近況など。
2009年5月18日
最近、また本を読むようになったので
いくつかご紹介します。
*トリツカレ男 / いしいしんじ
この本との出会いは
雑誌か何かで「オススメの本特集」がありまして、
あるファッション関係の方が「蒼井優さんに薦められて読みました」
と書いているのを見て読んでみようと思いました。
あるヨーロッパのような町にジュゼッペという男性がいました。
彼は何かに夢中になると四六時中それをしているため、
「トリツカレ男」というあだ名で呼ばれていました。
そんな彼がある日、風船売りをする異国の町からやってきた
無口な女性に出会い、彼女に「トリツカレ」てしまいます。
…え~この先が大事なので、
知りたい方は実際に本を読んでご確認ください(*^ー^*)ノ〃
感想としては
すごく愛情に溢れたストーリーでしたね。
1つ1つのエピソードが最後には1つに束ねられ、
読み終えた後も心地よい感覚が残りました。
ジュゼッペのように無条件に誰かに「トリツカレ」てみたいです(笑)
*海と毒薬 / 遠藤周作
この本との出会いは
FMとやまで毎週日曜日の10:00~10:30までお送りしている
「Panasonic Melodious Library」でした。
作家・小川洋子さんの解説によって、
名作の新たな楽しみ方を伝えている番組です。
その番組の中で「海と毒薬」が紹介されていまして、
妙に心にひっかかる何かがあったので読んでみました。
戦争末期、九州の大学付属病院における
米軍捕虜の生体解剖事件を描いています。
解剖に関わった医学生や看護師の内面に迫り、
「日本人の罪の意識」「日本人とはいかなる人間か?」などを
読み手に問いかけています。
作品の中には「海」が多く出てきます。
その「海」は、情景描写として表現されていたり、
精神世界を映し出していたり、
登場人物たちを飲み込んでいく
「戦争」という個人ではどうすることもできない運命を
「海」に重ねたり…と、さまざまな形で登場しています。
「海」の表現の多様性が作品を読みやすくし、
また核心を突いていて印象的でした。
内容としてはかなり重たいものではありますが、
読み応えはあると思います。
番組の中でも話題に上っていましたが、
宇多田ヒカルさんがオフィシャルHPで「好きな作家」ということで
遠藤周作さんの「海と毒薬」「沈黙」をあげています。
さらに、
2002年発売のアルバム・楽曲「DEEP RIVER」は
遠藤周作さんの小説「深い河」からインスパイアされたものだそうですよ~。
詳しくはこちらをクリック↓