★☆★★☆★ 4月19日の 『キノコレ』 ★☆★★☆★
「キノコレ」は、毎月・第1&第3月曜の13:45〜『grace』の中でお送りしています。
今週は、紀伊國屋書店富山店 係長 朝加昌良さんのオススメ本です!
◎本屋大賞決定!
先日発表があり、今回の本屋大賞は『天地明察』(沖方丁 角川書店)が受賞しました。
算学者にて碁打ちの渋川春海が暦作りの使命を受け、全てを賭して立ち向かう物語は、
時代小説ファンはもちろん普段は時代小説を読まない方にも支持されています。
発表翌日は1Q84を越える売上があるなどかなりの反響があります。
当店では発売直後から積極的におすすめしていたこともあり、
出版社から在庫もきちんと頂けているのでぜひ店頭で
どんな本か確かめていただければなと思います。
※ちなみにこの本を面白いと感じた方におすすめしたいのが『始祖鳥記』(飯島和一 小学館文庫)。
江戸時代の岡山藩に大空を飛ぶ、ということに己の全てを賭けた男がいた。
彼のその姿が、悪政の世に対し何かをしようとする真直ぐな人々をも動かしてゆく・・・という物語。
著者の飯島和一は、直木賞は確実といわれながらも候補にあがることを拒んでいるという、知る人ぞ知る実力派です。
◎紀伊國屋書店の出版物のこと
実は紀伊國屋書店の出版物というのが存在します。
メインの業務は本屋ですが、出版社でもあるのです。
あまり知られていないようですので、ちょっとご紹介したいと思います。
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★ 『愛するということ』
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・弊社の出版物の代表作といえる作品。ロングセラーですが、1週間の売上を見ていても実はヘタな新刊より
よほど売れている本でもあります(今年で見ると、チェーンで週に100冊以上は売れています)。
・現在は新訳版ですが、1959年に出た旧版とあわせると76刷、56万部になります。
・愛することは技術である、という主張の元に書かれた本書、異性との愛だけでなく兄弟愛や家族愛といったものにも、言及しております。
愛されることのいわゆるノウハウ本は世の中に氾濫していますが、
愛すること、また愛そのものについてここまで真剣に考察された本は他にはないと思えます。
読んでなんだか背筋が伸びる思いでした。
☆『愛するということ』各界の方々からのメッセージ
杏(モデル・女優)
「愛」を、学術的に学ぶ本。解剖・分解され、構築される愛のメソッド。
本能として持ち合わせた愛を、いったいどれだけ言葉で表せるのだろう。
愛されるのではなく、愛する技術とは? 生きるためのヒントがつまっている。
岩井志麻子(作家)
とても簡単なことが、大いに楽しめ学べる複雑なドラマとして描かれています。
とても難しいことが、誰にでもわかるやさしい言葉で表されています。
岡崎武志(書評家)
現代は「愛」が消費材のように叩き売られる時代。
半世紀も前にフロムは、「愛」は「幸福に生きるための最高の技術」と断言。
その修練のために「信じる」ことの必要性を説いた。かくも「愛」は困難だ。
姜尚中(東京大学教授)
愛に飢えながら、愛を語りえないわたしたちの不幸。
それは、愛が歪んだナルシシズムと利己心の別名になっているからだ。
愛するということは、自己への信頼と他人の可能性への信頼にもとづく最も人間らしい技術にほかならないことを知ったとき、
愛は輝きを増し、そしてわたしの希望となった。
本書によってわたしは救われたのだ。
菊地成孔(音楽家・文筆家)
「愛ってこんなに面倒くさいものなの?」と思うでしょうけれども、こんなに面倒くさいんです。
あらゆる愛の実践が、歌の歌詞だけになってしまった現代に残された、
今となっては喰えないぐらいにキツイ本です。
「ずっとそばにいるよ」とか「声聞けないと死にそうだよ」とかいった言葉に本気でグッと来るような人は、
読まない方が良いかもしれません。
小谷野敦(比較文学者・作家)
間違えてはいけない。これは「愛されるということ」ではない。
この本をいくらよく読んで何かを実行しても、好きな相手から好かれるようにはならない。
そういう勘違いさえしなければ、読んでもよい。
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
愛に迷った時、求めても得られなくて絶望にかられた時、
この本の愛についての理性みなぎる文章に触れるとたちまち精神が鎮静化します。
鈴木謙介(社会学者・関西学院大学助教)
本書の冒頭でフロム自身が言うように、私たちは「愛される技術」についてはいつも考えているけれど、
「愛すること」は難しいことではないと思っている。
だが実際には、相手をひとつの人格として尊重し、愛するのは、とても難しい。
愛されたいと思う人こそ読むべき一冊。
谷川俊太郎
『愛するということ』を、若いころは観念的にしか読んでいなかった。
再読してフロムの言葉が大変具体的に胸に響いてくるのに驚いた。
読む者の人生経験が深まるにつれて、この本は真価を発揮すると思う。
土井英司(「ビジネスブックマラソン」編集長)
人を動かす秘訣を学びたいなら、100冊のマネジメント本を読むより、このフロムの名著を読むといい。
たった一つの原則――愛とは対象の問題ではなく、愛する能力の問題である
――を知るだけで、うまくいくはずだ。
夏木マリ(ミュージシャン・ディレクター)
いくつになっても愛についてのメカニズムに答えはないと思っていた。
著者は「愛は技術だ」と言い切る。人を愛する技術。
そういえば、こんな私も…、人を愛して隣人に優しくなれたような気もしている。
そんな時、自己成長を体感しているような気もしている。
「人を愛することは自分を知ること」 この本が明解に導いてくれた。
新浪剛史(ローソン社長)
本当の愛とは何かを考えれば、人生も、真に企業が歩むべき道も見えてくるのだと思います。
西村佳哲(リビングワールド代表、働き方研究家)
人が人生を通じて触れつづけていたいものは愛、と語る言葉に時々出会う。
そうかもしれないと思うし、あまりに大事な話で、言葉にしたくないとも思う。
この本はそれを言葉にしているわけですが、生涯を通じて何度も読み返したい。そんな一冊です。
日野原重明(聖路加国際病院理事長・名誉院長)
私は本書を読み、「技術を習得する過程として、
1.理論に精通すること、2.習練に励むこと、3.その技術を習得することが究極の関心事にならなければならない」という言葉に接し、
これが医学にも音楽にも通じることに気づき、強い感動を覚え、
臨床医や看護・介護職の方々にこの本を読むことを勧めている。
松浦弥太郎(『暮しの手帖』編集長)
愛とは、自然と涙が流れること。
愛するとは、すべてを信じることから学ぶ、工夫と発案に満ちた無償の生き方である。
本書は現代人が欲望と引き換えに失った、人間らしさに立ち返るヒントに満ちた一冊といえよう。
宮台真司(社会学者)
愛とは、
愛される〈体験〉ではなく、
恋に落ちる〈体験〉でさえもなく、
喜びを与える〈行為〉たるがゆえに、
磨かれるべき「技術」を要するという本書は、
何度読んでも、そう、そうだったはずだとの気付きをもたらす。
森まゆみ(作家)
初読の学生時代、私はカップルの片われで、「愛されること」ばかり考えていた。
55歳のいま、結婚、出産、育児、離婚、市民運動、更年期障害、老いの自覚を経て再読し、
この本が何百倍も広く深い、生きる意味を照らす鏡であると思えてきた。
山田太一(脚本家)
出回っている陳腐な愛で諦めている人に、
修練を積めば、もっとましな愛、ましな人生、ましな世界を手にすることが出来るのではないか、
といっている本です。
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★ 『どっちが?」絵本
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・こども向きの本も出しております!お子様と一緒に楽しく読める「どっちが?」シリーズと呼ばれるもの。
『どっちがへん?』『どっちがどっち?』『どっちがピンチ?』の3冊。
・作者は『100かいだてのいえ』でおなじみの岩井俊雄さん。
シンプルながら愛嬌のあるイラストが特徴です。
・簡単に言えば開いたときに「間違い探し」のようにちょっと違う絵が左右に描かれています。
ちょっとした違いだったり、あるいは形が似ているけど全く別のものだったりとユニークです。
・それぞれの本の最初にはこの本の遊び方が書かれています
(実はこの絵本は岩井さんの家で実際に遊んで いた遊びから生まれました)。
例えば『どっちがどっち』の場合。
あるページでは男の人が口を開け、右のページではマイクを持っており、左のページではアイスを持っています。
お父さんお母さんは閉じた状態で「どっちがどっち♪どっちがどっち♪」と歌い
「・・・どっちがマイク?」といいながらページを開けます。
見ているお子さんはそれを見て「こっち!」と指差すわけですね。
慣れてくれば見せている時間を少なくして閉じたり、
あるいは違っている箇所がいくつかある絵では「どっちが何々?」の部分を変えるとよいでしょう。
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★紀伊国屋書店富山店からのお知らせ★
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・加藤登紀子さんサイン会
5/7(金)18時より開催です。先着100名、関連書籍、CDご購入の方が対象。
整理券を配布中です。
◆紀伊国屋書店富山店 場所は、富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号 076-491-7031 営業時間 10:00〜20:00
・5月の定休日は3回。12日、19日、26日の水曜日。
◎5月3日の放送は、ポッドキャストでもお聞きいただけます!