魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル
2023年11月13日
突然ですが、
みなさんは、過去に戻ってやり直したいことはありますか?
あの時違う選択をしたら、違う未来があったのかも?
○○しなかったことを今も後悔しているなど。
もしかしたら、珈琲店にいる魔女が、
あなたの願いをかなえてくれるかもしれませんよ。
今回は、文春文庫から発売されている太田紫織さんの「魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル」という小説をご紹介します。
もともと、私は太田紫織さんの「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」シリーズが大好きで、
全18巻家にあります!
何度も読み返しているシリーズなので、おすすめです。
そして、今回ご紹介する「魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル」の舞台は、
北海道札幌市にある珈琲店「タセット夕暮れ堂」です。
タセット夕暮れ堂には、
「後悔を抱えた人を過去に連れていき、やり直しをさせてくれる」魔女がいると言われています。
タイトル通り、タイムトラベルのお話です。
珈琲を入れる間のたった4分33秒の間だけ、
やり直しをすることができるそう・・・
そんな不思議な珈琲店の魔女と一緒に時をわたる少女の物語です。
主人公は、中学一年生の女の子「陽葵(ひまり)」です。
陽葵は、幼いころから聞いた曲を同じようにピアノで弾くことができ、神童として注目されていました。
そして、陽葵の母は、娘をピアニストにしたい!と、
小学生の陽葵をたった一人でイギリスに音楽留学させることに。
英語も話せない陽葵はイギリスでの生活や授業になじめず、思ったような成果もでません。
そんな時、事故にあい左手を怪我し、夢破れて札幌に帰ってきます。
新しい中学校への登校初日、上手くなじめるか、独りぼっちにならないかなど、
不安な気持ちに押しつぶされそうになりながら学校に向かうところから、物語は始まります。
登校初日の通学路で出会ったおばあさんをきっかけに、
陽葵はタセット夕暮れ堂に行くことになりました。
そこで、たまたま魔女が、
時渡しをする場面に遭遇します。
タイムトラベルができるなら、事故に合う前に戻りたい!と願う陽葵ですが・・・
この後は、本を開いて楽しんでいただきたいです。
タイムトラベルのお話はいくつかあると思いますが、
今回は、一度だけ後悔している過去にもどることができ、
そこでの行動が変われば、未来も変わるんです。
タイムトラベルで過去に渡ったお客さんは、
4分33秒の間に、
未来を変えることができるのか。
それとも・・・
過去と同じ時間を過ごしてしまうのか。
やさしくも、ほろ苦い物語です。
また、今ご紹介している本は、
2巻まででています。
1巻を読み終わったあと、2巻も早く読みたい!と感じる終わり方で、
2巻まで一気読みしました。
シリーズを通して、
陽葵の話を聞こうともせず、どうしても娘にピアニストになってほしい母親や、
反抗的な態度をとる妹との関係、
タイムトラベルにまつわることが徐々に明らかになっていきます。
2巻までしか出ていませんが、この後ももう少し続きそうなので、
私はのんびりと新刊を待とうと思います。
そして、私も、この本を読みながら、
戻りたい過去はあるかなぁと考えてみました。
やらかした!失敗した!というときに戻ってやり直したいとか、
あの時もっと勉強しておけば!とか、
あの時○○しなければなど思うことはあっても、
未来を変えるために戻りたい過去は、正直思いつかなかったです。
というのも、この本を読んで、過去をかえることはすごく覚悟が必要だと感じたからです。
過去をかえたら、今より悪い未来が待っているかもしれないですし、
自分以外の人生も変わってしまうかもしれませんしね(笑)
ただ、もしかしたら、今後の人生の展開によっては、あそこに戻りたい!と思うことはあるかもしれません。
そう思うことがないように、今を大切にして過ごしていきたい!と、
本を読んで感じました。
後悔していることをやり直すために過去に戻るので、
ずしっとくるエピソードもありますが、読んでよかったです!
読書の秋、あなたも陽葵と一緒にタイムトラベルしてみてくださいね。
今回は、文春文庫から発売されている太田紫織さんの小説「魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル」をご紹介しました。