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9月20日 gra書

2011年9月20日

今月9月は、いよいよ大きな作品を書いてみます。

先週は、「字を調べ」ました。今週は調べた字をもとに草稿を作ります。

草稿、書道の作品でいいますと、実際に書く前にどのような作品にしようかという設計図のようなものです。
何の準備もなくいきなり紙を出して字を書くと、ある程度の作品はできますが、自分がこう書きたい、というイメージにあったものができるかとういうと、偶然にできることはあっても、確実にできるという保証はありません。
逆に、1枚1枚書くごとに全く雰囲気の違ったものができあがってしまって、どれがいいのか分からず、紙の無駄遣いになってしまうということもあります。
確実に、自分がこう書きたいと思う作品を作る上で、草稿があると、作品の全体像を、書く前にイメージすることができますし、この草稿をそのまま原寸大の紙に書くだけになるので、作品を書く作業がスムーズに運びます。紙の無駄遣いを防ぐこともできます。

では、草稿を作ります。
まず、これから書く作品のサイズを決めてください。
半紙よりも大きな紙はいくつか種類があります。主だったところでは、書き初め用紙、連、半折、連落ち、全紙、2尺6尺、2尺8尺といったものがあります。
書き初め用紙は、皆さん小学校の時にやりました、書き初めの紙です。連というのは、縦が140センチ、横はおよそ17センチの細長い紙です。この横の長さが倍になると、半折、3倍になると連落ち、4倍になると全紙の大きさになります。そして、2尺6尺、2尺8尺はその名の通りの大きさの紙で、どちらも縦に細長い形になります。

今回は、半折の紙で作品を書いてみたいと思います。
書くのは、先週の番組で調べた文字「五穀豊穣」です。
まず、設計図を作るので、半折の紙の大きさの縮小版となる枠を作ります。
これは、普通のコピー用紙で構いませんので、半折の紙の大きさを縮小した寸法で縦に長い四角形を書きます。
半折の大きさは、縦140センチ、横35センチなので、たとえば10分の1のサイズの場合、縦14センチ、横3.5センチの四角形を紙に書きます。
草稿は、自分がこれだ、という作品の縮小版なので、たぶん1回書いただけでは完成しないと思います。
そこで、ある程度の大きさの紙であれば、四角形を3、4つと作って、どんどん草稿を書けるように準備しておくといいと思います。
もしそれで足らなければ、四角形を書いた紙を何枚かコピーして、ストックを用意してください。
img_0595.jpg

次に、四角形に、草稿を書いていくのですが、ここで、先週ご紹介しました、字を調べた紙、これを出します。
img_0593.jpg

この紙を見ながら、筆でもかまいません、サインペンでもかまいません、実際に作品を書くようなイメージで草稿を作ります。
img_0594.jpg

これを繰り返して、自分の思い描いているものに最も近いものをつくりだします。

ここで気をつけたいことがあります。うまくいかなかったからと言って、草稿をすぐに捨てないでください。
というのも、ある程度書いてみて、どうも違うと思ったときに改めて全部の草稿を見直すと、作り始めの草稿がいちばんイメージに近かった、ということもあります。
ですので、作った草稿は全部取っておいてください。
この草稿を作って、最終的に作品にするものを選びます。

img_0596.jpg 

選び終えたら、いよいよ実際の大きさで作品を作りますが、その部分は、来週ご紹介します。
 

takanobu827 9:27 am