7月19日 gra書
2011年7月19日
今月は、小筆で字を書くときのポイントをご紹介していきます。
先週は、小筆で字を書くときの基本についてお話しました。
今回は、祝儀袋や香典袋に小筆で字を書く際のポイントをご紹介します。
祝儀袋や香典袋には2つのタイプがあります。
1つは、「寿」や「御香典」といった表書きの文字が、袋に一緒に入っている細長い紙に書かれていて、
その下の部分に名前を書いて袋の真ん中に差し込むタイプ、
もう1つは、直接袋に字を書くタイプです。
まずは、細長い紙に書く場合です。
書く前に、袋と紙を合わせてみて、どの部分に水引きがくるのか、ということを確かめてください。
これを怠りますと、名前の一部が水引きにかぶさってしまう恐れがあります。
だいたいの目安としては、紙の下3分の1程度、この中に名前が納まるようにするといいでしょう。
次に、実際に名前を書きます。
名前は、紙の中央に書きましょう。
分かりやすいように試しに3つに折ってから書いてみました。
会社名などを入れなくてはいけない場合には、名前の右上に小さめの文字で書いてください。
夫婦連名の場合は、中央にまず苗字を書き、その下に、右側に旦那さんの名前、左側に奥さんの名前を書きます。
書きあがって、墨が渇いた状態になったら、袋に差し込んで完成です。物によっては、上の部分に両面テープがつけられているものもありますので、この場合は、差し込んでから両面テープで留めてください。
ここで、1つ。「香典袋に字を書くときは薄い墨を使う」。
皆さんも聞いたことがあるかと思います。
これは、「悲しみのあまり、涙で字がにじんで薄くなってしまった」という意味合いから、薄い墨で書くのがマナーである、と言われているところから、香典袋は薄い墨でというのが一般的とされています。
が、最近では、名前の部分は薄い墨でなくてはいけないというきまりも緩くなっているようで、濃すぎなければOKという見方もあるようです。今お話している細長い紙、香典袋の場合をみると、表書きは薄い文字にはなっていませんね。ですが、可能であれば、薄い墨で書くことをお勧めします。
その場合、墨がにじむ恐れがありますので、筆についた墨をふだんよりも落として書きましょう。
香典袋の例です。
もし自信がない方は、何枚か細長い紙が袋に一緒に入っているので、使わない紙で練習するといいでしょう。
今度は、直接袋に文字を書く場合です。
この場合、袋に水引きがついた状態で何にも書かれていません。
そこで、表書きも名前も両方書くことになります。
表書きは大きく、名前は表書きよりやや小さく書きましょう。
表書きは、水引きに少しかぶさっても問題はないと思います。
ただし、そのまま書くと、水引きに墨がつく恐れもありますので、書く前に水引きを外すと、楽に字が書けるかと思います。
その場合、どのあたりに水引きがきていたのか、記憶にとどめながらはずしてください。
そのあと、表書き、そして名前を書いて、墨が渇いたら水引きを元の位置に戻して完成です。
さて、書くときのポイントです。
祝儀袋、香典袋、いずれもかなり墨を吸う性質の紙で作られています。ですので、特に表書きを書く場合、祝儀袋の場合はかなり濃い墨を用意して、香典袋の場合は筆についた墨を十分に落としてから、書いてください。
墨が滲むと、何が書かれているのか分からなくなるので、ここは十分気をつけてください。
あくまでも例です。
この祝儀袋や香典袋に小筆で文字が書けるようになると、他に小筆で字を書く場合もある程度書けるようになります。
ちなみに私は、この祝儀袋や香典袋に小筆で文字を書くときが、最も慎重に筆で文字を書くときです。
次回は、年賀状などのハガキに文字を書く場合についてお話します。