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9月6日 gra書

2011年9月6日

月が替わって今月9月は、いよいよ大きな作品を書いてみます。
半紙よりも大きな紙で作品を書く場合、いきなり紙に書くという方法もありますが、通常は、いくつかの手順を踏んで書くことになります。

簡単に手順を紹介しますと、

? まず何を書くか決めます。
? 続いて字を調べます。
? そのあと草稿を作ります。
? そしてようやく書きます。
? 完成させます。

最低でも5つの手順を踏んで作品を書き上げます。
まず今週はその中の最初の段階、何を書くかを決める、ここをご紹介します。

まず何を書くかを決める前に、紙の大きさを確認しましょう。
半紙よりも大きな紙はいくつか種類があります。
主だったところでは、書き初め用紙、連、半折、連落ち、全紙、2尺6尺、2尺8尺といったものがあります。
書き初め用紙は、皆さん小学校の時にやりました、書き初めの紙です。
連というのは、阿波踊りにもこういう言葉がありますが、大きさでいいますと、縦が140センチ、横はおよそ17センチの細長い紙です。
この横の長さが倍になると、半折、3倍になると連落ち、4倍になると全紙の大きさになります。
そして、2尺6尺、2尺8尺はその名の通りの大きさの紙で、どちらも縦に細長い形になります。
何を書くかの前に、紙の大きさを決めておくと、書く内容も絞りやすくなります。

さて、何を書くか、ですが、漢字、かな、現代詩文で中身が大きく変わります。
まず漢字の場合、一般的に作品として書かれるものの1つに、漢詩があります。
杜甫、孟浩然、白居易といった、中国の有名な詩人の漢詩を作品として書きます。
場合によっては、日本人が作った漢詩を書くこともありますし、中国語や詩に自信がある人は、自分で作った詩を書くのもいいかもしれません。
漢詩を作品に書く際には、季節や作品を書くときの状況など、作品への想いを漢詩に反映させることが多いです。
書店やネットなどで、自分の書きたい漢詩を探してみてください。
詩を選ぶ際にいくつか候補がある場合は、紙の大きさと詩の長さ、たとえば五言絶句であれば20文字、七言律詩であれば56文字で、1行に何文字書いて何行でおさめるか、といった具合に、文字の数と紙の大きさのバランスを考えて選ぶ方法もあります。
こちらは、書道的には「多字数作品」と呼ばれています。
漢詩のほかには、名言、格言、四字熟語などが題材として扱われます。
この場合は、季節や作品を書くときの状況というよりも、この文字を書く意味や意図の方が、ウェイトが大きいですね。
なお、格言などは、漢詩よりも文字数が少ないケースが多いので、書く時間は短くて済みますが、その分、文字の大きさや表現力が求められます。
こちらは、「少字数作品」とも呼ばれています。
この場合、文字と紙の大きさのバランスは、内容を選んでから考えます。

次にかなです。
かなの場合は、小さな文字で書くか、大きめの文字で書くか、作品の大きさをまず決めるところからはじまります。
そのあと、書く言葉を選びます。
かな文字の場合は、和歌か俳句が主流です。
古今和歌集をはじめとした和歌集であったり、鎌倉時代から江戸時代にかけて活躍した俳人、松尾芭蕉や小林一茶などの句、あと百人一首も作品の題材にいいですね。
かなの場合は、1つの作品の中に和歌や俳句を複数入れて書くこともありますので、1つに絞りきれない場合は、2つ書く、3つ書いてみてはいかがでしょうか。 

そして、現代詩文の場合、特にこれという大まかなくくりはありません。
自分が書きたい詩、ポエムでもいいですし、好きなアーティストの歌詞でもOKです。あるいは、自分で作った詩でもいいでしょう。
まずどんな内容を書くか、これが重要です。
今の私たちであれば、この現代詩文が、自分の想いを一番端的に表現できるので、こちらを選ぶという方法もありますね。
まずはみなさんそれぞれどんなものを書きたいか、しっかり選んでみてください。

来週は、書く内容を選んで、それからどうするか、をご紹介します。
 

takanobu827 8:39 am