9月27日 gra書
2011年9月27日
今月9月は、いよいよ大きな作品を書いてみます。今日はそのラスト、いよいよ大きな作品に仕上げます。先週まで字を調べて草稿を作った「五穀豊穣」を実際に書きます。
用意するのは、筆、墨、紙、硯、そして、先週作った「五穀豊穣」の草稿と先々週調べた文字の表です。
ではいよいよ「五穀豊穣」を大きく書きます。
ですが、本番の紙を前に、書く字の大きさをどのくらいにすればいいのか、ちょっと分からないということもあるかもしれません。
そんな場合は、まず、草稿を見てください。「五穀豊穣」でしたら4文字なので、草稿の紙を4つに折ってみてください。
そうすると、紙の折り目の部分が作品のどのあたりにくるのかというのがおおよそつかめます。
これと同じように、本番の紙、今回は、畳を縦に半分にしたくらいの大きさになります、半折を使いますが、この紙も草稿と同じように4つに折ります。
折り目が見にくいかもしれませんが、4つに折って広げたものです。
そうすると、草稿と本番の紙の状況が同じになるので、草稿を見ながら実際に筆で書くと、草稿のイメージに近い大きさの字が書けるようになります。
そして、どんどん書いていって、最終的に草稿に一番近いもの、自分の納得いくものを作り上げます。
なお、書いたものは、できればすぐに捨てずに残しておいてもらえればと思います。
もし、何枚も書いてみて、ちょっとイメージが変わってきたり、紙の枚数の問題で書けるだけ書いたけどどれを選べばいいかわからない、という場合は、それまで書いてきたものをもう1回全部出して、そのなかから「これっ!」というものを選び出す方法がありますので、よほど間違った字を書いた場合は別として、書いたものは捨てないでおいてください。
「○○書」と書きます。俗にこれを「落款」といいます。これで一応作品は完成です。もうちょっときちんとしたものになりますと、自分の印、石で彫ったハンコを押したり、表装して掛け軸や額に仕立てたりして、きちんとした作品として完成させます。
これから芸術の秋が本格化します。皆さんも、ちょっと筆をとって、紙と墨の世界を楽しんでみませんか。
先ほどの「五穀豊穣」を篆書体で書いてみました。