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池田屋安兵衛商店

2024年5月20日

富山の産業というと、高岡銅器やガラスなどいろいろありますが、

江戸時代から続く薬産業も有名ですよね!

もともとは、富山藩2代目藩主の前田正甫公の時代に始まったと言われています。

 

また、富山の「配置産業(置き薬)」は、売薬さんとして全国で親しまれてきました。

 

先週のSTEP!では、そんな富山の薬産業に携わってきた「池田屋安兵衛商店」をご紹介しまた!

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池田屋安兵衛商店は、昭和11年に薬種問屋として店を構えたのが始まりです。

そして、昭和25年ごろに、反魂丹の製造部門が作られました!

 

その後、薬の卸、薬の製造、薬の小売りを行っています!

 

池田屋安兵衛商店といえば、三本線の屋号「角三」がお店の前にも掲げられていますが、

「信用」「伝統」「研鑽」の3つを極めよという家訓を表しているそうです。

 

池田屋安兵衛商店が製造している薬の多くは、「和漢薬」といわれるものです。

分かりやすく言うと、漢方薬ですね。

 

薬は、西洋薬と漢方薬に分けられます。

西洋薬は、化学合成された物質がほとんどで、一つの疾患や一つの症状に強い効き目を発揮する薬です。

 

対して、漢方薬は、天然の生薬を使用し、成分は多用で、穏やかな効き目が様々な病気や症状を改善していきます。

 

また、漢方薬は、ひとりひとりの体力や体質などに応じて薬を選んでいきます。

池田屋安兵衛商店でも、お客様としっかり向き合うため「座売り」を行っています。

対面でお客様の症状などを聞き、

十数種類の自家製和漢薬や二百種類以上の薬草から、症状に合う薬をカウンセリングしているそうです。

何か慢性的に悩んでいる症状がある方は、一度相談してみるのもいいかもしれませんね。

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池田屋安兵衛商店では、9つの薬を製造しているんですが、

一番人気は、お店の看板にもある「越中 反魂丹」です。

 

富山の薬と言えば、「反魂丹」ですよね!

 

反魂丹は、富山二代目藩主の前田正甫公のときに全国に広まったと言われています!

「正甫公が参勤交代で江戸城に登場したときに、

腹痛を起こした他の藩の大名に反魂丹を渡したところ、すぐに治り、

全国に広まった」という伝説も残っています。

 

ただ、明治時代に入ると西洋薬が好まれるようになり、一時期は幻の名薬となりました。

そんな時、池田屋安兵衛商店が「越中反魂丹」として、復活させました。

江戸時代の処方とは異なりますが、古来反魂丹の効能と利点を生かしつつ、

現代の制約基準をクリアした胃腸薬へと変身しました。

 

現在の反魂丹の主な効能としては、

食欲不振・消化不良・食べすぎ・飲みすぎ、胸やけ、二日酔いなどがあります。

 

なので、ちょっと食べすぎで胃がもたれているときや、

予防薬として、飲み会の前などに飲むのもおすすめです!

 

主な成分は、殺菌整腸の「オウレン」や苦いことで有名な「センブリ」、芳香性健胃のショウキョウなどです。

また、昔はくまのいと言われる熊の胆汁を乾燥させたものを入れていたそうですが、

今は、牛胆末が入っているそうです。

越中反魂丹の一番の特徴です!

 

他にも、便秘に効く「いけだや 通じ丸」や肩こりやめまいなどに効く「桂枝茯苓丸」や、風邪のひきはじめに飲む「いけだや 葛根湯」などがあります。

 

私は、一年を通して冷えが気になるので、手足の冷えに効く「いけだや 実母散」を購入しました。

煎じて飲むタイプとのことで、まずは時間がある休日などに飲んでみたいなぁと思います!

 

様々な漢方薬を販売している池田屋安兵衛商店ですが、

丸薬作り体験をすることもできます!

 

もともと江戸時代は、薬を丸めたりすべて手作業で行っていました。

それが、明治時代に入ると手動式製丸機が登場します!

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薬のもとを、小さな穴が空いた器にいれ、レバーを引くと、

小さな穴から薬が飛び出してきます。

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出てきた薬をへらでとり、平面に並べたあと、

重い板を使って、薬を丸くしていきます。

丸くなった薬を、2・3日乾燥させて完成です!

 

体験できるのは、重い板を使って薬を丸くする作業です!

平面に薬が並んでいて、薬の上に重い板を置いて、

すこし圧力をかけながら、小さく板を回すことで、薬が丸くなる!という原理です!

 

私もやってみたんですが、まず板がかなり重い!

この板を小さな薬の上に置いたら、つぶれちゃうんじゃない!?と心配だったんですが、

置いただけだと、つぶれることはないそうです!

恐る恐る板を回し、丸くな~れ!と作業をしたんですが、

板を上げたら、大きな丸い薬が出来上がっていました(笑)

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職人さんがやった時は、一粒一粒綺麗な丸薬になっていたのになぜ!?と思ったんですが、

圧力が足りなかったのが原因だそうです。

 

圧力が足りないと、薬の位置が固定されずに、右に左に動いてしまい、

隣にある薬とくっつき、大きな薬になってしまいます(笑)

いや~難しかった!

 

最初の体験で成功する人は、数百人に一人だそうです(笑)

ぜひ、予約なしで体験できますのでみなさんもやってみてくださいね!

 

昔は、大きな丸薬から小さな丸薬まで複数種類があったため、

全てマスターするためには10年ほどかかったと言われています。

 

この手動式製丸機は、薬の法律が厳しくなる前の平成初期まで使われていたそうです!

今は、お店とは別の工場で、すべて機械を使って薬の製造を行っています。

 

また、池田屋安兵衛商店の2階には薬膳料理が楽しめるレストラン「健康膳 薬都」があります。

古代米を使ったおこわや、特製の養生スープをメインにしたコース料理をはじめ、

薬草茶・アイスクリームなどを食べることができます!

確実に訪れたいという方は、予約がおすすめです。

 

富山の薬については、今までも学んできましたが、

丸薬作り体験は初めてだったのでとっても楽しかったです!

また、自分に合う薬もお店の方が詳しく教えてくれますので、おすすめです!

 

是非一度、行ってみてくださいね!

 

今日は、池田屋安兵衛商店をご紹介しました!

 

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池田屋安兵衛商店

営業時間 午前9時から午後6時まで

定休日  なし

レストラン「健康膳 薬都」 午前11時30分から午後2時まで

定休日 火曜、水曜

池田屋安兵衛商店のHPはコチラから。

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mizunashi 12:00 PM