立山博物館
2024年8月9日
先日、私は立山雄山に登ってきましたが、
夏休みの間に立山黒部アルペンルートに出かけるよ~という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
立山黒部アルペンルートに行く前に、立山の歴史・自然について勉強していくと、
より楽しめますよ~!
ということで、今回は、立山博物館をご紹介します!
立山博物館は、「立山の人間と自然とのかかわり方」をテーマに、野外展示や地域の景観からなる広域分散型の博物館です。
展示館、まんだら遊園、遙望館などの施設があるんですが、
今回は、展示館についてご紹介します!
展示館では、立山の自然や立山信仰について詳しく展示しているほか、
現在は、前期特別企画展「立山・白山・富士山を巡る-立山衆徒と三禅定-」を開催中です。
まずは、常設展からご紹介しましょう!
展示は、3階からスタートします。
3階では、「立山信仰の舞台」と題し、立山の自然をご紹介しています。
展示室に入ると「ブナの森」が広がっています。
標高1200mあたりのブナの森を再現しており、エナガやヒガラなどの鳥の模型やツキノワグマの模型もあります。
そして、2階の展示室は、「立山信仰の世界」と題して、
立山信仰の歴史を取り上げています!
まず、立山は平安時代から仏の山として深く信仰され、
地獄の山、修験者の山として、全国から立山に登拝するかたがふえました。
展示では、立山の開山や女性のための神様と言われている「おんばさま」、立山の地獄などについて知ることが来ます!
その中でも私が興味をもったのは、
国指定重要文化財に指定されている「銅錫杖頭附鉄剣」です。
修験者がもっている杖の上についている金具なんですが、
なぜ、これが国指定重要文化財に指定されているのでしょうか。
それは、これが立山連峰の中でも特に険しい剣岳の頂上から発見されたものだからです!
というのも、1907年の7月に陸軍の測量部の測量缶柴崎芳太郎が、剣岳に登頂を果たしました!
剣岳初登頂と思われていましたが、
なんと登頂した山頂で修験者の錫杖頭と短剣がみつかりました!
調べたところ平安時代のものだそうで、
今から1200年ほど前に修験者の方が剣岳に登っていたということになります。
剣岳は今の時代も、難度が高いと言われていますが、
その剣岳に平安時代の方が登っていたことにすごく驚きました!
スタッフの方に映画「剣岳〈点の記〉」という作品をおすすめされてみたんですが、
1907年の剣岳の登頂がいかに大変だったかが詳しくわかりますよ~!
そして、もう一つ2階の展示で注目してもらいたいのは、「立山曼荼羅」です!
立山曼荼羅ってよく聞く言葉ですが、
実際にどういうものかと聞かれるとなかなか答えられない方も多いのではないでしょうか。
私もその一人で、何に使われていたんだろうと思っていました(笑)
立山曼荼羅とは、一言でいうと「観光案内図」です!
立山信仰の世界観を立山の景色にあわせて描いた絵画です。
立山曼荼羅には、立山開山伝説、立山の地獄、立山の浄土と阿弥陀如来の来迎、禅定登拝道、布橋灌頂会の5つの要素が描かれています。
(↑デジタルサイネージで曼荼羅を見ることもできます)
そして、芦峅寺の人びとがこの立山曼荼羅をもって、全国を回り立山信仰の布教を行っていました。
現在確認されている立山曼荼羅は54点、そのうち立山博物館で14点所蔵しています。
そして、立山博物館は、今年の5月に新たに発見された立山曼荼羅を購入しました!
名称は、「立山曼荼羅I本」です。
この立山曼荼羅I本は、立山黒部貫光株式会社本に似ているということで、
10月14日までの期間限定で、2つの立山曼荼羅を特別公開しています!
ぜひ、この機会にご覧になってみてください!
そして、1階では企画展「立山・白山・富士山を巡るー立山衆徒と三禅定―」が行われています。
立山・白山・富士山は、日本産霊山です!
去年、この三霊山がある静岡、石川、富山の3県の知事により、日本三霊山を活用した地域振興に向けた連携・協力に関する協定が結ばれました。
1400年代から、立山・白山・富士山を巡拝する三禅定が行われるようになります。
三禅定は江戸時代には庶民にもひろがり、東海地方を中心に行われるようになりました。
今回の展示では、三霊山の曼荼羅などが展示されています!
白山曼荼羅は、2つの種類があります。
ひとつは、白山の神仏を中心に描いた「垂迹曼荼羅」、
もう一つは神社や縁起、参詣路を描いた「参詣曼荼羅」です。
そして、富士山の曼荼羅は、曼荼羅の上側真ん中にどどーんと富士山の三角山が描かれ、
曼荼羅の下側には富士山本宮浅間大社が描かれていることが多いです。
立山や白山の曼荼羅とは、ガラッと雰囲気が変わります!
ぜひ、三霊山の曼荼羅を見比べてみてくださいね!
また、明日10日から12日の三日間限定で、ミュージアムdeナイトin芦峅寺が行われます。
夜6時から9時までで、
立山地獄めぐりスタンプラリーや、立山地獄の番人とクイズ対決、
立山曼荼羅の絵解きをミュージアムdeナイト特別バージョンで行うイベントなどがありますよ~!
また、展示館は真っ赤にライトアップ!
いつもとは違った幻想的な夜の立山博物館で遊んでみてはいかがでしょうか。
お昼に入場券を買った方は、再入場もできるそうです!
7月下旬に室堂から雄山に登ったんですが、
立山博物館を先にじっくりみていたことで、より登山も楽しめました。
富山を見守る立山について、ぜひ学んでみてくださいね!
今回は、立山博物館をご紹介しました!
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立山博物館
開館時間 午前9時30分から午後5時まで
※最終入館は午後4時30分まで
休館日 祝日を除く月曜日、祝日の翌日
観覧料 一般300円
※企画展は別途200円かかります。
また展示館、遙望館、まんだら遊園の3館共通券 一般650円
※所要時間は、それぞれ1時間で、3館じっくり楽しむと3時間ほどかかります。
無料エリアも楽しむと、4時間以上かかりますので、時間に余裕をもってお楽しみください!
企画展「立山・白山・富士山を巡るー立山衆徒と三禅定―」
期間 9月23日(月祝)まで
ミュージアムdeナイトin芦峅寺
日程 8月10日(土)~12日(月祝)に3日間
立山博物館のHPはコチラから。
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