福光美術館
2024年3月11日
3月11日、今日で東日本大震災から13年がたちました。
今でも、地震発生時のことは覚えています。
今年は、元日に能登半島地震もありました。
改めて、災害はいつ起こるかわからないと強く思いました。
私たちがすぐできることというと、地震があったことを忘れず、
万が一に備えて準備をするということだと思っています。
3月1日のブログでは、防災グッズについてもご紹介していますので、
気になる方は、読んでみてくださいね。
(3月1日のブログはコチラから。)
さて、ここからはいつも通りSTEP!でご紹介した富山のお出かけ情報をお届けします!
今回は、南砺市にある福光美術館をご紹介しましょう!
福光美術館は、医王山のふもとにある美術館で、
郷土ゆかりの世界的に知られた版画家 棟方志功や、
旧福光町で生まれ京都画壇で活躍した日本画家 石崎光瑤を中心に、
彫刻家 松村秀太郎など郷土ゆかりの作家を中心に展示を行っている美術館です!
そして、現在は『知られざる光瑤の横顔』という企画展を開催中です!
今年、生誕140周年を迎える石崎光瑤の企画展で、
福光美術館ならではの光瑤の世界をじっくり楽しめる展示になっています!
まず、日本画家石崎光瑤について、簡単にご紹介します。
光瑤は、1884年南砺・福光の地に生まれました。
光瑤のお父様も文化教養に秀でていたことから、幼いころから画を書き、才能を育てていったそうです。
小学校はミッションスクールに入学し、12歳のころから琳派の山本光一に師事、
その後、京都画壇の重鎮竹内栖鳳に師事します。
大正5年にインドにいき、大正7年と翌年、連続して官展特選を受賞し、
そのあと、大正・昭和を代表する日本画家として活躍しました!
今回は、4つのパートで、光瑤の作品を紹介しています。
最初のパートは、『十代の日々』です。
光瑤が十代のころに描いた作品を展示しています。
どれも十代のころに書いたとは思えないほど、細かくてびっくりしました。
特に驚いたのは、明治31年に描いた富山湾真景図です。
高岡の伏木港周辺を描いたものです。
後ろには立山連峰、波もすごく細部まで書かれていて、躍動感がありました!
港周辺に立っている民家もあり、当時の様子がよくわかります。
次のパートは、『山に抱かれて』です。
光瑤は、日本画家として活躍していましたが、登山家という一面もありました。
剣岳に民間で初めて最初に登ったのが、石崎光瑤とのことで、
すごいですよね!
今回は、実際に登山をしてみた景色や高山植物が描かれた絵が展示されています。
剣岳をスケッチしたものもあるんですが、険しい山肌が描かれていて、
実際に剣岳を上った石崎光瑤だからこその作品だなぁと感じました。
また。光瑤は機関誌「山岳」に、登山の紀行文や絵、写真を寄稿していました。
展示では、紀行文展示されていて、登山中の様子を知ることができます。
第三章は「インドへ」というテーマになっています。
光瑤は、生涯で2回インドを訪れています!
1回目は、大正5年から6年、2回目は昭和8年です。
一度目は、地元の支援者から援助をもらっての旅でした。
インドを選んだのは、日本とは違う気候で生きる花や鳥の姿にふれたい、
そして仏教の発祥地であるインドの古代建築や彫刻に学びたい、
ヒマラヤ山脈の自然を楽しみたいという理由だったそうです。
実際にインドでみた色鮮やかな鳥や景色を描いています。
特に、インドの動物園でみた極楽鳥がお気に入りだったようで、
真っ白な飾り毛を広げて舞う極楽鳥の絵が展示されています!
とっても美しい鳥で、私も実際に極楽鳥に合ってみたくなりました!
最後第4章は、「後半生の歩み」と題し、
昭和8年に高野山金剛峰寺から襖絵の依頼を受け、再びインドへ赴き書いた襖絵や、
晩年の植物を写生した作品をみることができます。
一番驚いたのは、襖絵の未完成の絵が展示されていたことです。
遠目から見ると、完成されているようにみるんですが、
よくみると、青い花の上に、黒でバッテンがかいてありました。
かなり悩んで襖絵を仕上げていたことが分かる作品です。
今ご紹介した他にも、この企画展でしかみられない作品もありますので、じっくり楽しんでくださいね!
夏ごろには、生誕140年を記念した巡回展も行われるそうです!
巡回展にもなかなか見ることができない貴重な作品がそろうそうなので、今から楽しみです!
そして、福光美術館2階のコレクション室では、「南砺の百景展」も開催中です。
今年1月30日に亡くなった富山市の写真家風間耕司さんが撮影した南砺市の懐かしい風景を見ることができます。
風間さんは、東京出身で北陸の自然と風土に魅せられ富山に移住した写真家です。
長年、富山県の風景をとり、「富山写真語万華鏡」を発行していました。
富山写真語万華鏡は、富山の知られざる魅力を紹介し次世代にのこそうと、
1巻ごとにテーマを決めて、富山の魅力を伝えてきた月刊誌です。
全312巻でています。
そして、万華鏡の最終巻が去年の夏に発行されたことをうけ、
今回は、平成20年に福光美術館で行った「南砺の百景展」のリバイバル展示を行っています。
南砺の風景や暮らし、食、文化など、様々な視点で撮影された写真が楽しめます。
例えば、家の屋根から雪が落ちる瞬間を切り取った写真や、
医王山麓で冬支度をしているもの、
街の中にある小さな石仏、
かぶら寿司を作る様子などなど。
「あ~この場所知ってる!」という場所もあれば、
「この景色はどこからとった写真なんだろう」と知らなかった南砺の一面をみることができて面白かったです。
きっと、南砺に住む方であれば、懐かしい景色も多いと思います。
ぜひ、風間さんが見た南砺の魅力を楽しんでくださいね。
初めて、石崎光瑤の作品を見たんですが、すごく細かいのに躍動感があり、
見入ってしまいました。
10代のころから晩年の作品まで一度にみることができ、
作品の移り変わりも見ることができたのも良かったです。
地元出身の作家石崎光瑤の作品と、写真家風間耕司さんからみた南砺の景色、
南砺の魅力が詰まっていました。
ぜひ、みなさんも楽しんでくださいね。
今回は、福光美術館をご紹介しました!
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福光美術館
開館時間 午前9時から午後17時まで
最終入館 午後16時30分までです。
休館日 火曜日
*展示替えでお休みの日もありますので、ご注意ください。
入館料 一般310円
高校生・大学生 210円
小中学生 無料
企画展「知られざる光瑤の横顔」 4月14日(日)まで
コレクション室「南砺の百景展」 4月14日(日)まで
南砺の百景展のみの観覧は、無料となっています。
*福光美術館のHPはコチラから。
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