8月23日 gra書
2011年8月23日
今月は、かなについてご紹介しています。
先週は、実際に仮名の書道の作品にはどんなものがあるかをご紹介しました。今週は、このかなの作品に触れてみます。
先週は、おもな仮名文字の作品として、「高野切」「本阿弥切」「寸松庵色紙」「升色紙」「継色紙」といったものがあるということをご紹介しました。これらをまねて書く、臨書してみましょう。
かな文字の作品を臨書する際は、お手本となる本などに書かれている文字と同じサイズで臨書します。
この時注意したいのは、文字がいくつもつながって書かれている状態、連綿(れんめん)といいますが、この部分にはどんな文字が書かれているのかをしっかりと把握することです。
ぱっと見て、ひょろひょろの線が書かれている感じがしますが、このひょろひょろの中にちゃんと文字が書かれていることもありますので、どのような文字が書かれているのか、臨書する前に確認した方がいいでしょう。
どのような文字が書かれているのか理解したうえで文字を書くと、ここからここまでが「○○」という文字で、その次が「○○」という文字と、書きあがった文字にもメリハリが出てきます。変体仮名を覚える練習にもなります。
上の画像で書かれている文字は以下の通りです。
「我こひ(日)は(者)みやま(万)か(可)くれのくさな(那)れ(連)や」
1行の中にいくつも変体かなが使われているのがわかります。
先週の今井のブログでかな文字の画像をご覧になった方はなんとなくお分かりかと思いますが、かなの作品を臨書するときに、もう1つ注意したいことがあります。
これは、特に「色紙」と呼ばれるかなの作品を臨書するときですが、文字が書かれている場所です。
「継色紙」を見てみますと、いわゆる「ちらし書き」がされています。
上から下まで文字がびっしりではありません。
この場合、文字の書き方もそうですが、文字と文字の間、空間の活かし方も1つ勉強するポイントになります。
この空間の活かし方を身につけると、文字を書く美しさだけでなく、紙の中にどのように文字が書かれているか、紙の色と墨の色のバランス、いわゆる絵的な要素も身につけることができます。
もし「色紙」と呼ばれるものを臨書する際は、ただ半紙などに書くだけでなく、実際にお手本と同じサイズに紙をカットして、複製をつくるような感じで練習すると、お手本の持つ美しさがよりわかるのではないかと思います。