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黒部市美術館

2024年8月26日

まだまだ暑い日が続いていますね~!

そんな暑い日は、涼しい室内で、

ゆっくりアート鑑賞をしてみてはいかがでしょうか。

 

今回は、今年開館30周年を迎えた黒部市美術館をご紹介します!

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黒部市美術館は、道の駅koko黒部からほどちかい、

黒部市総合公園のなかにあります。

自然と調和した静かな空間にある親しみやすい美術館です。

 

今黒部市美術館では、開館30周年を記念して、「たねをとばす」という展覧会を行っています!

8名の作家さんの作品が展示されています!

黒部市美術館の収蔵作品だけでなく、今回新たに出展された作品もあります。

 

今回は、「たねをとばす」というテーマなんですが、

最初、このテーマをみたとき、どういう意味が込められているんだろうなぁと疑問に思いました。

 

種を土に植えると、根をはり、茎が出て葉が出て、花がさき、その後新たな種を作りますよね。

種を落として次の子孫を残したり、タンポポのように綿毛が風にふかれて遠くまで種を飛ばしたり。

根を張って動けないけど、次につなげるために知恵を使って繋いでいきますよね。

美術館も、基本的には建物のある場所から動きません。

ただ、作品がもたらしてくれる「知」の「たねをとばす」場でもあります!

絶えず、美術館から「知」のたねをとばしていきたいという思いを込めて、今回は「たねをとばす」というテーマになっています。

 

そんなテーマを象徴するような作品があります。

それは、河口龍夫さんの「ちのこうや そして一冊の本」という作品です!

ひとつの箱に、一冊の本がおかれ、本から一本の棒が伸び、棒の先に種がついている作品です。

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まず、箱は黒部市美術館の展示室と同じ形をしているんです。

河口さんは2018年に黒部市美術館で展覧会を行っており、

その時のパンフレットが置かれているんです。

 

黒部市美術館の展覧会からも、「知」の芽がひょこっとでていることを、

表した作品です。

 

私自身、この仕事につくまではアートってなんだか難しいと思っていたんですが、

たくさんの作品を見るようになって、様々な気づきや学びがあることに気が付きました。

なので、美術館から知のたねが伸びている姿を現したこの作品が、私の芸術鑑賞と一緒だなぁと感じました!

 

次にご紹介するのは、佐々木類さんの作品です!

ガラスを使った作品を作っていて、

今回は、ガラスの板に植物をはさみ、それに熱を加えてつくった作品です!

 

熱を加えると、植物は白い灰になった痕跡と、植物に含まれていた水分などが気泡となって、ガラスに現れます!

 

分厚いガラスにのこる白い灰と、気泡、そして灰にならずのこる土。

すごく生き生きとした植物の姿のように感じました。

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植物の種類によって、気泡の大きさも違いますし、

佐々木さんによると、

同じ植物でも採取した時期によって気泡の大きさなどが変わってくるそうです。

ちなみに、コロナ禍で外出自粛期間付近に採取した植物は、

気泡がかなり大きくなったそう!

人間があまり外に出ていない間に、

水分などをたくさん蓄えていたのかなぁと思うと、不思議ですよね。

 

佐々木さんは、ガラスを記憶の容器、保存の媒体として考えているそうです。

どういうことかというと、

ガラスは割れやすいという一面もありますが、

自然に戻るまで100万年ほどかかるそうです。

 

そのため、ガラスの中に自然をうつしていくような作品を多く作っています。

 

今回は、窓際に作品がおかれ、自然光で作品をライトアップしています!

ライトは、展示台の補助ライトのみです。

 

その日の天気や見る時間帯によって、

作品の見え方が変わってくるのが面白いなぁと感じました!

 

最後にご紹介するのは、岡本健児さんの作品です!

 

岡本さんは、綿花の成長過程を油彩で描いていらっしゃいます!

なぜ、綿花の絵なのかといいますと、

岡本さんは実際に綿花を育てて、1からキャンバスをつくり、

山で採取した土を絵の具にしてキャンバスに絵をかくという取り組みにチャレンジしたそうなんです。

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今回は、綿花の成長過程のほか、キャンバスづくり、

そして作ったキャンバスに絵を描いた作品、

そして最後に「描く手」という作品が展示されています。

 

絵をかくということを、

すごく掘り下げた作品です。

 

まさか、ご自身で綿花を育ててキャンバスを作っていらっしゃるとは思っていなかったので、本当にびっくりしました。

 

この作品を通して、

今は便利なものが増えて、いろいろな過程をとばすことができているんだなぁと感じました。

改めて、今の時代の便利さに気が付き、感謝の気持ちをもちました!

 

今ご紹介した作品の他にも、

漆を使った作品や、廃材を利用した作品、版画の作品などなど。

全部で8人の作家さんの作品がありますので、

じっくりご覧になってみてくださいね~!

 

久しぶりに黒部市美術館をおとずれ、作品を見てきましたが、

いろいろな気づきを得ることができました。

名前の通り、美術館が飛ばしている様々な知の種を受け取って帰ってきました!

作品を見てすぐ気づき花が咲く種もあれば、

今は作品をみてよくわからなかったことも、

何年か経ってから花が咲き、あの作品はこういうことだったのかと気づくときがくるかもと思うと、なんだかちょっと楽しみです!

 

ぜひ、みなさんも黒部市美術館で様々な作品と出会ってみてはいかがでしょうか。

 

今日は、黒部市美術館をご紹介しました!

 

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黒部市美術館

開館時間 午前9時30分から午後4時30分まで、

※最終入館は午後4時です。

休館日 月曜日、祝日の翌日

 

企画展「たねをとばす」

開催期間 ~10月6日(日)まで

 

黒部市美術館のHPはコチラから。

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mizunashi 12:00 PM