で逃げたり追いかけたりするのですが、
音の広がりがすごいので、たしかに没入感がありました。
音の響きがそのまま体に感じられるほどで、私もインディと冒険している気分でした。

ぜひあなたも「イオンシネマとなみ」でこの没入感を味わってみてください。

オープン後は『インディ・ジョーンズ』以外にも様々な作品が上映されるようですよ。
その中の一つ『リトル・マーメイド』は、
より水の中にいるような気分が味わえそうだわ。

私もまた「イオンシネマとなみ」に映画を見にというか、体感しに行こうと思います!

◎『イオンシネマとなみ』のサイトは コチラ

yukikotajima 11:44 am

『ハケンアニメ!』『レジェンドアニメ!』

2022年5月25日

今日は、現在上映中の映画『ハケンアニメ!』と、
その原作とスピンオフ小説をご紹介します。

映画『ハケンアニメ!』は、辻村深月さんの大人気小説を映画化したもので、
5月20日(金)に公開されました。

原作は、2015年にラジオでご紹介しています。

◎詳しくは コチラ

アニメ業界の舞台裏を描いたお仕事小説で、
監督、プロデューサー、声優、アニメーターなど、
アニメ制作にかかわる人たちが登場します。

『ハケンアニメ!』の「ハケン」は、「派遣」ではなく「覇権」のことです。
同じ時期に放送されたアニメの中で頂点を取るという意味です。

小説は、監督、プロデューサー、アニメーター3人の視点で進んでいきます。
ちなみに全員女性です。

映画では、監督を吉岡里帆さん、プロデューサーを尾野真千子さん、
アニメーターを小野花梨さんが演じています。

簡単に映画のストーリーをご紹介しましょう。

連続アニメで監督デビューが決定した吉岡さん演じる新人監督の斎藤瞳は、
日本中に最高のアニメを届けたい!と意気込んでいます。
しかし、柄本佑さん演じるプロデューサーはビジネス最優先だし、
周りのスタッフたちからは否定されてばかりで、なかなか思い通りに進んでいきません。

そんな斎藤監督のライバルは、天才、王子監督です。中村倫也さんが演じています。

この王子監督のプロデューサーが、尾野真千子さん演じる有科さんです。
彼女は超ワガママな王子監督に振り回されています。

そしてもう一人、巻き込まれてしまうのが、小野花梨さん演じるアニメーターです。

映画は、斎藤監督と有科さんを中心に
2つのアニメのどちらが頂点を取るのかが描かれていきます。

原作が良かったので映画も楽しみにしていましたが、映画も大変面白かったです。
原作とは少し異なるところもありますが、その変更含め良かった!

また、アニメ業界を描いているものの
基本は熱い思いで働く人たちのお仕事ムービーですので、
私のようにアニメに詳しくない方でも楽しめます。

映画が面白かったので、7年ぶりに再度、原作を読み直したのですが、
映画の登場人物のまま頭の中で映画の続編を楽しんでいる気分でした。

原作は小野花梨さん演じるアニメーターのお話が続いていきますので、
ぜひ映画を見た後にお読みください。

映画の先のお話もとってもいいんです。映画の続編で描いてくれないかしら。

さらに、今年3月に発売された『ハケンアニメ!』のスピンオフ小説集
『レジェンドアニメ!』もあわせてどうぞ。

こちらは、若かりし頃の有科さんや王子監督、
その後の斎藤監督など、6つのお話が収録されています。

私が好きなのは「ハケンじゃないアニメ」という作品。
今年30周年を迎える長寿アニメ「お江戸のニイ太」の現場が描かれています。
30周年を記念してアニメのオープニングをリニューアルすることになり、
ある有名監督に依頼するのですが、
その監督は「ニイ太」を子どもの頃、通ってきませんでした。
でも、素晴らしいオープニングを作ります。
いったいどのような作品を作ったのかは、ぜひ本を読んでお確かめください。

私はこの監督の考えに大いに共感しました。
仕事とは、まさにそういうことなんですよね!

大人の皆さんは昔を知らない若手に対して、
「どうせあいつにはわからない」と決めつけていませんか。

一方、若手の皆さんも「自分の生まれる前だから知らない」
と知ることを放棄していませんか。

それではいいモノは生まれません。

映画『ハケンアニメ!』の公式サイトを開くと
「好きを、つらぬけ。」という言葉がまず目に飛び込んできます。

もちろん、それも大事なことです。
でも、小説の「ハケンじゃないアニメ」には、もっと本質的な言葉が出てきます。
本のページをめくりながら、ぜひその言葉に出合っていただきたい!
仕事への取り組み方が変わると思います。

映画も小説も面白く、さらに学びや気付きがたくさんありました。いい時間でした。

ぜひ皆さんも原作、映画、そしてスピンオフ小説と3点セットで
思う存分「ハケンアニメ!」の世界を堪能してみてください。

そうそう、映画を見たら「エクレア」を食べたくなります。(笑)

yukikotajima 11:41 am

『ウエスト・サイド・ストーリー』『わたしのウエストサイド物語』

2022年2月23日

あなたには繰り返し何度も見ているお気に入りの作品はありますか。

私は『ウエストサイド物語』です。

始めて見たのは高校生の時、友人の舞台でした。
音楽もダンスもストーリーも何もかもがかっこよくて
何だこの作品!と衝撃を受けました。

その直後1961年版の映画を見てさらにはまって、
これまでに何度も繰り返し見ています。
また、少年隊、宝塚歌劇、劇団四季などの舞台も見に行きました。

その『ウエストサイド物語』をスティーブン・スピルバーグ監督が映画化すると知り、
どれだけ楽しみにしていたことか。

2月11日の公開直後に見てまいりました。
スピルバーグ版の『ウエスト・サイド・ストーリー』も素晴らしかったです。

◎映画の公式サイトは コチラ

この作品は「ロミオとジュリエット」をモチーフにしたミュージカルで、
ブロードウェイで1957年に初演されました。
1961年に映画化され大ヒット!アカデミー賞では作品賞など10部門を受賞しました。
そしておよそ60年の時を経て、スピルバーグ監督が映画化しました。

物語の舞台は、多くの移民たちが暮らす
1950年代後半のニューヨークのウエスト・サイドです。
プエルトリコ系移民の若者たちのグループ「シャークス」と、
ヨーロッパ系移民の「ジェッツ」は激しく対立しています。
そんな中、ジェッツの元リーダーのトニーが
シャークスのリーダーの妹であるマリアと恋に落ち、
物語が動き出します。

この作品の何がいいって、私が一番好きなのは音楽です。
最初から最後までどの曲も本当にかっこいい!
スピルバーグ版でも、おなじみの音楽が聞こえてきただけで
思わず涙が出てきてしまったほどです。

また、最初の映像から前作を意識した作りになっていまして、
うわ、こうきたか!とスピルバーグ監督の1961年版への愛、リスペクトを感じました。

でも、1961年版とは違う驚きや感動ももちろんありました。
様々な角度から撮影していることで作品に躍動感がありました。
例えば、シャークスとジェッツが両端から集まるシーンは上から撮影し、
人より先に大勢の影を見せることでよりシャープに感じられましたし、
街なかで「アメリカ」を歌いながら踊るシーンは
華やかでダイナミックでいきいきとしていて、
去年見た「イン・ザ・ハイツ」を思い出しました。

1961年版は舞台からの映画化ということで舞台っぽさがありましたが、
今回は街全体を使って撮影されていたことで
物語がよりリアルなものとして感じられました。

また、登場人物たちの心情がわかりやすくなっていたり、
現代的な感覚が取り入れられていたりと
今の時代にアップデートされた作品になっていたのも印象に残りました。

1961年版でアニタを演じたリタ・モレノが
別の役で再び出演しているのも感動的でした。
リタ・モレノのアニタも本当にかっこいいので、
スピルバーグ版をご覧になった方は、ぜひ1961年版もご覧くださいね。

そして1961年版と言えば、映画を見た後に本屋さんに立ち寄りましたら、
ある本が目に飛び込んできまして、
映画を見た直後の興奮もあり、思わず手に取ってしまいました。

前置きがかなり長くなりました。(笑)
今日ご紹介する本は、こちらです。

『わたしのウエストサイド物語
/ジョージ・チャキリス 訳:戸田 奈津子(双葉社)』

1961年の『ウエストサイド物語』で
シャークスのリーダー「ベルナルド」を演じた
俳優のジョージ・チャキリスの自伝で、
字幕翻訳家の戸田奈津子さんが翻訳しています。
去年アメリカで発売され、大きな反響を読んだそうです。

ジョージ・チャキリスは、1961年版でベルナルドを演じ、
アカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞しました。

そんな彼が、映画やダンス、音楽を好きになったきっかけや
『ウエストサイド物語』にまつわる裏話のほか、
『ロシュフォールの恋人たち』といった
これまでの出演作について語った一冊です。

『ウエストサイド物語』に関して言えば、
もともと彼は、舞台版のロンドン公演では
「ジェッツ」のリーダー「リフ」を演じていたのですが、
映画では敵対するグループのリーダーをすることになります。
この本には当時の正直な心の内が綴られています。
そのほか、映画で最初に撮影したシーンや、今でも大事にしているあるアイテムの話、
最初は「ウエスト」ではなく「イーストサイド物語」だったエピソードなど、
ファンにはたまらない内容になっています。

「ウエストサイド物語」が大好きな方は、
このジョージ・チャキリスの自伝もぜひ読んでみてください。
そして、本を読んだ後は1961年版の映画もまたご覧になってみてください。
私はこれまでに何度も見ているのに、また新しい視点で見ることができ楽しめました。

yukikotajima 9:23 am

ありがとう、寅さん!

2021年3月24日

コロナ禍で家で過ごす時間が増えたことで、
映画やドラマや小説などの過去の名作に触れた方もいらっしゃることと思います。

私はすでにラジオでも何度もお話しているとおり、寅さんにはまりました。

寅さんとは、映画『男はつらいよ』シリーズで
渥美清さんが演じたフーテンの寅こと車寅次郎(くるま・とらじろう)のことです。

1969年に第1作が公開され、
1995年までの26年間に全48作品(特別篇を加えると49作品)
が公開された国民的人気シリーズで、2019年には第50作が公開されました。

旅をしながら日本各地で商売をし、
その旅先で美しい女性たちに恋をし、
実家の柴又に帰ってきては家族と交流というか毎回必ず喧嘩をする、
というお決まりのスタイルをベースに、
毎回素敵なマドンナや日本の名所が登場します。

◎映画『男はつらいよ』の公式サイトは コチラ

↑この公式サイト、とっても楽しく、何度見ても飽きません。

私が寅さんにはまったのは、2019年の年末に公開された
第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』を見たことがきっかけです。

もちろん寅さんの存在は知っていたものの、作品をちゃんと見たことはなく。
でも、マスコミ試写で見ることになりまして。
過去の作品を見ていないのに理解できるかしら?と不安を抱え鑑賞したのですが、
これがとても面白くて、過去のシリーズも見たいと思っていたら、
BSテレ東で去年4月から全話4K修復版の綺麗な映像で放送されることになったのです。

そして、この一年、私は毎週土曜の夜『男はつらいよ』シリーズを見続け、
ついに先週末、全ての作品の放送が終わりました。寅さんロス真っただ中です。(涙)

寅さんのことを何も知らずに見た『お帰り 寅さん』は、
ただただ面白くて、ワガママで陽気で自由なおじさんの物語だと思ったものですが、
シリーズを全て見た後にあらためて見た『お帰り 寅さん』は、
泣けて泣けて仕方ありませんでした。寅さんのセリフの全てがより心に染みました。

吉岡秀隆さん演じる甥の満男の
「人間は、何のために生きてんのかな?」に対する寅さんの名言
「うーん、何て言うかな、ほら、ああ、生まれて来てよかったなって思うことが
何べんかあるじゃない、ねえ。そのために人間生きてんじゃないのか」
というセリフは、初めて聞いた時もいい言葉だと思ったけど、
ちゃんと物語の中で聴くと、さらに心に響きました。
あの寅さんが言うからこその説得力たるや。

私は作品を見る度に感想や印象に残ったセリフを毎回ノートに書いていたのですが、
昭和の下町の粋な表現や会話のテンポが耳に心地良く、
ノートに書くのは楽しい作業でした。言葉や会話が魅力的な作品なのです。

さて、そんな素敵なセリフが一冊にまとまった本があります。
(私のノートでは無く。笑)

前置きが長くなりましたが、今日は寅さんに関連した本を2冊ご紹介します。

まずは『男はつらいよ 寅さんの人生語録 改/山田洋次、朝間義隆』です。

こちらの『〜改』は1993年に発売された本を改題し、
加筆・修正・再編集したものだそうです。
寅さんを愛してやまない牧内先輩から教えて頂きました。
(アナウンサーだけでなく寅さんの先輩でもあります。笑)
牧内さんとはこの一年、よく寅さん談義をしました。

この『人生語録』、最高でした。
寅さんをはじめ、出演者の皆さんの名言やお馴染みのセリフが掲載されているのですが、
私の大好きな初代おいちゃんの「馬鹿だねぇ」も
御前様の「困った」も載っており、読みながらニヤニヤが止まりませんでした。
また、「ケッコー毛だらけ猫灰だらけ、お尻のまわりは…」
などの寅さんの口上も載っているので、声に出して読みたくなりました。

セリフが載っているだけなのシンプルな本なのだけど、
出演者たちの表情や声が浮かんでくる、とても賑やかな一冊でした。


2冊目は、『寅さんの「日本」を歩く 一番詳しい聖地探訪大事典/岡村 直樹』です。

一年中ほとんど旅をしている寅さんのおかげで、
コロナ禍でなかなか旅行にいけなくても旅気分を味わうことができました。
それも風の吹くまま気の向くままの旅で、何と自由な旅を楽しめたことか。
閉塞感のある日々だったからこそ、カラッと明るい映画の空気に救われました。

この本には、そんな寅さんの立ち寄り先、つまり聖地330ヶ所余りが載っています。
温泉、城下町、港町、島などのスポットの他、
寅さんが愛した昭和(公衆電話、ちゃぶ台など)や
全作品ガイドや全ロケ地ガイドまである、かなり読み応えのある一冊です。

ただし、寅さんは富山には来ていないので、富山のロケ地はありません。残念!

寅さん関連の本は本当にたくさん出ていますが、
私はコロナ終息後に寅さんのロケ地に行ってみたいと思って、この本を選んでみました。
これからのんびりと行き先を決めようと思います。

でも、最初に行く場所は決めています。
寅さんの故郷、葛飾柴又です。
早く行きたいなあ。

この一年、私と同じように『男はつらいよ』シリーズをご覧になり、
今、絶賛寅さんロス中の方は、今日ご紹介したこの2冊をぜひ読んでみてください。

また、まだ映画『男はつらいよ』シリーズをご覧になっていない方は、
ぜひ1作目から順番にご覧になってみてくださいね!
そして見終えたら改めてこのブログを読んでみてください。

✴︎✴︎✴︎

[おまけ]

田島が好きな寅さんシリーズ

1『男はつらいよ』

13『寅次郎恋やつれ』

17 『寅次郎夕焼け小焼け』

19『寅次郎と殿様』

32『口笛を吹く寅次郎』

本当は他にもたくさんあるのですが、
キリが無いので、なんとか絞ってこの5作品にしてみました。

寅さん、この一年本当にありがとうございました。
いつか寅さんを感じる旅に出るのが私の夢です。

yukikotajima 11:31 am

『剱岳 線の記』(「点の記」じゃないよ!)

2021年2月17日

富山の皆さんは、映画『劒岳 点の記』はよくご存じのことと思います。

新田次郎さんの小説を木村大作さんが映画化したもので、2009年に公開されました。

明治時代に日本地図を完成させるため
前人未到の剱岳山頂を命がけで目指した測量隊の姿を描いた作品で、
主人公の測量手を浅野忠信さん、地元の案内人を香川照之さんが演じました。

この映画は100年前に実際に測量隊が登ったのと同じルートを
そのまま登って撮影したことでも話題となりました。

***

今日ご紹介する本は、明治時代どころか、1000年前の平安時代の初登頂と
同じではないかと思われるルートを登ってみた人の実話です。

『剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む/髙橋大輔(朝日新聞出版)』

こちらは「点」ではなく「線の記」です。

紀伊國屋書店富山店では、去年夏の発売以来ずっと人気なのだとか。

著者の髙橋大輔さんは、フィギュアスケーターではなく、探検家です。
ロビンソン・クルーソーのモデルとなった人物の住居跡を
世界で初めて発見して注目された方です。

そんな探検家の髙橋さんが、平安時代の剱岳の初登頂のミステリーに挑みます。

映画『劒岳 点の記』でも描かれたとおり、
明治時代、前人未踏だと思われていた剱岳山頂で
測量隊は平安時代の錫杖頭と鉄剣が残されているのを見つけます。

錫杖頭(しゃくじょうとう)は、
初期仏教の時代から使われてきた杖の頭部につける金属製の仏具で、
山中では主に山伏と呼ばれる修行僧が携行していたのだとか。

ってことは、山伏が最初に登ったってことなのか。
でも登山道具のない時代にどうやって登ったんだろう?
と疑問に思った探検家の髙橋さんは、なんと自分でその謎を解明することにします。

剱岳ファーストクライマーの謎
・いつ
・誰が
・どのようにして山頂を極め、
・どのルートからたどりつき、
・山頂のどこに仏具を置いたのか。
・その理由は?
と6つの設問から答えを導き出すことに。

そして、考えられるあらゆる可能性を検証するため、
まずは現地に行ってみようじゃないかと、
岩場中心の別山尾根と、樹林帯を長時間登る早月尾根の
それぞれのコースを歩いてみることにします。

その後も剱岳山頂に足を運び、様々な資料や書籍を読み、
多くの関係者にも会ってお話を聞いたり一緒に山に登ったりします。

髙橋さんは、伝説や地名、言い伝えも大切にしているのだとか。
それらには声なき民衆の声が反映され、
消し去られた歴史の残像が残るからなんですって。

剱岳へ向かうルートにも変わった地名が数多くあります。
中には「ハゲマンザイ」という名の場所も。すごい名前ですよね。
名前だけを見たら、そういう種類の漫才があるのかしら?と想像してしまいます。

そのように様々な方法で調べつくし、何度も富山を訪れた髙橋さんは、
ついに平安時代に使われたと思われるルートを探し出します。
そして実際に登ってみることにします。
それも鎖などは使わずに1000年前と同じように自分の体だけで。

果たして髙橋さんが見つけ出したルートとはどこなのか?
そこを歩いたことで何が明らかになったのか。

この続きはぜひ本を読んでみてください。

***

剱岳の初登頂のミステリーに挑んだ探検家の挑戦、大変面白かったです!

髙橋さんがどのような答えを導くのかが気になって
興奮気味にページをめくっているうちに、
気付けば私も一緒に山登りをしている気分でした。
ただ、きつかったー。(笑)
想像すればするほど怖さが増していきました。
特にカニのたてばい、よこばいのような難所は、
本を読んでいるだけなのに体が緊張でふるえそうになりましたので、
実際に登ってみようよ!と誘われても絶対に無理です。
みんなよくあんな怖いところを登れるよなあ。すごすぎますよ、ほんと。
まあでも、そんな緊張感も含め、楽しめた一冊でした。
あなたも探検家になった気分で剱岳に挑んでみては?

yukikotajima 9:30 am

『きみの瞳が問いかけている』『とわの庭』

2020年12月2日

先日、映画『きみの瞳(め)が問いかけている』を鑑賞しました。
話題の『きみのめ』です!

実は11月末までの鑑賞チケットを持っていたことをすっかり忘れていて、
先日あわてて見に行ったのでした。

なんてことをgraceの月曜火曜担当の垣田さんにお話したら、
垣田さんも全く同じことをしていました。
しかも見た作品まで同じでした。(笑)

映画はとても良かったです。
久しぶりに王道の恋愛映画を見たのですが、王道の安心感っていいですね。
王道最高〜!

映画を見たあとの私の心は、瑞々しい映画の世界のように清らかな気持ちでした。
とても美しい映画でした。

主演の横浜流星さんもずっと見つめていたくなるほどの美しさでした。
私が10代だったら部屋にポスターを貼っていたに違いない(笑)。

今までは、ドラマ『初めて恋をした日に読む話』のピンク髪の不良高校生の
ゆりゆり(役名)が一番のはまり役だと思っていたけど、
この映画の塁(るい)も良かったです。
塁はある出来事から夢を失くしてしまうのですが、
横浜さんは影のある役が似合いますね。

一方、相手役の吉高由里子さんは明るいキャラクターが合っていました。
吉高由里子さん演じる明香里は、事故で視力を失くしてしまいます。
でも、目が不自由でありながらも、一人で暮らし、仕事もしています。
何より明るくかわいい女性です。

『きみのめ』は、そんな夢を失くした男性と
視力を失くした女性の恋模様が描かれた
王道のラブストーリーです。

若い方だけでなく、大人の女性の皆さんもぜひ。
きっと心が満たされると思いますよ〜♪

◎映画の公式サイトは コチラ

***

かわっては本のお話です。

ご紹介する本の主人公の女性も
映画『きみのめ』と同じく視覚障がい者です。

『とわの庭/小川糸(新潮社)』

ちなみに、映画『きみのめ』と、この小説は全く別の作品です。

ただ、どちらの主人公も目が不自由という点では、重なるところが多々ありました。

例えば、いずれの主人公も目が見えないので匂いや音で判断したり、
洋服選びはスマホを使って色や模様をチェックしたり。
とくにお花などの自然の匂いに敏感なのが印象的でした。

『とわの庭』も本のタイトル通り、庭の植物の匂いが感じられる作品でした。

主人公は「とわ」という女性です。
物語はとわの子どもの頃のお話からスタートします。
とわは目が見えなくてもママがいれば幸せでしたし、
ママもとわのことが大好きでした。

後半は大人になったとわの物語が描かれます。

とわがどのように大人になっていったのかは、
ぜひ本を読んでいただけたらと思います。
本当はその間のことを言いたいのだけど、我慢します。
この作品は、ネタバレを一切したくないタイプのお話なのです。

私はこの本のことを何も知らずに読んだので、途中かなりの衝撃を受けました。
読んでいる最中は、喜怒哀楽のすべての感情が入り混じっていました。
こんなにも感情が揺さぶられることになるなんて!
というくらいに気持ちが動き、さらに何度も涙がこぼれました。

でも、読み終えた後は穏やかでした。

そもそも私が『とわの庭』を読んでみたいと思ったのは、
小川糸さんの新作だったからです。

小川糸さんと言いますと、今年春に
『ライオンのおやつ』をラジオでご紹介しました。

本屋大賞の2位にもなった話題作です。

◎『ライオンのおやつ』の感想は コチラ

余命を告げられた女性が人生の最後に過ごした
ホスピスでの日々が綴られた小説で、涙が止まりませんでした。
今年一番泣いた作品です。

『とわの庭』は、そんな小川糸さんの新作ということで、
きっといいに違いない!と思って、中身は一切確認せずに読み始めたのでした。

実際とても素敵な物語でした。

淡い黄色の本の表紙を見ると穏やかそうな雰囲気ですが、
「とわ」の人生には色々なことが起こります。

でも、とわはいつでも前向きです。

なぜなら彼女はたくさんの人やモノから力をもらっていたから。
ママが読み聞かせてくれた物語に、ピアノの音、そして大好きな友達など。

この本を読んで私は、とわちゃんから力をもらいました。

***

『きみのめ』と『とわの庭』は、いずれも視覚障がい者が主人公です。
内容は全然異なりますが、主人公2人に共通しているのは、
2人とも前向きで明るいということと、丁寧に暮らしていることです。

偶然とはいえ、これら二つの作品を同時に味わって、
目が見える私のほうが、実際は見えていないことが多いのかもしれない、
と思いました。

どちらもいい作品でした!

yukikotajima 9:14 am

『メイキング・オブ・モータウン』

2020年11月28日

映画『メイキング・オブ・モータウン』を見てきました。

とても良かったです〜!

この映画は、世界の音楽に影響を与え続けている音楽レーベルのモータウンが、
どのようにして始まって、世界に注目されるようになっていったのかが
描かれたドキュメンタリーです。

モータウンは、1959年にベリー・ゴーディによって
アメリカミシガン州デトロイトの一軒家からスタートします。

モータウンから数々の名曲がどのように誕生していったのかが
本人たちの言葉で語られるのが非常に興味深かったですし、
まるで名曲の誕生の瞬間に立ち会っているかのような気分にもなれました。

ジャクソン5のオーディション映像や
子どもの頃のスティービーワンダーのステージに興奮し、
マービン・ゲイの名曲「What’s Going on」は、
音をどのように重ねて作っていったのかが
視覚的に描かれていたことが印象的でした。

この映画は音楽映画でもあり、起業映画でもあります。

小さな音楽レーベルがいかにして世界的に注目されるようになっていったかが、
ひとつの「会社」の成長物語として描かれています。
例えば、創設者のゴーディが以前勤めていた自動車工場で見た車の生産ラインが
モータウンのノウハウに生かされていたりするのです。
また、モータウンでは人種や性別の差別は無く、
有能な人材が活躍できる環境が整っていたのだとか。

そして、この映画の何がいいって、創設者のゴーディと
親友で元モータウンの副社長であるスモーキー・ロビンソンの2人が、
過去を思い出して、あの時はああだった、こうだったと
笑顔で楽しそうに話していることです。

ゴーディ—は今年91歳、スモーキーは今年80歳なのですが、
笑顔のおじいちゃん2人が、とっても楽しそうに
時折ふざけあいながら話をしている様子のなんと微笑ましいことか。
見ているこちらも楽しくなってくるほどでした。

そうそう、この映画は本編が終わってからも立ち上がらず
必ず最後まで見てくださいね。
最後にまたお楽しみが待っていますので!
私は笑いが止まりませんでした。

映画『メイキング・オブ・モータウン』は、
富山では、来週の木曜日、12月3日まで
ジェイマックスシアターとやまで見ることができます。

モータウンのことはよくわからないという方でも大丈夫!
私も詳しくないですが、とても楽しめましたし、
スーパースターたちが身近に感じられ、
今一度名曲の数々を聞きたくなりました♪

◎映画の公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:00 pm

『大コメ騒動』『はりぼて』

2020年11月18日

先週の土曜日にTOHOシネマズファボーレ富山で
映画「大コメ騒動」の舞台挨拶付きの試写会がありまして、
私も垣田さんと行ってまいりました。

昨日は、垣田さんがレポートをしていましたが、
私も行きましたので、私からは軽くご紹介しますね。

◎垣田さんのレポートは コチラ

「米騒動」は、1918年(大正7年)に富山市の貧しい漁師町で起こった、
日本の女性が初めて起こした市民運動とも言われる出来事です。
映画はこの米騒動で活躍した女性たち(おかかたち)にスポットを当てています。

毎日、朝から晩まで一生懸命働いているのに明日食べるお米もなく、
家族にお腹いっぱいお米を食べさせたいと思ったおかかたちは、
「米を旅に出すなー!」と動き出します。

主役は、井上真央さんです。
また、映画には富山の俳優さんたちが大勢出演しており、
先日の舞台挨拶には、井上さんの他、
室井滋さん、立川志の輔さん、柴田理恵さん、内浦純一さん、
そして、監督の本木克英さんが登壇されました。
本木さんも富山出身ですね。

先日の舞台挨拶では登壇者の皆さんも富山弁でお話になっていましたが、
映画も全編富山弁であることが話題になっていました。
志の輔さんは、「この映画が公開された後は、富山弁が全国区になる。
「だら」が広辞苑にのる!」とおっしゃっていました。(笑)

映画を見て印象に残ったのは、
「女性は声を上げてもなかなか届かない」というようなことを
男性から言われるシーンです。

でも、100年前の女性たちは、無駄だとあきらめずに声を上げ、
世の中を動かしたわけですよ。

すごいぞ、おかかたち!

先日の舞台挨拶で柴田理恵さんが、
「女性にとっては爽快な話だし、現代にも通じます。元気になります」
とおっしゃっていたのですが、その通りでした。
見た後は元気になりましたし、私も頑張ろう!と思えました。

映画『大コメ騒動』は、来年1月1日に
富山県で先行公開されますので、ぜひご覧ください。

◎『大コメ騒動』の公式サイトは コチラ

***

そしてもう一本、『大コメ騒動』と同じく
富山で撮られた富山弁満載の映画を見ました。

明後日の金曜日、11月20日まで
富山市のほとり座で公開中の映画『はりぼて』です。

FMとやまのおとなりチューリップテレビが制作したドキュメンタリーで、
地方政治の不正を追った4年間が描れています。

映画を見て「笑った」という感想をよく耳にしていたのですが、
私が見た回も劇場内では何度も笑いが起きていました。
私も最初は笑っていたものの、だんだん笑えなくなっていきました。

嘘をついている大人たちの顔を見ていたら、
なんとも言えない気持ちになりまして。。。
とにかく出てくる大人たちの表情が印象的でした。

嘘をついている人たちはこういう顔をしているのか。
と冷静にスクリーンを見つめてしまいました。

そして、政治の世界だけではなく色々なところで
同じようなことが起きているのかもしれないなと
思わずにはいられませんでした。

言わなくてもわかるでしょ。
昔からそうなんだよ。
みんながやっているから。

って、よく耳にしませんか?

本当はおかしいと思っていても
なんとなく曖昧なままになっていることって結構あると思うのです。

100年前に富山の女性たちが「おかしいことはおかしい!」と立ち上がったように、
私たちもおかしいことに対して無関心でいたり諦めたりするのではなく
おかしいことをちゃんと認識し声をあげていくことが
これからの時代、ますます大事になっていくのかもしれないと、
2本の富山の映画を見て感じました。

映画『はりぼて』は、富山市のほとり座で明後日金曜日までの公開です。

私は昨日の昼間に見たのですが
平日昼間でもほぼ満席でしたので、
ご覧になる際は事前に予約をしたほうがいいかも。

◎ほとり座のサイトは コチラ

yukikotajima 5:38 pm

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

2020年6月17日

先日、約3か月ぶりに映画館で映画を鑑賞してきました。

ステイホーム中、家で何本もの映画を見てきましたが、
やはり映画館の大きなスクリーンで見るのはいいですね。
それも新作を!

座り心地のいいシートに体をうずめて
目に入るのは巨大なスクリーンのみで
近所を気にする必要のない大音量!
そして、薄着だとちょっと寒いくらいの館内。(笑)
映画館では夏も羽織るものが必要なんだったと寒さで思い出しました。
そんなことも含めて久しぶりの映画館を楽しんできました。

また、初体験もありました。
入口で体温チェックがありましたし、
密にならないよう座席は減らされていました。

でも私が利用した日は平日の夕方ということもあり、ほぼ貸し切りでしたが。

今回私が見たのは、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』です。

若草物語は、ルイーザ・メイ・オルコットによる自叙伝的小説で
これまで何度も映画化、アニメ化されてきました。

私はまず、先日BSで放送されていた1949年版の『若草物語』を
おさらいがてら見てから、グレタ・ガーウィグ監督の新作を見てみました。

物語のベースは一緒でしたが、描き方は全然違いました。
新作の方は全体的に瑞々しく、透明感と躍動感がありました。
フレッシュでまぶしくて、まさに「若草」を彷彿とさせました。

そんなスクリーンからあふれ出る瑞々しさもあり
150年前を描いているのに、古さを感じさせませんでした。

それどころか内容も現代的で、今の女性たちの悩みがギュッと詰まっていました。

例えば、小説家になりたい次女のジョーは、結婚はしたくないと言います。
なんなら「自由な中年女になりたい」と。

思わずプッと吹き出してしまいました。
もしや私こそ「自由な中年女」なんじゃないかと思いまして。(笑)
まあ、私の場合、目指してなったわけではなく、
気付いたらこういう生き方になっていたという感じだから、
ちょっと違うかもしれないけど。
でも、「自由な中年女」って今もまだ珍しい存在なのですよね。
150年前から変わらないってどうなんだろう…。
私も差別的なことをよく言われるしなあ。

映画に話を戻します。
ジョー以外の姉妹にもそれぞれ悩みがあり、
生き方は違えど、みんな自分らしくいたいと思っています。

きっと女性の皆さんは、登場人物の誰かに共感するのではないかしら。
私は、やはりジョーかな。

この作品は、女性にとっての普遍的なテーマを
現代的な感覚を取り入れて描いているのがいいなあと思いました。
『若草物語』はこれまで何度も映像化、アニメ化されていますが、
やはり同じものを描いても、その時代の空気感は出ますよね。
新作は、今ならではのテンポやとらえ方が心地よかったです。

映画を見終えた後は、私ももっと自分らしく生きていきたいと思えましたし、
映画館を出る私の足取りもどこか軽やかでした。

◎『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 10:00 am

映画『コンテイジョン』

2020年4月21日

まるで今の状況を描いているようだと話題の
2011年の映画『コンテイジョン』を見ました。

あなたはご覧になりましたか?

今、世界中で新型コロナウイルスが拡大していますが、
この映画は、まさに謎のウイルスが全世界に広がっていく様が描かれているのです。

映画では、世界中に新型ウイルスが広まるにつれ、
人々はパニックに陥り、ついには社会が崩壊します。

現実の世界では、まだ映画ほど酷い状況にはなっていないけれど、
このままではいずれ同じことがが起こるかもしれない、
と映画を見た誰もが恐怖を感じるはずです。

例えば、映画では、手に入らない食べ物やワクチンは平気で人から奪いますし、
嘘の情報を流してだます人もいれば、それを信じる人も大勢います。

ん?もう同じようなことが現実の世界でも起こっていますね。
真偽不明な情報がSNSにあふれているし、
トイレットペーパーもいっとき買えなくなったし。

すでに現実世界も映画のキャッチコピーの

【恐怖】は、ウイルスより早く感染する

の通りになっています。

映画で描かれている世界があまりにも現実世界と重なっていて、
フィクションなのにまるでドキュメンタリーを見ているようでした。

この映画を見ることで、
今自分にできることは何か、一人一人が今一度考える、
いいきっかけになると思います。

一人でも多くの人に見ていただきたい作品です。

ちなみに、日本では公開当時はそれほどヒットしなかったようですが、
実はこの映画、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレットなど
キャストがとにかく豪華なんです!
名前だけを見るとなんとも華やかで煌びやかな雰囲気ですが、
映画の内容は大変現実的です。

◎映画『コンテイジョン』の公式サイトは コチラ

この映画、みんなが見られるゴールデンタイムに
地上波で放送すればいいのになあ。

yukikotajima 6:15 pm

ジュディ 虹の彼方に

2020年3月18日

昨日、映画『ジュディ 虹の彼方に』を見てきました。

『オズの魔法使』の主人公のドロシー役で知られる
ミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、
47歳の若さで亡くなる半年前の1968年に行った
ロンドン公演の日々を描いた伝記映画です。

主人公のジュディを『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズでおなじみの
レネー・ゼルウィガーが演じ、アカデミー賞の主演女優賞を受賞しました。

ブリジット・ジョーンズでは、ぽっちゃり女子でしたが
今回は、がりがりに痩せていて、まったくの別人!
映画を見ているときは彼女が演じていることすら忘れているほどでした。

映画は、輝かしいスターではなく
仕事どころか住む家もない落ちぶれたジュディの姿が描かれています。

そんな彼女にロンドン公演の依頼が舞い込み、彼女は連日ステージに立つことに。
しかし、ライブ直前になって出ることが怖くなってしまうのです。
とはいえ、やはりスーパースター。
一度ステージに立つと、一瞬でスターの輝きを放ちます。

彼女は少女の頃から、ダイエットや睡眠不足解消のために薬を飲まされ続けます。
その薬が原因で不眠や神経症に悩まされています。
とにかくボロボロなのです。

『ジュディ』は、彼女が亡くなる直前におこなったロンドン公演の日々が描かれた映画です。

歌はレネーが実際に歌っているのですが、大変素晴らしい歌声です。
私はあるライブシーンで涙がじゅわっとあふれてきました。
それは映画にではなく、ジュディのライブに感動しての涙です。
いい映画でした。

今度久しぶりに映画『オズの魔法使』も見てみようかな。

◎映画『ジュディ 虹の彼方に』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:17 pm

パラサイト 半地下の家族

2020年2月1日

今日、2月1日のネッツカフェドライヴィンのテーマは「ニオイ」です。

2月1日がニオイの語呂合わせから「ニオイの日」ということで、このテーマです。

ニオイと言えば、最近「ニオイ」を感じる映画を見ました。

現在大ヒット上映中の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』です。

カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝き、
アカデミー賞の作品賞にノミネートされている話題作です。

監督はポン・ジュノさん。
『殺人の追憶』や『母なる証明』などでおなじみの監督です。
私もポン・ジュノ監督作品は何本か見ていますが、
どの作品からも圧倒的な熱量を感じます。
また、どう展開していくのかわからないドキドキ感もあるのですが、
今作も予想をはるかに超える衝撃的な作品となっていました。

物語は、半地下の住宅で暮らす全員が失業中という貧しい一家の息子が、
友達から家庭教師の仕事を紹介されるところから始まります。

息子は大学生だと嘘をつき、高台に住む裕福な社長一家で働き始めます。
その後、妹も同じく家庭教師として社長一家で働くようになり、
さらに、父や母もこの社長一家に近づいていきます。

嘘がばれそうでばれない面白さにアハハと笑い、
この先、どう展開していくのかしら?と思っていたら、
まったく想像もしていないストーリーが待っていました。

この続きは…映画館でお楽しみください。

そうそう、この映画からは「ニオイ」が感じられました。
実際はスクリーンの中の出来事だからニオイがするはずはないのだけれど、
でも、漂ってくるのです。
そして、そのニオイから色々なことを感じ、考えさせられるはずです。

ああ、映画を見た人と喋りたい!(笑)

コメディ要素もありながら衝撃の展開もあり、
笑ったり、驚いたり、ドキドキしたり、考えさせられたりと
退屈な瞬間は一切ありませんでした。

いやあ、すごい映画だったわ。

まだご覧になっていない方はぜひ〜。

映画『パラサイト 半地下の家族』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 9:19 am

ひとよ

2019年11月7日

明日11月8日(金)に話題の映画『ひとよ』が公開されます。

去年、『孤狼の血』が話題になった白石和彌監督の最新作です。

今回のテーマは「家族」です。

「家族の映画」と聞くと、どんなイメージを抱くでしょうか?

「アットホームで笑顔あふれるほのぼのとした雰囲気」
をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
『ひとよ』は、いきなり殺人事件から始まります。

15年前のある夜、母親が父親を殺害します。
子供たちに暴力をふるう父親から子どもたちを守るために。

母は「15年経ったら必ず戻ってくるから」
と子どもたちに約束し、警察へ出頭します。

そして、15年後。
すっかり大人になった子どもたちの前に母が帰ってきます。

子どもたちは、久しぶりに母に会って何を感じると思いますか?

子どもたちの母に対する思いはそれぞれ違っていました。

長女は母との再会を喜びますが、
次男は母を受け入れることができません。
そして、長男はどうしていいかわからず。。。

というのも、犯罪を犯した母のせいで、
子どもたちのその後の人生は、
嫌がらせを受けたり、夢をあきらめたりと
決して幸せな日々ではなかったのです。

果たしてこの家族はこの先どこに向かっていくのでしょうか。

次男を佐藤健さん、長男を鈴木亮平さん、長女を松岡茉優さん、
そして、母を田中裕子さんが演じています。

田中裕子さん演じるお母さんが圧倒的な存在感でした。

また、子どもたちの葛藤もひしひしと感じられました。
言葉というよりも表情から伝わる思いが凄かった!
滲み出てくる複雑な思いを目にしながら、
もし私だったらどうするんだろう…と思わずにはいられず、
スクリーンを見つめながら胸が苦しくてたまりませんでした。
でも、もう見るのは嫌とは思いませんでしたよ。
それどころか最初から最後まで一度も、
いや、一瞬たりとも退屈を感じることなく
スクリーンに釘付けにでした。

いやあ、すごい映画だった。

佐藤健さんの印象も大きく変わりました。
これまでは優しい雰囲気の華奢な好青年という印象だったのに、
繊細さの中にたくましさも感じられ、すっかり大人の男性になったのね、
と思ったのですが、私の感想、まるで親戚のおばちゃんみたいだな。笑

それから、この作品、重いだけではありません。
時折、笑いなどもはさまれていて、
なんとなく舞台っぽいなあと思ったのですが、
実際、もともとは舞台で上演されていた作品だそうです。
そう言われると他にも舞台っぽさが感じられるかも。

映画『ひとよ』は、明日8日(金)に公開されます。
ぜひご覧ください。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:41 am

山中千尋・フィメール・トリオ

2019年10月17日

昨夜は、魚津市の新川文化ホールで行われた

山中千尋・フィメール・トリオ「プリマ・デル・トラモント」
スペシャル・ライブ・ツアー2019 富山公演

を見に行ってきました。

富山ではすっかりおなじみの山中さんですが、
今回は、女性3人によるフィメール・トリオでのライブでした。

ライブの最後に、山中さんが
「私たちにとっての“女性らしい”は“パッション”」
とおっしゃっていたのが印象的でした。

確かにパワフルで情熱的なライブでした。
でも、熱いだけじゃなく、しなやかさや柔らかさもあって、
選曲も新旧織り交ぜたバラエティに富んだ内容でした。

山中さんの演奏スタイルも曲によって目まぐるしく変わっていき、
あらためて全身で表現される方だなあと実感。

そのため、同じステージでのライブなのに
曲によって背景が変化しているようにも思えました。

まるで山中さんがリビングで楽しそうに演奏されているのを
こっそりのぞいている気分になったり、
都会のホテルのバーラウンジにいる気分になったり。

山中さんは、演奏される前に必ず曲の解説をされるのですが、
それがとても分かりやすく、曲を聞く準備が一瞬で整うのです。
だから、より世界に入りやすいのかもな。

今回も充実のひと時でした!

また、毎回ライブで披露されている八木節も最高でした。
八木節といったら群馬の民謡です。
山中さんと同じく私も群馬出身ですので、より心に響くのです。
山中さんの八木節を聞くと、毎回群馬が恋しくなります。笑
特に今回の演奏は、いつも以上に神々しく感じられました。

また次回のライブも楽しみしています〜。

***

さて、山中さんと言うと、11月8日(金)19時からオーバード・ホールで行われる

FMとやま×オーバード・ホール×ほとり座 特別上映会
「ブルーノート・レコード ジャズを超えて 」

にスペシャルゲストとして登場されます。

昨日のライブでもブルーノートの曲を演奏されており、
ブルーノートについてもお話になっていましたが、
映画「ブルーノート・レコード ジャズを超えて 」は、
マイルス・デイヴィスからノラ・ジョーンズまで
80 年にわたりジャズをリードしつづける革新的レーベル
「ブルーノート・レコード」の真実に迫る傑作ドキュメンタリー映画です。

映画の上映終了後には、音楽評論家の行方均さんとトークショーをされます。
司会は、grace月・火曜担当の垣田さんです。

どんなお話をされるのか、楽しみですね♪

現在チケット発売中ですので、お早めにお求めください。

◎詳細は コチラ

yukikotajima 12:14 pm

映画『真実』

2019年10月10日

明日、是枝裕和監督の最新作、映画『真実』が公開されます。

是枝監督というと、去年、『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭で
最高賞にあたるパルムドールを受賞しましたが、
最新作の『真実』は、日本人監督として初めて
ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品
に選出されたことでも話題になりました。

『真実』の主人公ファビエンヌを演じるのは、
『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』のカトリーヌ・ドヌーヴ。
『真実』では、国民的大女優の役を演じています。

彼女の娘をジュリエット・ビノシュ、
娘の夫をイーサン・ホークが演じています。

***

少しだけ物語をご紹介しましょう。

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる国民的大女優のファビエンヌが、
自伝本「真実」を出版することになります。

出版のお祝いのために、
海外で脚本家として活躍している娘のリュミールと夫、孫が
ファビエンヌの家にやってきます。

ところが、自伝本を読んだ娘のリュミールは、
お祝いをするどころか、嘘だらけの内容に怒りをあらわにします。

また、長年にわたってファビエンヌを支えてきた秘書が、
自伝に自分のことが一言も書かれていないことにショックを受け、
突然、辞めてしまいます。

代わりに秘書をすることになったのが娘のリュミールです。

母の撮影に同行する中で、過去の様々な記憶が思い出されていくのですが、
思い出すのは嫌な記憶ばかり。
娘はついに母に想いをぶつけます。
そして…。

***

カトリーヌ・ドヌーブというと、
私は『ロシュフォールの恋人たち』が好きで、これまで何度も見ているため、
スタイル抜群でポップなカラーが似合う
キュートな20代の女性という印象がどうしても強いのです。
ですから、今回の『真実』の、ワガママで偉そうな大女優の姿を見て、
正直最初は、あまりのギャップに「私のドヌーブ様が…」とショックを受けたのですが、
でも、見ているうちにお茶目な部分が可愛く思えてきて、
ヒョウ柄を着こなす大人のドヌーブも素敵だなあと思えました。

また、何かを抱えていそうな親子の表情は、どこか暗さが漂いながらも
映像が軽やかで美しいので、
スクリーンから受ける印象は決して重くはありませんでした。

最後もとても良かったです。

映画『真実』は、明日10月11日(金)の公開です。
秋の映画鑑賞にぴったりの作品です。
ぜひご覧ください。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:06 pm

映画『キングダム』

2019年4月17日

明後日19日の金曜日に話題の映画『キングダム』が公開されます。

2006年1月から「週刊ヤングジャンプ」で連載がスタートした
原泰久さんの大人気漫画を実写映画化したものです。

舞台は、紀元前の中国春秋戦国時代。
大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年と
中華統一を目指す若き王の物語です。

戦災孤児の少年を山崎賢人さん、若き王を吉沢亮さんが演じています。
そのほか、長澤まさみさん、要潤さん、大沢たかおさんも出演しています。

監督は「アイアムアヒーロー」「図書館戦争」などの佐藤信介さんです。

一足早く『キングダム』を鑑賞してきました。
私は原作漫画を読んだこともないし、中国春秋戦国時代のことも詳しくありません。
それに、登場人物もとても多そうだし、作品を理解できるかしら… 
と正直、不安を抱えながら映画を見始めました。

が。
そんな不安は一瞬で消えました。
あっという間に物語に夢中になっている私がいました。

俳優陣のイケメンっぷり注目される映画ですが、
物語そのものが面白いので原作の人気がある理由がわかりました。
そして、漫画も読みたくなりました。

漫画を読んでいない私でも思う存分楽しめましたが、
逆に原作ファンのほうが本当に楽しいの?と思っているかもしれません。

私も読書が好きなので、好きな作品が映像化される度、
つい原作と比較してしまうので気持ちはわかります。
でも、この『キングダム』に関しては、
原作者の原泰久さんが脚本に関わったそうですよ。
そして、原作とは異なる場面の追加なども
原さん自身がなさっているのだとか。
ですから、きっと原作ファンの方も楽しめると思います!

それから、この作品、なんといっても出演者も豪華ですので、
そういう意味でも楽しめると思います。
中でも印象に残ったのは、大沢たかおさんです。

私がよく知る大沢さんではありませんでした。
一瞬、ん?誰?となったほどです。

なんと半年以上かけてトレーニングし、体重を増やしたのだとか。
作品の中の大沢さんはまるでプロレスラーのようでした。
あとで原作のキャラクターを見たらそのままで、
素晴らしい再現度!と感動しました。(笑)

映画『キングダム』は、明後日4月19日(金)に公開されます。
ぜひご覧ください。

『キングダム』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:51 am

グリーンブック

2019年2月22日

日本時間の来週の月曜にアカデミー賞受賞式が行われます。
様々な話題作がノミネートされていますが、
アカデミー賞最有力と言われているのが『グリーンブック』です。

アカデミー賞の前哨戦として知られるトロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞、
ゴールデン・グローブ賞では作品賞をはじめ最多3部門受賞しています。

映画のパンフレットには「おじさん二人の物語」とあります。(笑)

時は1962年。
おじさんの一人は、孤高の天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーです。
高級マンションに住み、大統領のためにホワイトハウスでも演奏をするほどです。
彼はアメリカ南部にコンサートツアーに行くための運転手を雇うことにします。
その運転手が、もう一人のおじさん、トニー・リップです。
がさつで教養の無いイタリア系の白人で、まさに仕事を探しているところでした。

そんな二人が一台の車に乗って2ヶ月間、一緒に過ごすことになるのですが、
タイプの異なる二人は最初は衝突ばかりでした。

しかし、少しずつお互いの良さに気付き笑顔も増えていきます。

ただ、この時代、二人がツアーでまわるアメリカ南部は
まだまだ黒人差別が色濃く残っていました。

タイトルの「グリーンブック」は、
1936年から1966年まで毎年出版された
黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックのことです。

この映画では、ツアー中、運転手のトニーが
グリーンブックを使ってピアニストのドクターが泊まれる宿を探していきます。

果たしてコンサートツアーは無事成功するのか?
という物語です。

***

『グリーンブック』は、3月1日(金)に公開されるのですが、
私は一足早く映画を見ました。

と、て、も、良かったです!

あらためて先ほど予告編を見たら
感動が蘇ってきてそれだけで泣けてきたほどでした。
心がほぐれました。

人種差別というと重たい雰囲気になりそうですが、
この作品はおじさん二人のやり取りが軽快なので
それほど重苦しさはありません。
そこがとてもいい!

ずっと二人の旅を見ていたい気持ちになりました。
映画が終わるのが寂しく感じられたほどです。
でも、最後もこれまた良くて。。。(涙)

また、おじさん二人だけでなくトニーの奥様も素敵です。
女性としても人としても魅力的で。

それから、この映画は実話がベースになっていることも注目ポイントの一つです。
運転手のトニーの息子さんが制作と共同脚本を手がけたのだとか。

映画『グリーンブック』は3月1日(金)の公開です。
ぜひご覧ください。

アカデミー賞を受賞してほしいなあ!

◎映画『グリーンブック』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:59 am

七つの会議

2019年1月30日

去年の秋に、池井戸潤さん原作のドラマ『下町ロケット』が放送されていました。
毎週、楽しみに見ていたので、終わってしまって寂しいというか、
なんか物足りない…という方もいらっしゃるのでは?

そんな方は、是非この映画をご覧になってみてはいかがでしょうか?

明後日2月1日(金)に映画『七つの会議』が公開されます。

池井戸潤さんの企業犯罪小説を、野村萬斎さん主演で映画化したものです。

私は一足早くこの映画を見たのですが、
池井戸ドラマの空気がそのまま映画にも出ていました。

それもそのはず、
まず、監督が「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」など、
一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄さんなのです。

出演者もドラマでおなじみの方ばかりです。
例えば、香川照之さんは、この作品でもすさまじい表情を披露していますし、
『下町ロケット』に殿村役で出演されていた立川談春さんも出ています。
他にも「池井戸ドラマで見たことある!」という方たちが大勢出演されています。

また、音楽も池井戸作品をこれまで担当されてきた方なので、
池井戸ドラマファンにはたまらないと思います。

『七つの会議』は、ある中堅企業が舞台のサスペンスで、
とある秘密が徐々に明らかになっていく様が描かれています。

会社の秘密を暴くべくこっそり動いていくのが
及川光博さんと朝倉あきさん演じる男女なのですが、
緊張感が漂うぴりっとした空気の中で、
この二人の男女のやりとりだけはほのぼのとしており、癒されました。

映画はドラマと違って1週間待たずに結末を知ることができますし、
何より映画は大きなスクリーンなので迫力があります。
香川照之さんのおなじみの表情もスクリーンで見ていただきたい!(笑)

池井戸ドラマファンの方はもちろん、
テレビドラマをこれまで見ていない方でも楽しめると思います。

映画『七つの会議』は、明後日2月1日(金)の公開です。
ぜひご覧ください。

◎映画の公式サイトは コチラ

yukikotajima 11:35 am

富山地方鉄道殺人事件

2019年1月23日

あなたは黒部峡谷のトロッコ電車に乗ったことはありますか?

私は去年の春、久しぶりに乗りました。
東京から来た友人たちと一緒に乗ったのですが、
新緑のまぶしいほどの緑も黒部川のエメラルドグリーンも
新鮮な空気も全てが心地よく、
あらためて黒部峡谷の魅力を堪能しました。

また、友人たちも楽しんでくれました。

県外から友人や家族が遊びに来たら
また是非連れて行きたいな。
というか、私がまた行きたい。(笑)

実際、富山の観光スポットとして人気ですが…
その黒部峡谷でなんと殺人事件が起きたそうなのです!

えーーー!!!

あ、でも小説の中の出来事です。。。
驚かせてしまい、ごめんなさい。

今日ご紹介する本は、
西村京太郎さんの『富山地方鉄道殺人事件(新潮社)』です。

おなじみ、十津川(とつがわ)警部の長編トラベルミステリーの最新刊です。

十津川警部シリーズというと、テレビドラマでおなじみです。

これまで、渡瀬恒彦さんや内藤剛志さんが演じていらっしゃいます。

先日、紀伊國屋書店富山店に行ったら、
こちらの本がずらっと並んでいて、かなり目立っていました。

文芸担当の書店員さんにお聞きしたところ、
「今富山で旬といったらこの本です!」
とご紹介いただきましたので、早速読んでみました。

おなじみの富山がたくさん出てくるので映像が頭に浮かびやすく、
まるでテレビドラマを見ている気分で読むことができました。

また、地元の方たちにはおなじみでも
外の人からすると不思議に思えることなども書かれていて、
そういう意味でも楽しめました。

例えば、富山地方鉄道のことを地元の人たちは
「地鉄」と言いますが、駅名は「電鉄」です。
これ、去年の春、東京から遊びに来た友人からも同じことを言われました。

また、黒部峡谷鉄道から黒部ダムまで簡単に行けると思っている観光客も多いようです。
確かに地図で見ると近いですし、どちらも「黒部」とありますものね。
私も富山に来たばかりの頃はそう思っていました。

それから、新幹線の「黒部宇奈月温泉駅」は、
駅を降りても目の前に温泉街があるわけではない、とか。(笑)

富山に対する突っ込みが色々あって面白かったです。

***

『富山地方鉄道殺人事件』は、そんな富山が舞台になったお話です。

簡単にストーリーをご紹介しましょう。

若手官僚の男性が、「宇奈月から黒部への旅」と書き残して失踪します。
夫を心配した妻は宇奈月まで彼を探しに行きます。

そんな中、彼を知る女性新聞記者が、
黒部峡谷鉄道の終点、欅平で殺されます。

欅平に行くにはトロッコに乗っていくしかないので、
犯人は簡単にみつかりそうですが、
それがなかなか見つかりません。

いったい犯人はどこに潜んでいるのでしょうか?

富山県でおこった殺人事件ですが、
東京の大手新聞の記者が殺されたこともあり、
警視庁の刑事である十津川警部も富山にやってきます。

しかし、本当にそれだけの理由で十津川警部は富山にやってきたのか?

若手官僚の男性はどこに消えたのか?そもそもなぜ黒部にやってきたのか?
そして、彼を探しに来た奥さまは彼を見つけることができるのか?

など、読み始めてすぐに疑問が次々にわいてきます。

気になる結末は…
是非本のページをめくってみてください。

私は夢中になって読み進めていたら、あっという間に読み終えてしまいました。

ちなみに、十津川警部シリーズのことをあまりよく知らない方でも楽しめると思います!

yukikotajima 11:56 am

常設展示室

2018年12月19日

今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃〜)は、
紀伊國屋書店富山店の奥野さんから
原田マハさんの新作『常設展示室—Permanent Collection—』
をご紹介いただきます。

奥野さんの推薦文は コチラ

私も読みましたので、軽く感想を。
原田さんと言いますと『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニーの食卓』などの
アート小説でおなじみですが、今作もアート小説です。

人生の岐路に立つ6人の女性たちが世界各地の美術館で
一枚の絵画と出合うという短編集です。

その絵画の中に東山魁夷の『道』がありました。

私は、先月、東京に行ったときに
国立新美術館で行われていた
『生誕110年 東山魁夷展』で『道』を見たばかりだったので、
興奮気味に本のページをめくってしまいました。

登場人物たちが『道』について語り合っている時、
私も絵の前に一緒にいる感覚でした。
実際『道』を見た時、作品の前からしばらく動けませんでした。
ああ、なんて無駄のない美しさだと。
そして、眺めているうちに心が澄み切って、前向きな気持ちになれました。
本当に素敵な一枚でした。

この『道』にまつわる原田さんの短編もいいお話で、
この短編を読んだことで『道』がさらに好きになりました。

今回は短編集ということで、どれも短い作品ですが、
でもしっかり心に残る作品集でした。
6編それぞれが、常設展示室に飾られた作品のようでした。

そして、原田さんのアート作品を読むと、
原田さんのアート愛が強すぎるため(笑)しっかり感化され、
小説に登場した絵画を見に行きたくなるのです。

年内にどこかの美術館の、それも常設展を見に行きたいな。

yukikotajima 11:48 am

映画『ここは退屈迎えに来て』

2018年10月17日

今日のgraceの15時〜富山市出身作家、山内マリコさんが登場します!

山内さんと言えば、明後日19日の金曜から
山内さん原作の映画『ここは退屈迎えに来て』が公開されます。

おめでとうございます〜。

原作は2012 年に発表されたデビュー作で、
当時、私はラジオで作品をご紹介しました。

◎私の感想は コチラ

今日のgraceでは、原作をメインに映画のお話を伺います。
放送は今日の15時からです!

私は先日、試写会で一足早く映画を見てきたのですが、
ほぼ富山で撮影されており、
あまりにもおなじみの富山が切り取られているので
ちょっと恥ずかしさを感じました。(笑)

おなじみなのは、景色だけでは無く言動も、です。

女性二人が夜のファミレスでダラダラ喋る感じなんて、
私も20代の頃よくやってたなーと、懐かしい気持ちになりました。

他にもそれぞれの女性たちの気持ちがどれもわかって、
まるで客観的に自分を観察しているようでもあり、
そういう意味でも他人事とは思えない作品でした。

また、この作品は10代〜20代までの物語だけど、
35歳くらいになった彼女たちがどんな人生を送っているのか
覗いてみたくなりました。

アラフォーになった彼女たちが、
「若い頃、あんなこともあったよねー」
なんて言いながら笑ってたらいいなあ。

映画は19日(金)に公開となりますので、是非ご覧ください。

◎映画『ここは退屈迎えに来て』のサイトは コチラ

それから!
映画をご覧になったら、原作も読んでみてね。

私も今回久しぶりに原作を再読しました。
それも映画を見た後に。

久しぶりに読んだ原作は、新鮮な気持ちで楽しめました。
原作には、映画には出てこないお話もありますので、
映画を見た後に原作を読むと、おまけとして楽しめると思います。
そして、この短編が最高にキュートで面白い!

yukikotajima 12:02 pm

2つの家族の物語

2018年7月5日

先日、映画を2本連続で鑑賞してきました。

まずは、是枝裕和監督の『万引き家族』
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した話題作です。

6月8日の公開からまもなく1ヵ月。
人気作品とはいえ、もたもたしてたら終わってしまう、
ということで観てきました。

さすが是枝作品。
家族の会話や生活感のある暮らしがあまりにも自然で、
作られた作品を見ているというより、
この家族の生活をのぞき見しているような気分でした。

貧しくても笑顔あふれる穏やかな日々を送る彼らからは
幸せなオーラしか見えません。
みんなでご飯を食べるシーンは、
ありふれた家族の日常に見えますしね。

でも、家族に見える人たちには血の繋がりはありません。
また、彼らが食べているものは万引きで盗んだものばかりです。
つまり犯罪です。

それでも、私はこの家族を嫌いになれませんでした。

特に安藤サクラさん演じるママがよかった。
ママっぽい立ち位置から「ママ」になっていく様に心動かされました。
ママのあの泣きのシーンには感動。私も涙。

でも、犯罪はダメだけどね!

是枝作品の余韻に浸りながら映画館を出ようとしたとき、
ふと、もう1本観ようかなと思い、その場でチケットを購入。
ちょうど10分後に上映開始の作品があったので、それにしてみました。
予備知識はほぼゼロです。

選んだ作品は『焼肉ドラゴン』でした。

いきなり喧嘩のシーンからのスタートで、
さきほどまでのぼそぼそトークの『万引き家族』
のボリュームとあまりにも違い過ぎて、まずそこにびっくり。

この映画も貧しい家族のお話でした。

こちらは、1970年前後の関西で、
焼き肉店「焼肉ドラゴン」を営む韓国出身の家族の物語です。

日本で暮らす韓国出身の家族の日々が描かれているのですが、
当時、彼らの暮らしは色々な意味で楽ではありませんでした。
理不尽なことや思い通りにいかないことだらけです。

でも、一家の主である父親は決して誇りを失わず、
家族のために前を向いて一生懸命仕事をしています。
口数は決して多くないけれど家族思いの真面目な父親です。

一方の母親は感情を抑えられず常に怒っています。
最初は、すごい剣幕のパワフル母ちゃんが登場したぞ、と思ったのですが、
この母ちゃんがいい味を出していて、すっかりファンになりました。

姉妹たちや、それぞれの恋人たちもキャラが濃くてハイテンションだし、
会話もほとんど焼肉ドラゴンのお店の中で繰り広げられていて、
まるで舞台のような作品だなあと思ったら、その通り。
人気舞台の映画化でした。

最初は、わーわー騒がしいだけの映画かな?
と思ったのだけど、気付いたら作品の魅力にはまっていました。

***

私は偶然この2本の作品を続けて観ましたが、
時代や設定やキャラクターたちは違えど、
どちらも貧しい家族の物語という点では同じでした。
そういえば、どちらの作品にも花火が登場していたな。
他にも共通点は色々ありますが、ネタバレになるので控えます。

万引き家族は、ただ一緒に暮らしているだけで血の繋がりはないけど、
本物の家族よりも仲が良かったりする。

一方の焼肉ドラゴンは、日本で暮らし日本語しか喋れず見た目も同じなのに、
日本人では無いというだけで差別されてしまう。

今は「多様性を認める」時代だと言われていますが、
それでもまだその考えが浸透したとは言い切れません。

誰もが生きやすい世の中へ向かっているように見えて、
逆に以前よりも窮屈な世の中になってきているようにも思います。

「正しさ」ってなんだろなあ。
ということを二つの映画を見た後、ずっと考え続けました。

是非、あなたもどちらの作品も観て、色々考えてみてはいかがでしょう?

yukikotajima 12:44 pm

OVER DRIVE

2018年5月31日

自動車レースのラリーを見たことはありますか?

ラリーとは、市販車をベースとした競技車両が、
山道や曲がりくねった道路などあらゆる路面を
全開で駆け抜ける自動車競技のことです。

F1のようにサーキットで複数台が同時にスタートするのではなく、
ラリーは公道(主に林道)で1台ずつのタイムアタックで行われます。

公道を前回走行で駆け抜ける
最も過酷な自動車競技、それがラリーです。

そんなラリーの世界を描いた映画『OVER DRIVE』
明日、6月1日に公開されます。

監督は、『海猿』をはじめ数々なヒット作を手がけた羽住英一郎さん。
ですから、熱くないわけがない!(笑)
今回も熱き男たちの映画でした。

チームのチーフメカニック兼エンジニアを東出昌大さん、
その弟で天才ドライバーを新田真剣佑さんが演じています。

真面目で確かな腕を持つメカニックの兄と
世界ラリー選手権へのステップアップを目指す天才ドライバーの弟。

子どもの頃は仲良しの二人でしたが、
ある出来事から二人の仲は険悪になってしまいます。

二人のいるチームは、国内トップカテゴリーで
優勝争いをするほどの強さがあるものの、
ドライバーの弟は、兄の助言を無視して無謀なレースを繰り返し、
ラウンドごとに兄と衝突を繰り返します。

そして、ある日、チーム全員を巻き込む試練が訪れ…
という物語です。

***

映画『OVER DRIVE』は、
映画館にいることを忘れてしまうくらいの迫力&スピードで、
先が見えない林道や海沿いの狭い道をマシンが走り抜けるシーンは、
まるで自分も同乗している気分になり、
実はこっそり何度も足はエアブレーキを踏んでいました。(笑)

モータースポーツはマシンを操るドライバーばかりが注目されがちですが、
この映画を見て、「チーム」で参戦している!
ということにあらためて気付かされました。

メカニックチームの皆さんは、撮影前に作業の練習を2ヶ月間したそうで、
映画を見ていてもチームの息はぴったりでした。

東出さん演じるメカニックの兄が
素人相手に楽しそうに専門用語だらけの話をしてしまう
シーンがあるのですが、このシーン好きです。
ああ、これぞ職人さんだなと思って。

それから、真剣佑さんの目力にやられました。(笑)
もともと吸い込まれそうな瞳をしていますが、
この映画はじーっと見つめるシーンが多いので、
それはそれは危険でした。(笑)
ほんっと美しい目をしています。

今回、天才ドライバーを演じるに当たり、
真剣佑さんは体も作り上げたのだとか。
もうね、その肉体も美しすぎました。。。

そんな真剣佑さんの美しい瞳や肉体はもちろん、
キレたり、泣いたり、笑ったりめまぐるしく変わっていく
彼の表情の変化にも注目です!

映画『OVER DRIVE』は、明日6月1日(金)に公開されます。
是非ご覧ください♪

そうそう!
映画には五箇山も登場するんですよー。
一度でも五箇山に行ったことのある方なら
思わず、えー!そこを?とスクリーンにむかって
突っ込んでしまいたくなるかも。(笑)

●映画『OVER DRIVE』の公式サイトは コチラ

私もまた見に行こうかなー。

yukikotajima 1:00 pm

孤狼の血

2018年5月9日

今週末、12日の土曜日に
映画『孤狼の血』が公開されます。

原作は『警察小説×仁義なき戦い』と評される
柚木裕子(ゆづき・ゆうこ)さんの同名小説で、
映画版はとにかく出演者が豪華!
役所広司さん、松坂桃李さん、江口洋介さん、竹野内豊さん
などが出演されています。

そして、監督は『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』の
白石和彌(しらいし・かずや)さんです。

映画の舞台は、昭和63年の暴力団対策法が成立する直前の広島の架空都市。

広島の地場の暴力団と新たに進出してきた巨大組織は、
もちろん仲がいいわけもないのですが、
ある日、巨大組織のほうの関連企業の社員が失踪します。

所轄署に配属となった松阪さん演じる新人刑事と
暴力団との癒着を噂される役所さん演じるベテラン刑事は、
その事件を追うことになるのですが、
この事件を機に二つの組の抗争が激化していく…
というストーリーです。

一足早くこの映画を見てきました。

この作品は、東映が放つ【超衝撃作】とのことなのですが、
もう最初から容赦ないです!手加減なしです。

痛みも苦しみもあまりにも生々しくて、
うっっ、と思いつつも
スクリーンを見つめ続けずにはいられない
かなり熱い映画でした。

特に主人公のベテラン刑事を演じる役所さんの存在感はすごかった!
目力も表情も筋肉も何もかもがずば抜けていました。

ただ、個人的には、冒頭のブタのシーンは衝撃的過ぎました…。
トラウマになりかけたほどです。(苦笑)

私は昔からブタが好きなのですが、
この映画を見た後しばらくは
部屋にあるブタグッズをすべて処分したくなりましたもん!

映画『孤狼の血』は、5月12日(土)の公開です。
ぜひご覧ください。

『孤狼の血』の公式サイトは コチラ

yukikotajima 5:52 pm

となりの怪物くん

2018年4月25日

最近は、富山で映画の撮影が行われることが増えていますが、
あさって金曜日27日に公開される映画
『となりの怪物くん』も一部が富山で撮影されました。

今ブログをお読みの方の中にも
エキストラとして映画に出演した方がいらっしゃるかもしれませんね。

この映画は、累計発行部数610万部を突破した大人気漫画を実写映画化したもので、
監督は大ヒット映画『君の膵臓をたべたい』の月川翔さん、
主演を菅田将暉さんと土屋太鳳さんが務めました。

予測不能な超問題児で「怪物」と呼ばれる春を菅田将暉さんが
冷静で淡白なガリ勉の雫を土屋太鳳さんが演じています。

そんな性格の二人なので二人とも友達がいませんでしたが、
高校入学後、不登校の春の自宅に雫がプリントを届けに行ったことがきっかけで
春は雫を勝手に「友達」に認定し、雫にまとわりつきます。

はじめは無関心だった雫も、春の純粋さに触れるうちに少しずつ心を開いていき、
気付けば友達も増え…この先は是非映画をご覧ください♪

私は一足早くこの映画を見てきました。

菅田将暉さんは、作品によって全く異なるキャラクターになることで注目されていますが、
この映画では、まるで人懐っこい犬のように無邪気に甘えてくる様が大変かわいかったです。

男性に対してかわいいというのもどうかと思うけれど、かわいいのだから仕方ない!(笑)

先日テレビで放送されていた映画『帝一の國』も高校生役でしたが、
本当に同一人物?というくらいに全くの別人です。

『帝一の國』のような激しすぎる役もいいけれど、
少女漫画の王道のような役もいいものですね!

でもそろそろ高校生役も見納めかな。
そういう意味でも是非ご覧ください。(笑)

今年のゴールデンウィークは
大人の皆さんも映画を見て青春を味わってみては?

『となりの怪物くん』の公開は、明後日27日(金)です。

◎公式サイトは コチラ

yukikotajima 7:33 pm

ナラタージュ

2017年10月4日

今週末、10月7日(土)に富山で撮影された映画『ナラタージュ』が公開されます。

●映画の公式サイトは コチラ

この映画は、島本理生(しまもと・りお)さんの恋愛小説を映画化したものです。

高校教師と生徒として出会った二人が、
時が経ち再会したあと、恋に落ちる…というものです。

高校教師の葉山先生を松本潤さん。
生徒の工藤泉を有村架純さん、
また、泉を思う大学生・小野礼二を坂口健太郎さんが演じています。

そして、この映画のメガホンをとったのが、行定勲(ゆきさだ・いさお)さんです。

今日のgraceでは、行定監督のインタビューをお届けします。
15時からの放送です。どうぞお楽しみに!

私は、ひとあし早く映画を見てきました。
また原作も読んでいるのですが、
この作品に関しては、原作を読んでから映画を見るのがいいかも。

ちなみに内容はすこ〜し違います。
ラストも異なります。

原作の終わり方もいいけれど、
私は映画のラストのほうが好きかな。

ネタバレになりますので、
私がラストでどう感じたか言えないのがもどかしいー!

とにかくとてもいいラストでした。

ああ、言いたい。(笑)

yukikotajima 12:29 pm

彼女の人生は間違いじゃない

2017年9月20日

今日のgraceでは
15時から映画『彼女の人生は間違いじゃない』
主役の金沢みゆきを演じた女優の瀧内公美さんのインタビューをお届けします。

瀧内さんは、なんと富山出身なんです!

 

瀧内さんは、映画で見る限り
大人っぽいキレイなお姉さんに見えましたが、
実際の瀧内さんは、とにかくよく笑う
笑顔がキュートなかわいい女性でした。

また、よく喋る!(笑)
映画では、それほど喋る役ではなかっただけに、
こんなに喋る方だったのか、とびっくりしつつも
たくさん喋って頂いて嬉しかったです。

おかげでインタビューはかなり長くなってしまいました。(笑)

せっかくなので、今日はノー編集でそのままオンエアーします!

放送は、今日20日の15時からです。

ぜひお聞き下さい♪

●映画の公式サイトは コチラ

映画『彼女の人生は間違いじゃない』は、
富山ではジェイマックスシアターで
今週末9月23日(土)から上映されます。

映画は震災後の福島が描かれています。
福島で暮らす人々が今どんな気持ちでいるのか、
正直、私はわかっていませんでした。

市役所の職員に大学生の女性が
卒論のテーマにしたいと震災のことを根掘り葉掘り聞くシーンがあるのですが、
良かれと思ってやっていることが人を傷つけることもあるのですよね。

人の気持ちに寄り添っているようでいて
実は自分のことしか考えていない。

ドキリとしました。

この映画からは、たくさんのことを気付かされました。
私はなんて無知で世界が狭かったのかと。

まるでドキュメンタリーのようなリアルな空気感の作品でした。

見てよかった。

あなたも是非ご覧ください。

●ジェイマックスシアターのサイトは コチラ

映画を観た後に原作も買って読んでみました。

私は映画を見たあとに原作を読む方が好きですが、
この作品は、原作を先に読んでもいいかも。

ちなみにストーリーはちょっと違います。

そして映画のほうがより深さがあるように感じました。

yukikotajima 11:55 am

『明治乙女物語』『ワンダーウーマン』

2017年8月30日

今日ご紹介する本は、

『明治乙女物語/滝沢志郎(文藝春秋)』

です。

2017年度の松本清張賞受賞作なのですが、
選考会では、選考委員であるプロの作家さんたちが絶賛したのだとか。

ちなみに選考委員は、
石田衣良さん、角田光代さん、葉室麟さん、三浦しをんさん、中島京子さん
といったそうそうたる顔ぶれ!

選考委員のコメントは、小説の帯にのっていますので、
ぜひチェックしてみて下さい。

***

『明治乙女物語』は、
本のタイトル通り、明治時代の乙女たちの物語です。

時代は、欧化の波が押し寄せていた鹿鳴館時代と呼ばれる頃。

主人公は、東京の高等師範学校女子部に通う2人の女生徒です。

彼女たちは、教育者になるべく真摯に勉学に励んでいます。
しかし、この時代、そんな彼女たちに対して
「女が学問なんて」と白い目で見る人たちも少なくありませんでした。

当時の女性たちには、三従の訓(さんじゅうのおしえ)というものがありました。

「家にありては父に従い、嫁(か)しては夫に従い、老いては子に従う」
ことが正しいと当時は言われていたのですね。

そんな時代に「それは違う!あなた方は胸を張りましょう」と
彼女たちを鼓舞した人物がいます。

当時の文部大臣の森有礼(もり・ありのり)です。

その森から彼女たちは、鹿鳴館での舞踏会に招かれます。

めでたいことのように思いますが、
日本をはじめ各国の大使など要人があつまる鹿鳴館は
暴徒たちにとって格好の標的であり
実際、鹿鳴館を襲うという糾弾状も出るほどでした。

それでも彼女たちに舞踏会に行かない
という選択肢はありませんでした。

行かざるをえなかったのです。

でも、賢い彼女たちです。
決して権力に屈することはありません。

常に自分の心に正直であり
何が正しくて何が間違っているのかをしっかりと理解しています。
若いからとか女性だから未熟であるなんてことはありません。

彼女たちなりの戦いをします。

***

本当に面白かったです!!

そしてこの物語は、明治時代のお話ですが、
現代に通じる部分も多々ありました。

また、今も昔も変わらない嫉妬といった感情も包み隠さず描かれ、
人間らしさも感じられました。

特に主人公二人の友情の描き方が最高です。

他にもさまざまな女性たちが登場しますが、
どの女性も皆それぞれに魅力があり共感できました。

理不尽に負けそうな女性の皆さん、是非読んでみて下さい!

本を読んだあとは、
私も負けていられないわっ!
とむくむくとやる気が湧いてくるのではないかしら?

また、この物語はフィクションですが
実在の人物もたくさん登場するのも面白い理由のひとつです。

森有礼のほか伊藤博文や唐人お吉、大山捨松などが物語を彩ります。

とにかく面白い一冊でした。

***

話はちょっと変わりますが、
先日公開された話題の映画『ワンダーウーマン』を見たときに、
『明治乙女物語』と重なるところがあるなあと思いました。

もうご覧になりましたか?
今日本でも大ヒットしているそうですね。

『ワンダーウーマン』は、史上最強の女性戦士の物語で、
主役を演じるガル・ガドットが大変美しい!

 映画『ワンダーウーマン』の公式サイトは コチラ

もちろん乙女たちはワンダーウーマンのように
実際に戦場で戦士として戦うわけではありませんが、
でも、純粋で基本的に優しいことや
精神的な強さがあること、その一方で可愛らしさもあること
などが共通しています。

戦う強い女性というと、
「私についてきなっ!」というような
姉御肌の女性を思い浮かべそうですが、
乙女もワンダーウーマンもそうではありません。

強いけれど、男性になろうとしているわけではないですし、
女性であることを利用するわけでもありません。

ひとりの人間として、自分が正しいと思うことをしているのです。
心に嘘をつかず。

そして、自ら行動していきます。
誰かがやってくれたらいいのにと人任せにするのではなく、自分でやる。

と、偶然、同じ時期に味わった作品が戦う女性のヒロインものだったのですが、
どちらも重なるところがありました。

それからもうひとつ。
どちらの作品もヒロインのそばには男性がいるのですが、
男性の雰囲気も似ているところがありました。

優しくて強い。その上、イケメン。(笑)

『ワンダーウーマン』も大変面白かったです。

もしよろしければ、どちらの作品もお楽しみください。

yukikotajima 12:20 pm

追憶

2017年5月3日

今週末、6日(土)に
富山をはじめとした北陸が舞台の 映画『追憶』 が公開されます。

先月18日には、富岩運河環水公園で凱旋イベントが行われ、
主演の岡田准一さんも会場に登場し当日は約4,500人の方が集まったようです。

映画『追憶』は、監督の降旗康男さんと撮影の木村大作さんの
巨匠二人が9年ぶりにタッグを組んだ作品です。

主演は、岡田准一さん。
共演は、小栗旬さん、柄本佑さん、安藤サクラさん、長澤まさみさん
といった豪華な顔ぶれです。

先日、岡田さんが富山でイベントを行った理由は、
この映画のほとんどが富山で撮影されたからです。

雄大な立山連峰や海に沈む夕日のほか、
八尾や氷見などのおなじみの富山が登場します。

撮影の木村大作さんといえば、
『劒岳 点の記』、『春を背負って』でおなじみですが、
さすが富山の美しい景色を知り尽くしていらっしゃる木村さんです。

スクリーンから木村さんの富山愛を感じました。

どのように富山が撮られているかは、
ぜひ映画館でお確かめください♪

***

簡単にストーリーもご紹介しましょう。

物語は、25年ぶりに再会した幼なじみの男性3人を軸に描かれます。

子どものころは仲良しだった3人が
過去のある出来事を機にそれぞれ別の生活を送るようになります。

それから25年後、3人は、刑事、被害者、容疑者という立場で久しぶりに再会します。

主演の岡田さんは刑事を演じているのですが、
ずっと盛り上がったままの眉が印象的でした。
そう、ずっと不機嫌なのです。

普段は吸い込まれそうな美しい「目」をされている岡田さんなのに、
今回は目以上に眉に注目してしまったほどです。

顔で演じていました。

その一方で、安藤サクラさんの包み込むような優しい佇まいにも釘付けになりました。

長澤まさみさんもいつも以上に透明感を感じたのですが、
なんとこの映画、全キャストがほぼ「ノーメイク」だったのだとか。

なんてこと!

そうか、だから余計、顔の表情や透明感が感じられたのか。

是非そのあたりにも注目してご覧になってみてください♪

映画『追憶』は、今度の土曜日6日に公開です。

 映画『追憶』公式サイトは コチ

***

そうそう、映画を見た後、
本屋さんで原作を見つけたので読んでみました。

細かいところはすこし映画とは異なりましたが、
映画を見た後に原作を読んだことで、より深く作品の世界を味わえました。

もし映画と合わせて原作も読みたい!という方がいらっしゃれば、
私は、映画を見たあと復習がてら原作を読むことをおすすめします〜!

yukikotajima 10:49 am