射水市新湊博物館
2024年6月24日
北陸地方も、土曜日に梅雨入りしましたね。
平年より11日、去年より13日遅い梅雨入りとなりました。
昨日は、富山県内全域に大雨・洪水警報がでる大雨となりましたが、
大丈夫だったでしょうか。
梅雨にはいったということで、どんよりとしたお天気の日が増えると思いますが、
しっかり睡眠をとって元気に過ごしていきましょう!
そして、梅雨シーズンもおでかけ楽しみたいですよね~!
雨が降る日は、博物館でゆっくり富山の歴史や文化を学んでみるのもいいかもしれませんよ~!
ということで、今回は射水市新湊博物館をご紹介します!
射水市新湊博物館は、国道8号沿いにある「カモンパーク新湊」の隣にある施設です!
新湊市の時代に建てられた博物館で、
今年で26年目を迎えます!
建物は、福野文化創造センターヘリオスや高岡市美術館を設計した内井 昭蔵さんが手掛けています!
新湊港に浮かぶ船をイメージしているそうです。
射水市新湊博物館では、常設展と年5回企画展を行っています。
まずは、常設展についてです!
展示室1では、「射水の歴史」を紹介しています!
放生津の歴史や、港町で長い間受け継がれてきたお祭り、射水の水郷について取り上げられています。
びっくりしたのは、1750年に作られた神輿がみられること!
放生津八幡宮のお祭りで、昭和10年までつかわれていた神輿です。
かなり細かいところまで作りこまれていて、
江戸時代の技術の高さを、間近で見ることができます!
また、個人的には射水の水郷だったことに驚きました!
かつての放生津周辺は、海抜1m前後の低湿地地帯がひろがり、
富山では珍しい水郷地帯が広がっていたそうです。
そのため、乾田ではなく、湿田が多くみられました!
湿田は、水を完全に抜くことができず、常に湿っている田んぼのことです。
現在は、稲刈りの時は田んぼの水は抜けていますが、
湿田は稲刈りの時も、水が張っていてびっくりしました。
そして、田んぼの周りにトネリコという木が植えられ、
木と木の間にロープをかけて収穫した稲を干していたそうです!
また、当時は射水市内は川が多かったため、小さな船に稲を積んで運んでいたそうです!
実際に当時の写真も残っています。
小さな船にたくさんの稲を積み、船頭さん一人で荷物を運んでいる様子に驚きました!
ぜひ、昭和初期ごろまでの射水の景色をご覧になってみてくださいね。
そして、展示室2では、和算や測量術などの学問を究めた石黒信由について紹介されています!
石黒信由は、加越能を測量し、正確な絵図を作りました!
ここでは、石黒信由とその子孫の和算・天門暦学・測量術・絵図作成などの高樹文庫資料を展示しています。
高樹文庫には、約1万2千点の資料が治められていて、
そのうち6390点が国の重要文化財に指定されています!
複製ですが、石黒信由が作成した絵図をみたんですが、
本当に正確でびっくりしました!
また、実際に測量につかっていた道具なども展示されています。
石黒信由は、伊能忠敬が越中の測量に来た際に、いろいろ質問して、
自身の測量に役立てていたそうです。
信由の測量は、動線法と交会法を組み合わせていました。
動線法とは、主な道路に沿って測点をきめて、距離・勾配・方位を計る方法です。
交会法は、とおくの山や岬、島など目印と足るものへの方位を計るものです!
動線法で生じた誤差を、交会法をつかって正していたので、
正確な地図を作ることができたそうです!
そして、展示室3では、企画展が行われています!
現在は、企画展「とやまの平安時代」が開催中です。
今回の企画展では、今に伝わる平安時代の文化や、平城京と越中の結びつきを紹介しています!
5つのコーナーに分かれ、50点展示されています。
今、大河ドラマでは平安時代の物語ですので、
この時代の文化に興味があるかたも多いのではないでしょうか。
今回の企画展で一番の目玉は、「草仮名墨書土器」です!
平安時代というと、ひらがなが生まれた時代です。
当時は、印刷技術などがないので、
書物を広めるときは、書き写すしかありませんでした。
この時、早く書き写すためにひらがなが誕生したと言われています。
その当時最先端だったひらがなが書かれた土器が、
なんと射水市小杉から見つかっているんです。
この土器は、宴会で使われていたと考えられていて、
裏面にひらがなで歌がかかれています。
当時書かれたものが、残っているのも珍しいですし、
富山から出てきたこともびっくりですよね!
平安時代の都の文化が、富山まで伝わっていたことを表す出土品です。
また、「源氏物語」と越中と題して、源氏物語にまつわる展示もあります。
例えば、源氏物語の作者紫式部が書いていた「紫式部日記」などが紹介されています!
清少納言について書いたページがピックアップされているんですが、
紫式部って清少納言のことそんな風に思っていたんだと(笑)
展示では、現代語訳もありますので、
ぜひご覧になってみてください!
あとは、射水市にある下村・賀茂神社は、1066年に京都の賀茂御祖神社のご神領としてできました!
そのため、今でも平安時代の文化にまつわる行事がおこなわれているそうです!
今でも、身近なところで平安時代の文化が根付いていることがすごいなぁと思いました!
他にも、平安時代の歴史人物や、年中行事などの展示もありますので、
ゆっくりご覧になってみてくださいね!
また、6月30日(日)と7月6日(土)の午前10時からと午後2時に、展示解説を行います!
今回、私も学芸員のかたのお話を聞きながら展示をみたのですが、より詳しく学ぶことができました!
展示解説の日以外も、事前の予約があれば展示解説をおこなっているそうですので、気になる方は、お問い合わせください!
今回、初めて新湊博物館に行ってきましたが、今まで知らなかった射水の歴史や文化を学ぶことができて楽しかったです。
ぜひ、みなさんも射水の歴史に触れてみてくださいね!
今日は、射水市新湊博物館をご紹介しました!
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射水市新湊博物館
開館時間 午前9時から午後5時まで
※最終入館は、午後4時30分です。
休館日 火曜日と祝日の翌日
入館料 一般310円、中学生以下無料
企画展「とやまの平安時代」
日時 7月7日(日)まで
射水市新湊博物館では定期的にワークショップも開催中
次回日程 7月27日(土)
ワークショップテーマ 「つくろう!心の虫たち」
申込期間 6月26日から7月12日まで
※各回抽選で15名の方が体験できます!
様々なイベントがありますので、
気になる方は、HPをご覧になってみてくださいね!
射水市新湊博物館のHPはコチラから。
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