民俗資料館
2023年10月30日
10月も明日で終わりですね。
今年もあと2か月ということで、びっくりしています。
年々、1年過ぎるのが早くなってきている気がします(笑)
また、番組内でもお知らせしましたが、
来週のSTEP!は、特別番組放送の為、お休みとなります。
次回は、11月10日の放送となりますので、よろしくお願いします!
さて、先週のSTEP!では、富山市民俗民芸村にある民俗資料館をご紹介しました!
まず、富山市民俗民芸村は、呉羽丘陵の豊かな自然の中で、史跡を内蔵する文化の里です。
民芸合掌館、民俗資料館、陶芸館など9つの施設があります。
今年の3月の放送では、富山市民俗民芸村の「売薬資料館」をご紹介しました。
そして、今回は民俗資料館で行われている企画展「呉羽丘陵の産物~茶摘みの風景が広がっていたころ~」を見てきました!
というのも、以前、富山の地紅茶を取材したときに、昔呉羽丘陵では茶畑が広がっていたと教えていただきました。
呉羽というと、やっぱり呉羽梨のイメージがあるので、びっくりしました!
今回、当時のことを詳しく知りたい!と、民俗資料館に行ってきました。
まず、呉羽丘陵ではいつからお茶の栽培がおこなわれていたと思いますか?
だいたい江戸時代から昭和の半ばごろまで、
お茶の栽培が行われていました。
もともと呉羽丘陵は、小高いところにあるので水の確保ができず、
お米の栽培ができませんでした。
そのため、呉羽丘陵のエリアでは、
材木や、お茶、野菜、和ろうそくの原料となるハゼノキやウルシを栽培していました。
お茶の栽培は、もともと呉羽丘陵に自生していた木もあれば、
後から植えたお茶の木もありました!
だた、今の時代に行うような剪定などはほとんど行っておらず、
手入れも枯草を燃やした肥料をあげるなど簡単なものだったそうです。
また、江戸時代の終わりごろになると、
富山にも製茶会ができます!
製茶会では、収穫したお茶を買い取り、
製茶を行い他の地域に販売していました!
この製茶会では、ランクで値段を買えて買い取っていました。
一番茶と二番茶だと、一番茶のほうが高い値段で、
一番茶の中でも上中下と品質によって3つのランクに分けられていました。
価格が一定だったので、
江戸時代の後期には、お茶の栽培で一定の収入を得ることができていたそうです。
そして、明治時代に入ると、富山県の前身の新川県が茶の名産である京都の宇治から、
講師を招き、お茶栽培の勉強会が行われました。
その時、玉露という緑茶の育て方が富山にも伝わりました。
江戸時代は、茎なども混ぜて作る番茶が主流でした。
玉露のことは噂で聞いたことはあっても、手間や育て方が違うので、
ほとんど行われていませんでした。
明治時代を機に、富山に製茶場が各地にでき、
緑茶が生産されるようになりました。
ホイロとよばれる、下で火を焚き、大きな器をあたため茶葉を蒸す道具などを使い、
製茶を行っていました。
実際に当時の製茶場の写真もみたんですが、
男性の方が作業をしていました。
そして、明治時代なるときれいに整列した茶畑が増えます。
一番茶の時期は、田植えの時期と重なるので、
主に女性や子供が茶摘みをしていましたよ~!
茶摘みの様子も、写真に残っています。
とっても貴重な写真ですよ!
実際に写真をみることで、
本当に呉羽丘陵でお茶の栽培が行われていたんだなぁと実感しました。
民俗資料館の中二階には、当時製茶場で使われていた「ホイロ」も展示されていますので、
ぜひご覧になってみてくださいね!
そして、明治から昭和初期にかけて盛んに行われていたお茶の栽培ですが、
昭和中期から減少し、後期にはほとんどなくなりました。
学芸員の方によると、戦争が行われていた昭和初期には、
呉羽地域に軍用地ができ、製茶場も減少したそうです。
また、明治時代からお茶の栽培と並行して、梨などの果樹の栽培が行われていました。
明治以降流通が発達し、お茶の栽培でもある程度の収入がありましたが、
戦争が終わった後は、より儲かる果樹の栽培に徐々に移行していったのではないかとのことです。
時代の流れとともに、呉羽地域のお茶の栽培はなくなっていったそうです。
ただ、今でも庭先に茶の木があったり、畑と脇に茶ノ木があったりと、
今もまだ名残があるそうです!
民俗資料館の受付のところの花瓶に、茶ノ木がありました!
秋の今の時期に花が咲くそうで、
白い可愛らしい花を咲かせていました!
私、初めてお茶の花を観ました(笑)
よかったら、みなさんも見てみてください!
そして、今回の展示では、当時の文献が多く展示されていました。
茶屋街にあったお店のメニュー表や、
納税に関する文献などなど。
文献の近くに解説も書いてありますので、参考にしてみてください!
ちなみに、茶屋街では、お茶屋さんだけではなく日用品や旅の人向けのお店もあったそうです!
学芸員さんに、メニュー表には、わらじ、馬の靴なども書いてあると教えてもらい驚きました(笑)
また、民俗資料館は、旧山田村から移築した茅葺・寄棟づくり・合掌組の住宅です。
屋根は、ウグイスづくりと呼ばれる形です。
2階には、濃厚などの道具や生活用具も展示していますので、
企画展と合わせてご覧になってみてくださいね。
今回、改めて富山の産業の歴史について、勉強になりました!
ぜひ、この機会に呉羽丘陵の自然や文化、歴史に触れてみてくださいね~!
今日は、富山市民俗民芸村の民俗資料館をご紹介しました!
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富山市民俗民芸村『民俗資料館』についておさらいしましょう!
開館時間:午前9時から午後5時まで。
(最終入館 午後16時30分)
観覧料:民俗資料館のみ 大人100円、
富山市民俗民芸村の全館見ることができる共通券 大人530円
高校生以下は無料
*11月3日の文化の日は、観覧料が無料
企画展「呉羽丘陵の産物~茶摘みの風景が広がっていた頃~」:11月26日(木)まで
*富山市民俗民芸村では、民俗民芸村連携企画展「呉羽丘陵」と題し、各施設で企画展開催中
富山市民俗民芸村のHPはコチラから。
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