5月31日 gra書
2011年5月31日
今月はここまで3週にわたって、実際に文字を書くときの基本をお話してきました。横の線、縦の線、はらい、点、はねとやってきました。今日は、その基本的な書き方のまとめとして、「永字八法」をやってみましょう。
この「永字八法」は、書道で使われている書き方8種類が、「永遠」の「永」の文字の中に含まれていることを表現した言葉です。これは、以前番組の中でも紹介した、「KING OF 書家」王羲之も提唱していたものです。
さて、「永字八法」の8つの法ですが、「側・ソク(点)」「勒・ロク(横の線)」「努・ド(縦の線)」「テキ・走にょうに洗濯物の濯の右側の字を書きます(横の線や縦の線からのはね)」「策・サク(斜め右上への横線)」「掠・リャク(左はらい)」「啄・タク・豚という漢字の左側の月を口に書き換えた文字です(短い左はらい)」「タク・石へんに傑作の傑の右側を書きます。(右はらい)」の8つです。
まず「ソク」、一番最初の点です。文字の中心を定めるように紙の上に点を打ちます。
2つ目は「ロク」、点のすぐ下の横線です。軽く筆を入れて短く線を書きます。
3つ目は「ド」、縦線です。文字の中心を貫くように縦の線を書きます。
4つ目は「テキ」、はねです。縦の線の終わりのところから左斜め上の方向にゆっくりとはねます。
5つ目は「サク」、短い横の線です。先ほどはねを書きましたが、その羽根の延長線上に当たる部分に軽く筆を載せて、やや斜め右の方向に短く横の線を書きます。
6つ目は「リャク」、左はらいです。左斜め下45度の方向に払って、筆先をそろえるような感じで払い終わります。
7つ目は「タク」、2つ目の短い横の線の延長に当たるところから筆を載せて、縦線に向かって左へ払います。最後の部分が縦線に重なるようにはらいます。
そして最後はもう1つの「タク」右はらいです。右斜め下へ徐々に線を太くしながら筆を運ばせて、最後は右へ筆先をそろえるように払い終えます。
「永字八法」を実際に書いてみました。これは、楷書を書く上で基本となる書き方の1つです。
ここから本格的に楷書を書いて、そこから、行書や草書の崩し字、はたまた隷書、篆書へと、字の書き方を勉強していくやり方もあります。