杉沢の沢スギ
2024年7月8日
毎日暑い日が続いていますね。
昨日、お昼ごろに出かけた際は暑すぎて、
水分をとったり、定期的に塩分タブレットを食べたりして、
熱中症対策をしていました。
これから、暑い日々が続きますので、みなさんも気をつけてくださいね。
そして、暑い日は、海沿いにある自然あふれる林の中で涼みませんか~?
先週のSTEP!では、入善町にある杉沢の沢杉、沢スギ自然館をご紹介しました!
入善町の海側の田んぼが広がるエリアに、2.67ヘクタールの沢スギの林があります。
ずっと行ってみたいなぁと思っていたスポットの一つで、
今回初めていったんですが、
田んぼのわきを車で走る中、一部だけ林になっているので、不思議な空間でした!
今回は、沢スギの管理などをしている柳田敏美さんと福島善四郎さんに詳しく教えていただきました!
もともと入善町の海岸沿いには、今も残るエリア以外にも、
たくさん沢スギの林がありました!
昭和29年頃は、およそ130ヘクタールもあったそうです!
沢スギがなぜ、海岸沿いにできたかは詳しくはわかっていませんが、
昔、大水や洪水で扇状地ができ、その時に山のスギも下流の湧水地帯に流され、海岸沿いに自然の林ができたのではないかと考えられているそうです。
もともとは、沢スギは生活の林だったそうです!
成長した木を伐採して、家や家具にしたり、
すんばと呼ばれるスギの葉をあつめて燃料に使ったり。
昭和の前期から中期ごろまでは、
地主の方が整備、管理し、沢スギを守り育ててきました。
しかし、昭和37年ごろに始まった圃場整備事業によって、
ほとんどの沢スギが田んぼに姿をかえました。
今残る沢スギも田んぼに変わる可能性があったんですが、
沢スギを残そう!と声を上げた人々の活動によって、残りました!
そして、昭和48年には国の天然記念物に指定され、
昭和60年には、全国名水百選にも選ばれています!
私も実際に、沢スギの林を散策してきました!
沢スギないは、木道が整備されているため、だれでも歩きやすくなっています!
木道の幅も広いため、
車椅子のかたも利用することができます!
緑あふれる空間で、とっても癒される空間でした。
絶えず鳥の鳴き声や水の音が聞こえ、
木々の葉の間から、光が差し込み、
また、自然や湧水地帯のため涼しく、
本当に五感で自然を感じることができました!
沢スギ林には、約400種類の植物が生息しているそうです。
沢スギ林の特徴をいくつかご紹介しましょう!
まず、一つは、スギの育ち方に特徴があります。
というのも、黒部川扇状地は上流から流されてきた石が多く、
スギは根を深く張ることができず、成長が遅いんです。
風で倒れやすいため、伐採をして手入れし、
伐採した木は建築材料などに使ってきました。
そして、伐採したあとのスギ株の根本から、芽がでたスギの幼苗は、
雪などに押されて地面に接地すると、そこから根が出て成長していきます!
これを、伏条更新(ふくじょうこうしん)といいます!
一株から何本も根が張り、幹が育ちますよ~!
また、スギは地面から養分をとってグングン大きくなっていきます。
伏条する現象は、日本の平地では杉沢の沢スギ林一か所だけと言われています。
私も、実際に伏条更新で育っているスギをみさせていただきました!
木というと、一本で自立しているイメージしかなかったので、
雪の重みでたおれた木から、根が生え1本、2本、3本と幹が伸びているのが、
すごい不思議でした。
木の上だけ見ていると、普通のスギと変わらないので気が付きませんが、
少し足元に注目してあるくと、
伏条更新の様子をみることができますよ~!
また、湧水地帯の水の中で育っているスギなどもあり、
驚きました~!
ぜひ、ゆっくりいろんなところを観察してみてくださいね!
そして、沢スギ林のもう一つの特徴は、
「入善乙女キクザクラ」がみられるということ!
入善乙女キクザクラは、沢スギないで発見された菊咲きの桜で、
2011年に新種として発表されました!
花びらが100枚以上ある菊咲きで、
咲き始めは白色なんですが、ピンクに色が変化します。
4月中旬から下旬ごろに開花し、
約2週間咲くそうです!
入善乙女キクザクラは、カスミザクラとオクチョウジザクラの交雑種です!
周囲に似た特徴をもつ桜がみられないことから、
沢スギ林内で自然に生じた突然変異品種である可能性が高いと考えられています。
ぜひ、春には入善乙女キクザクラを見に行ってみてくださいね。
原木の木は、かなり背が高く花を見上げる形になりますが、
沢スギ自然館の芝生エリアに、入善乙女キクザクラが4本植樹されています!
近くで観察したいときは、芝生エリアの桜がおすすめです!
他にも園内には、いろいろな植物があります!
紫色の実をつける「ムラサキシキブ」、
マムシのようにみえる「マムシグサ」、
夏から秋にかけて白い花をさかせる「イタドリ」などなど。
また、カエルやアメンボ、鳥の姿も見えますよ~!
野鳥観察に沢スギに来る方もいらっしゃるそうです。
ちなみに、今はオオタカが林内に巣をつくって子育てしています。
そして、沢スギ林内の奥側は、湧水地帯となっていて、湧き出た水が流れています!
ただ、圃場整備に伴い地下水の水位が下がってしまったため、
園内に箇所で井戸を掘り、水を流しています。
井戸のお水は、年二回の水質検査もクリアしていて飲むことができます!
スッキリとしたお水で、とっても美味しかったです!
井戸のある芝生エリアでは、火の使用をしなければピクニックをしてもいいそうです。
ぜひご家族で楽しんでくださいね!
また、沢スギ林内では、
動植物の採取をしたり、大声をだしたりしないようにしてくださいね。
また、木道以外の場所にも入らないようにお願いします。
初めて、杉沢の沢スギに行ってきましたが、自然あふれる空間でリラックスできました。
また、すぐそばが海なので、海も沢スギ林も一度に楽しむことができますよ!
ぜひ、自然に癒されたいときは訪れてみてくださいね!
今日は、杉沢の沢スギ林、沢スギ自然館をご紹介しました!
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杉沢の沢スギ・沢スギ自然館
〇沢スギ自然館
開館時間 午前9時から午後17時まで
入館 無料
*沢スギにまつわるパネル展示や、展望塔から沢スギ林を見渡すことができます。
*杉沢の沢スギ林は、いつでも入ることができますが、夜は街灯などありませんのでご注意ください。
沢スギ自然館については、コチラから。
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