7月12日 gra書
2011年7月11日
今月は、小筆で字を書くときのポイントをご紹介していきます。
先週は、小筆で字を書くときに必要なモノは何か、
どのような基準でものを選べばよいか、という、
準備編をご紹介しました。今週はその続きです。
小筆で文字を書くときは、小筆、濃い墨、硯、書く紙や袋が
必要とお話ししました。
その小筆ですが、筆先1センチくらいの部分を墨をつける前に
やわらかくするのがおおよその基準となります。
それよりもやわらかくする部分が多くなると、
筆のコントロールが難しくなって、小さな字が書けなくなります。
逆に少なくなると、本当に小さな字しか書けなくなります。
やわらかくするときは、筆先がばらばらにならないよう、
少しずつ、優しく柔らかくしていきましょう。
画像の筆の黒い部分が、およそ1センチの範囲です。
次に墨です。以前もお話ししましたが、
水を1滴、硯の平たいところ・丘といいますがここに載せて、
この動作を繰り返します。
墨を磨って、水が黒くなって少し粘り気が出てきたら、
ある程度の濃さになった目安です。
その濃い墨がある程度の量たまったら、書き始めましょう。
先週もお話しましたが、
小筆は、筆の先の部分に注意を払って使うものなので、
墨をつける量も、筆先がちゃんと見える程度に調整します。
そして、字を書きます。
先週、小筆で字を書くときは、大概、
自分の名前や住所を書くケースとお話ししました。
ためしに、自分の名前を書いてみてください。
次に、自分の住所も書いてみてください。
小筆できれいに字を書くときは、文字の1画1画を確実にていねいに書くことが大切です。
なかなかうまく書けない、上手に書くためのお手本があればいいのにな…、という方もいるかと思います。
今書店に行くと、小筆や筆ペンなどで美しく字を書く方法を学ぶ本がたくさんあります。これを買って地道に練習する方法もあります。
でもこの本もどれがいいのか分からない、どうしようという方。
これはですね、ほかの書家の方に怒られるかもしれませんが、この方法は手っ取り早いと思います。
皆さんパソコンお持ちですよね。
パソコンで文章を作成するソフトがありますね。
これを開いてください。
手で文字を書くのに何でパソコンを使うんだ?と思うかもしれませんが、続けます。
文章作成ソフトを開いて、文字のフォントを見てください。
このフォントの中に、「楷書体」、もしくは「教科書体」はありませんか。これを選んでください。
これで縦書きに設定して、自分の名前と住所をちょっと大きな文字で打ち込んで、印刷してみてください。
印刷した紙を見てみてください。
ちょっとしたお手本になりませんか。
もしためしに印刷した文字が思ったよりも小さいなと思えば、もっとサイズを大きくして打ちこんで印刷すれば、自分の希望する大きさのお手本が自分で作れます。
いちばん最初はこれで練習するのもいいと思います。
楷書体や教科書体には、文字に変な癖がないので、素直な字を書くことができるかと思います。
次回は、祝儀袋や香典袋に小筆で字を書く際のポイントをご紹介します。