9月13日 gra書
2011年9月13日
今月9月は、いよいよ大きな作品を書いてみます。
半紙よりも大きな紙で作品を書く場合、いきなり紙に書くという方法もありますが、通常は、いくつかの手順を踏んで書くことになります。
簡単に手順を紹介しますと、
?まず何を書くか決めます。
?続いて字を調べます。
?そのあと草稿を作ります。
?そしてようやく書きます。
?完成させます。
最低でも5つの手順を踏んで作品を書き上げます。
先週は、何を書くか決めました。今日は2つ目、「字を調べます」。
作品を書くときには、一般的には、ある程度一定の書体で作品を書いていきます。
かっちりとした作品を書くのであれば楷書、くずした字の作品を書く場合は行書や草書といった具合に、1つの作品で書体を統一させる必要があります。
そのためには、これから書こうとする漢詩や和歌、文章は、書道の世界ではどのように書かれているのかをチェックしなくてはなりません。
なぜか。
作品を書き上げてよく見ると、間違った字が書かれていました、では、人様に見せるわけにはいきません。
特に、くずし字やかな文字は、なんとなく雰囲気で書いたとしても、見る人が見れば字の間違いは一発で見破られます。
ですので、間違った字を書かないようにするための確認作業が、「字を調べる」ということなのです。
この「字を調べる」のになくてはならないのが、「書道字典」です。
この字典には、様々な文字が、楷書、行書、草書、隷書、篆書でどのように書かれているのかがまとめられています。
1つの文字に対して様々な書体の書き方が収められています。
こちらは、1つのひらがなに対してこのような書き方がされているというものが集められています。
この書道字典から、作品で書く文字を調べて、別の紙に書き出してみます。
書き出す場合、筆で書き出してもいいですし、サインペンで書き出しても結構です。
まず、どのような書き方がされているかを洗い出すことが、字を調べる一番の目的です。
では、「五穀豊穣」という四字熟語でやってみましょう。
まず紙を用意して、五、穀、豊、穣それぞれ一定の間隔をあけて、 縦に字を書きます。
続いて、それぞれの文字について、書道字典を横において、どのような書き方がされているか、自分で実際に書いてみます。
どのような書体で書くかが決まっていない場合は、楷書、行書、草書、隷書、篆書すべての書体を書き出してみます。上の画像は「五」の書体をすべて出してみました。
同じように残りの穀、豊、穣の3つの文字についても書き出してみます。
そして、文字の一覧を作ります。
上の画像は、右から楷書、行書、草書、隷書、篆書の順番に書き出してあります。
ここで字を洗い出してから、今度は、草稿を作る作業に入りますが、これは、来週ご紹介します。