5月10日 gra書
2011年5月10日
「gra書」、私今井が、書道の「いろは」からご紹介しています。
今週は、いよいよ書きます。
まず、書く前に。
新しく筆を買った場合、毛の部分がのりで固められているものがあります。使うときには、筆の先を少しずつ指でほぐしてやわらかくしてから使います。
また、書道を始めて間もない方は、全部の毛を柔らかくするのではなく、筆の先3分の1程度だけやわらかくするといいと思います。これは、書くときの力加減がまだうまくいかないときに、ある程度の太さの線が書けるように、筆を調整するものです。
墨汁ではなく、固形の墨を使って字を書くとき、墨は、硯の丘、平たい部分ですが、ここに水を1、2滴落として、その水を丸くのばすように墨を磨ります。これを繰り返して、ある程度の量の墨をつくります。なお、これはそれなりに時間がかかるので、墨をするときは気長にやるといいと思います。
そして、紙。おもに半紙ですが、触ってみてすべすべしている方が表、ざらざらしている方が裏です。すべすべしている方を上にして、その上に書いていきます。
あと、字を書くときに紙がずれないよう、紙の上のところに文鎮などを置いて紙を押さえます。
今日は、基本の横の線を書いてみましょう。
筆の持ち方は、鉛筆やペンの持ち方の状態から、手の力を少し抜いて手首を浮かせてラクに持ちます。
筆で文字を書くときは、3つの動きで行います。1つ目は「起筆(きひつ)」、起きる筆と書きます。2つ目は「送筆(そうひつ)」、送る筆と書きます。もう1つは「終筆(しゅうひつ)」、終わる筆と書きます。この3つです。
まず「きひつ」です。いきなり筆を紙の上に乗せるのではなく、軽く筆で点を打つように紙の上にまずのせます。こうすることによって、線の最初の部分が引き締まるのと、線の太さのベースラインをしっかりと定められます。
なお、力を入れすぎると、びっくりするほど起筆が太くなったり、筆がぐにゃっと変形する恐れがありますので、やさしく乗せましょう。
次に「そうひつ」です。紙の上に筆を乗せて、その状態をキープしながら線を書くわけですが、決して筆を寝かせないように、立てた状態で書いてください。また、書くときに力を入れすぎるときれいな線が書けなくなるので、リラックスして、すっと書いてみてください。
そして、「しゅうひつ」、線の書き終わりです。線の終わりのところまできたら、そこで筆の動きを止めて、軽く押さえでから筆を上げます。この押さえるときに、軽く線の上の方で押さえると形よく線が整います。下で押さえると、線のしっぽの部分にこぶのような形が残ってしまりがなくなるので、押さえるときは、上を意識してください。
今日は、横の線の書き方でした。