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松桜閣

2024年11月18日

秋も深まってきましたね~

気温差も大きくなり、疲れがたまるころだと思いますが、

お庭を眺めながらゆっくりとした時間を過ごしませんか~?

 

今日は、黒部市にある「松桜閣」をご紹介します。

 

松桜閣は、松に桜、内閣の閣とかいて、「しょうおうかく」と読みます!

 

今回は、松桜閣の管理などを行っている大角秀治さんに、

詳しく教えていただきました~!

 

まず、松桜閣は、初代富山県知事の国重正文の私邸として建てられました。

明治9年は、石川県に富山県が編入されましたが、

明治16年に、分県して今の富山県が設置されました。

 

知事の国重正文が富山にいて住んでいた時は、

黒部市ではなく、今の富山市の富山城周辺にあったそうです!

富山城で執務を行い、住む家は松桜閣のほかにあったそうですが、

夕涼みや景色を楽しむために、松桜閣をたてました。

 

もともと京都にも縁があり、

質素ながら京風な建物になったそうです。

富山にはあまり京風の建物はないので、珍しいですよね!

 

国重正文が富山を離れた後しばらく空き家になっていましたが、

黒部の豪農の西田家が購入し、現在の場所に移築されました。

 

私はてっきりその家に住むために西田家が買い取ったのかと思ったんですが、

もともとの家が焼けてしまい、新しい家が建つまでの仮住まいとして購入したとのことです。

新しい家ができたあとは、離れとして使っていましたが、

1931年に地元の天真寺というお寺に寄贈されました。

敷地内に本堂をたて、松桜閣は住まいとして90年ほどすんでいらっしゃったそうです。

 

平成に入り北陸新幹線駅構想計画の中に「黒部」らしい駅つくりの一環として「松桜閣」と「日本庭園」の整備が提言され、

平成20年から3年間の修復工事により数寄屋建築の松桜閣に復元されました。

 

松桜閣の変遷をざっとお話しましたが、

まさか富山市にあった建物が黒部市に移築されていたことに驚きましたね~!

 

松桜閣は、桜閣数奇屋づくりとなっています。

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一階は茶室の要素を取り入れたお部屋になっていて、

座った時に美しいお部屋です!

 

まず、柱がほそめで、天井がかなり低めです。

身長180センチぐらいのかたがたったら、頭がぶつかりそうな高さです。

そして、座った時に、外を眺められるように、

目線の高さにガラスをいれた障子戸になっています!

 

京風の粋で繊細な空間です。

 

また、富山市にあったときは濡れ縁はなかったそうなんですが、

黒部に移築されたときに濡れ縁も作られました!

 

2階は、桜閣のつくりになっていて、

景色を楽しむのに適したお部屋になっています。

 

まず、天井が一階よりも高く開放的な空間になっています。

さらに、お庭が望める位置には、肘掛縁が設置されています。

そこに肘をおきながらゆっくりお庭をみてもいいですし、

肘掛縁に座って景色を楽しむこともできますよ~

 

私も実際に、2階からお庭をみたんですが、

お庭が一望できて、とっても落ち着く空間でした。

 

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どんなお庭かは、この後ご紹介しますね!

 

そして、松桜閣の隣には茶室もあります。

船底のような天井に、赤松の皮つきの柱や、灯り窓もついているなど、

こだわりが感じられる空間です。

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また、茶室の玄関すぐのところには、

国重正文の直筆の額が飾られています。

墨の汚れがあるんですが、書いた当時に酔っぱらっていてついたものだそうですよ~!

 

ぜひ、松桜閣と茶室をゆっくりご覧になってみてくださいね!

 

そして、松桜閣のもう一つの見どころは、近江八景を趣が感じられる庭園です!

 

もともと西田家が池や灯籠などを整備していましたが、

天真寺に寄贈された後、富山市の庭師城川久治氏により、

近江八景の趣を取り入れた庭園になりました!

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まず、近江八景とは、滋賀県にある琵琶湖周辺の自然景観を代表する8つの名所を指す言葉です!

近江八景の要素を取り込んだお庭づくりということです。

 

例えば、築山の五重塔は、近江八景の石山の秋月の景をまねていたり、

池の近くにある雪見灯篭は、比良暮雪(ひらのぼせつ)を表現したりしています。

 

また、池も琵琶湖の形を意識してつくられています。

あとは、松桜閣の前には、傘形の松が植えられています。

唐崎の一つ松を表現していて、

すこし曲がって伸びている様子が、個人的には好きでした~!

9月の中秋の名月の時は、松の右側に月がでて、

池にも月がうつりとっても綺麗だそうです~!

 

他にも、カメの形をした亀石が2つあったり、

象のせなかのような方地をした象形の意思や、座禅ができるような座禅石などもあります。

灯篭もたくさんあるんですが、

松桜閣の裏側にある山灯篭がきれいでした!

というのも、銅で模様が描かれていて、

松竹梅と月の模様がはいっているんです~!

ついじっくりと見てしまいました~!

お庭も広いので、ゆっくりあるきながら見るのがおすすめですよ~!

 

初めて、松桜閣に行ってきましたが、

とっても心が落ち着く空間でした。

ぜひ、松桜閣の2階から、

近江八景の趣が感じられる庭園を見ていただきたいです~!

また、春はしだれ桜なども咲いて、よりきれいな景色を楽しめるとのことです!

 

今日は、黒部市にある松桜閣をご紹介しました!

 

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松桜閣

場所 黒部宇奈月温泉駅の近く

開館時間 午前10時から午後16時まで

入館券 1人300円、

庭園散策のみ 一人100円

 

また、事前予約が必要ですが、松桜閣の一階でお抹茶を飲むこともできます。

お茶席は、一人500円です。

 

休館日 水曜日

※12月から3月の間は、冬季休館となります。

今年の開館は、11月30日まで

 

詳しくは、コチラから。

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mizunashi 12:00 PM